Case Studyお客様事例

「Run the Business」から「Change the Business」へ。「AGREX DX College」を立ち上げたアグレックスからDX人材育成のカギを学ぶ。

株式会社アグレックス様

(左から三番目)長﨑竜介様 株式会社アグレックス デジタルトランスフォーメーションパートナー事業部長
(左から二番目)森本旭様  株式会社アグレックス DXビジネス推進部 グループ長
(左から四番目)松浦暢子様 株式会社アグレックス DXビジネス推進部
(左から五番目)吉成奈穂様 株式会社アグレックス DXビジネス推進部
(左から一番目)柿下裕彰様 株式会社アグレックス 西日本クラウドソリューション部 エキスパート
(右から一番目)神宮司剛  株式会社ディジタルグロースアカデミア
(右から二番目)日下規男  株式会社ディジタルグロースアカデミア

TISインテックグループの中核企業として活躍するアグレックス様では、2022年2月から3月にかけてDX人材育成体系を構築しました。同社はこれまでも人材育成に力を入れており、さまざまな研修や育成施策を行ってきましたが、DX人材育成については知見が少なくディジタルグロースアカデミアがご支援することになりました。さらに、DX人材育成体系を構築した後、2022年6月より「AGREX DX College」をスタートしDX人材育成を推進しています。DX人材育成を実施することになった経緯や、その先に描いている姿を、株式会社アグレックス 長﨑様、森本様、柿下様にお伺いしました。

貴社のDXに対する課題感についてお聞かせいただけますか?

長﨑様:
「変化の大きなお客様の要望に、応えられる人材が不足しているのではないか。」

当社はBPO事業を中心に、お客様の業務効率化のお手伝いをしてきました。最近、コロナ禍の中でオンライン会議が主流になったことから打ち合わせに同席できる機会が増え、お客様のお話を直接聞くことが増えてきたのですが、ご要望を伺うと、「デジタル化・効率化したい」と仰います。こういったご要望は以前から聞いていましたが、これまでと違いスピード感が速まっていると感じます。

従来のITはウォーターフォール型の開発がほとんどで、お客様のIT部門が要件を定義し、当社は要件に従って開発することが役割でした。しかし、近年ではIT部門だけでなく利用部門の声を聴いてほしい、PoCを行い方向性が企業の課題にあっているか確かめながら開発してほしい、とのご要望が増えています。

従来のように、お客様が要件を決めて、SIerが作るのでは立ち行きません。待ちの姿勢ではなく、パートナーとして一緒に要件を決めるところからお手伝いする必要があることを感じます。

また、お客様も言葉だけはDXが並ぶのですが、「具体的にはどうしたらよいかわからない」という声をよく聞きます。業務を理解している当社が、お客様に合った新しいビジネス作りをお手伝いしたいと考えています。

長﨑竜介様

「AGREX DX College」を立ち上げたきっかけについてお聞かせいただけますか?

長﨑様:
「BPO事業は順調だが、『2025年の壁』を超えられる人材が必要。」

DX人材育成については半年前から検討を始めました。現在、当社のBPO事業は順調ですが、従来のビジネスの延長で事業をしています。経済産業省が「DXレポート」にて提示した「2025年の壁」に示されているように、今のまま自分たちの立ち位置を変えないでいると、ビジネスが行き詰まると危機感を持っています。お客様の変化に合わせて当社も立ち位置を変えていかなければならず、今のままRun the Businessではなく、お客様のChange the Businessを引っ張れる人材育成が必要だと思っています。

DX人材育成の取り組みは人事部ではなく、デジタルトランスフォーメーション事業本部DXビジネス推進部が主導して進められているのは何故でしょうか?

森本様:
「デジタルトランスフォーメーション事業本部がパイロットとなり、本研修を全社に展開していきたい。」

DXビジネス推進部はどの事業部にも属さない業務を行っています。当事業本部の人材に求められるスキルは業界の知識、企画運営など、全社的に共通な知識とは異なります。新規ビジネス創出に必要なスキルも、今回の研修を通じて学び、デジタルトランスフォーメーション事業本部がパイロットとして実績を積んでいきたいと考えています。いずれは全社に展開していくことを考えており、「AGREX DX College」の一部には、他本部からも数名参加しています。

今回の「AGREX DX College」を企画するにあたって、ディジタルグロースアカデミアをパートナーとして選定いただいた経緯をお教えください。

森本様:
「当社の業務特性に合わせて、カスタマイズしたDX人材育成体系を、ご提案いただいたことが決め手になった。」

昨年度は他社に研修をお願いしていましたが、デジタル文脈では研修のラインナップが少なく、当社の希望に合った提案をいただくことは困難でした。ディジタルグロースアカデミアは、当社の示した課題や問題点に対してどうすべきかを踏まえ、業務特性に合わせてカスタマイズしたDX人材育成体系をご提案いただいたことが決め手でした。通常コンサルはそこで終わるのですが、育成のための研修もご提案いただくことができました。言い換えれば、「オーダーメイド」と「レディメイド」の違いでしょうか。もちろん、大手企業を中心とした提供の経験や実績も高く評価しています。

森本旭様
長﨑様:

昨年度は、外部の講師によるインプット、意識づけ、マインドセット向上の研修が中心でした。ディジタルグロースアカデミアは、当社の長期ビジョンである「アグレックスビジョン2030」の実現に向けて必要な知識に絞った提案があったことも選定のポイントです。最初、「デジタルトランスフォーメーション事業本部の目指しているものは何ですか?」と聞かれてすぐに答えられなかったのですが、「まずはそこからやりましょう」とお声がけいただいたのが今も記憶にあります。

研修に先立ち「DX人材育成体系構築」をお手伝いいたしました。ご支援でよかったポイントを教えてください。

森本様:
「当社の現状の課題や目指す方向を踏まえて、一緒になってDX人材育成体系を構築できたのはとてもよかった。」

これまでも人材育成は行っていましたが、既存のビジネスであるITやBPOに関するカリキュラムがほとんどです。お客様のビジネス環境が変わる中、現在の教育では現状にそぐわなくなってきていると感じていました。最近はDXが流行りですが、どういう人材が必要かはわかりませんでした。当社の現状の課題や目指す方向をお伝えし、一緒になってDX人材育成体系を構築できたのはとてもよかったと感じています。

当社のビジョンである「アグレックスビジョン2030」では新たなビジネスの拡大が目標です。「DX人材育成体系構築」では、「アグレックスビジョン2030」の内容を具体化し、2~3年後に向けて何をすればよいか方向性が見えてきました。

「AGREX DX College」を始めるにあたり、期待していることを教えてください。

長﨑様:
「本研修を通して、お客様の環境を理解・共感してグリップを強化できる人材になってほしい。」

私はDX人材とは「お客様と伴走して、お客様のビジネスを拡大させる人材」と考えています。表面的な課題にとらわれるのではなく、もう一歩踏み込んでお客様と共感しながら悩みの解決策を形にする。担当者と話すだけではなく上位者とも話し、よいものを開発してほしいです。

お客様と一緒になり課題を掘り下げていくことで、実は問題の本質やお客様の想いは別のところにあった、ということがよくあります。例えば、よく聞く課題で「効率化のため紙をなくしたい」があります。しかし、掘り下げて聞くと本当の目的は紙の削減ではないことがわかります。「営業が100名もいて何をしているかわからない。紙が多いことが無駄な稼働になっているのではないか」、本当にやりたいのは「事務作業にかかっている工数を営業活動に振り向けたい、売り上げにつながる業務をしてほしい」です。そういうことを引きだせる人材を育成していきたいと考えています。本研修を通して、お客様の環境を理解・共感してグリップを強化できる人材を育成したいと思います。

柿下様:
「お客様と共に新たな価値創造を行うために必要なマインドや、ベースとなる知識・スキルを、整理された体系で学び、習得できることを期待しています。」

「AGREX DX College」のカリキュラムを見ました。現場では、担当顧客・分野に関する知識は深まりますが、全体的な知識はなかなか得られないです。本研修では初級から上級まで幅広い内容となっており、お客様と共に新たな価値創造を行うために必要なマインドや、ベースとなる知識・スキルを、整理された体系で学び、習得できることを期待しています。

お客様と共に新たな価値創造を行うために、現状どのようなご提案をすればよいかわかりません。本研修でどういうアプローチをすればよいかのヒントを得たいと思います。

当社には長い付き合いで深い関係性のお客様もたくさんおります。経営層とつながっているところもあります。まずはこれらのお客様と新たな価値創造に取り組み、成功事例をモデルケースとして広げていきたいです。

柿下裕彰様
森本様:
「DXを引っ張る人材はデータサイエンティストやビジネスデザイナーなど他にも必要。1期生の受講者が結果を残して全社に展開していきたい。」

「AGREX DX College」の受講者は1年間、業務を行いながら研修に参加することになります。各部からエースを選抜したので、部署の負担も小さくありません。また、1年あるので中だるみもするでしょう。途中、社長の講話や外部の方のお話も入れるなど事務局も工夫しますので、離脱しないでやり遂げてほしいと思います。また、研修で知識を得るだけではなく、客先に行って行動を起こしてほしいです。

DXを引っ張る人材はデータサイエンティストやビジネスデザイナーなど他にも必要です。当社は全社で対象者が2,000名いますが、1期生の受講者が結果を残して全社に展開していきたいです。

「AGREX DX College」開講にあたり、ディジタルグロースアカデミアに一言いただけますでしょうか。

長﨑様:
「受講者の本音を引き出すことで、深い学びにつなげてほしい。」

講義を円滑に進めるため、わからないことをわからないと言えず、わかったふりをしている受講者もいると思います。講師には本当に理解しているか本音を引き出してもらうことで、受講者が深い学びを得られることを期待しています。また、別の研修で宿題があまりに多く離脱者が出てしまったことがありました。業務をしながらの研修ですので離脱者が出ないよう注意してほしいです。

一方で、部長クラスが数名、自分から率先して学びたいと今回受講者に入っています。積極的な姿勢は大変うれしいです。お客様から「DX人材を育てるにはどうしたらよいか」と相談を受けたら答えられるようになってほしいです。

松浦様:

現在、研修の一部がスタートしていますが、実践や体験につながる研修が特によかったです。長くお付き合いできることを期待しています。

松浦暢子様
吉成様:

当社の弱みを踏まえて細かく提案いただいたのがよかったです。これからもサポートをお願いします。

吉成奈穂様

最後に全体を通してお言葉をいただけますでしょうか。

長﨑様:
「お客様をよく知り、意識の転換をしてほしい。」

当社の社員には、お客様のビジネスにもっと関心を持ってほしい。これからのビジネスは、IT部門の決めたRFPをいただいて開発する「待ちの姿勢」では、必ずシュリンクします。相手はIT部門に加え、利用部門にシフトすると考え、利用部門の課題をヒアリング・解決するのがポイントです。お客様から言われたことをやるのではなく、お客様をよく知り、意識の転換をしてほしいです。

「アグレックスビジョン2030」実現に向け試行錯誤の中、事業を拡大しています。人材育成に力を入れていきますので、当社の事業を進めるためご協力をよろしくお願いいたします。

神宮司剛

本日はありがとうございました。

【編集後記】

今回のインタビューを通じて、アグレックス様の危機感の高さを強く感じました。既存事業が好調のうちに人材を育成し、新たなビジネスを成長させたい。同社のビジョンである「アグレックスビジョン2030」では、顧客の創出付加価値を高めることを目指しています。

大変チャレンジングな目標ですが、「AGREX DX College」の受講者には大きな期待がかかっています。また、受講者だけでなく、研修を提供する我々としても大変大きな責任を感じています。研修を通じて、DXに対する理解を深め「アグレックスビジョン2030」実現に貢献できるよう、研修プログラムの提供に努めてまいります。

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