Columnコラム

人事DXとは?起こりやすい課題や進め方、事例なども紹介

更新日:2022年11月21日

DXは、人事業界でも進められています。

人事DXを実現できれば、たとえば社員のスキルや経歴を可視化して適切な人材配置や個々人に合った人材育成を可能としたり、採用業務にクラウド型システムや従業員の日程調整に予約システムを導入することで、業務効率化を実現したりするでしょう。

こうしたDXの実現は、人事部で働く社員が本来もつ力を発揮するための一助となりえます。

人事DXの推進により人材を管理するだけでなく、企業利益を追求するための人材戦略が行える人事部を目指していきましょう。

人事DXとは

人事DXとは、人事業務にデジタル技術を導入し、人事データの抽出・分析を行い、データに基づいた施策を実施することで、個人や企業全体のパフォーマンス向上や企業文化の変革を進めていくことです。

人事DXと似たような言葉でHRテックがありますが、これはデジタルを活用し人材育成・採用管理・人事評価などの人事業務全体の効率化を目指したソリューションサービスを指します。

HRテックとの共通点としては人事業務の効率化が挙げられますが、あくまでも人事業務を効率的に進める技術であるため、人事DXのように業務効率化を達成したさらに先のデータ分析・活用で個人・企業の変革を目指していくものではありません。

人事業界でDX推進が推奨されている理由

人事業界においてもDXが推進されているのには、以下のような理由があります。

  • デジタル化できる業務が多い
  • 適切な部署へ人材を配置しやすくなる

デジタル化できる業務が多い

人事業界でDX推進が推奨されている理由の一つには、人事業務にはデジタル化しやすいものが多いということが挙げられます。

たとえば人事部門においては、以下のように幅広い業務が行われています。

  • 採用
  • 人材育成
  • 移動配置
  • 人事評価 など

事業環境は日々変化していくため、経営戦略の実現に向けては人事戦略に力をいれていくことが求められています。

上記のような業務一つひとつは、デジタル化によって自動化・効率化の実現が難しくありません。

デジタル化を進めることで、人事担当者の業務効率が上がり、より戦略的な業務に時間を割けるようになるでしょう。

適切な部署へ人材を配置しやすくなる

人事DXを進めることで、適切な部署へ人材を配置しやすくなるというメリットがあります。

全社員のスキル・特性・経歴などのデータを集約し、それぞれの特徴を視覚化することで、データに基づく人事配置が可能です。

たとえば別の部署にいる2人の社員に同じようなスキルや特性を発見し、人事配置を考えるときに近い傾向を持つ社員を異動候補とすることで、異動先の部署で高いパフォーマンスが発揮されることが期待できます。

「この人はこの部署に向いてそう」「上司の希望で配置替え」という主観的な意見だけでなく、客観的データをもとに配置を検討すればより適材適所に人材が行き渡るでしょう。

社員自身にとっても、自分のスキルや特性にあった部署に配属されることは、さらなるキャリアアップやモチベーションアップにつながる可能性があるため、企業全体のパフォーマンス向上が見込まれます。

人事DXにおける課題

人事DXを進めるにあたっては、以下のような課題を解決していく必要があります。

  • データの収集が難しい
  • 既存システムからの移行が難しい
  • DX人材が不足している

データの収集が難しい

人事DXにおける課題の1つとして、データの収集が難しいというものがあります。

既存の人事データを1箇所のクラウドにまとめるためには、企業内の社員の全データを集める必要があります。

しかし、こうしたデータは一つのパソコンに収まっているとは限らず、部署を超えた複数のパソコンや、紙の書類として保管されているケースがあるのです。

そのため、まずは社内に散らばったデータを集めるための労力や時間をかけることが、人事DX推進の大きな妨げになっていることがあります。

既存システムからの移行が難しい

人事DXが進められない理由に、既存システムからの移行が難しい点が挙げられます。

そもそも新しい技術を導入することに積極的でない上層部である企業の場合には、人事DXの周知から実践にいたるまで多くの困難に直面するでしょう。

人事DXを進めるためには、先ほど触れたように社内からデータをかき集めて整理することから始まり、新しいシステムの導入や操作方法の学習など、切り替えには多くの手間がかかるのも事実です。

切り替え期間においては、デジタル化する前のアナログ業務のほうが楽だったという意見が聞かれることもあるでしょう。

逆にこの切替期間を乗り越えられたら、業務の効率化によって人事業務は飛躍的に進歩することが期待できます。

DX人材が不足している

デジタル化を進められる人材がいなければ、人事DXの実現は困難です。

システムの導入はできたものの、まずはそのシステムを使いこなせなければ業務の効率化は達成できません。

在籍する従業員にデジタル化に力を入れられる人材がいない場合には、外部から人材を集める必要があります。

人事DXを進めて業務を効率化する前に、まずDX推進のための人材採用や人事配置に時間や手間をかけることになるため、消極的になる企業も見受けられるのです。

デジタル化を進める前のハードルが高いのが現実ですが、まずはこのハードルを乗り越える算段を立ててみることが望ましいといえます。

人事DXの進め方

人事DXを進めるための具体的な手順を見ていきましょう。

1. 目的を明確にする

まずは人事DXを進める目的を明確にします。

具体的な目的を描けていれば、上層部・経営層・現場間で、同じ方向を見て動くことが可能です。

この際、たんにデジタルツールを導入するという話に留まってしまわないように気をつけてください。

ツールの導入はあくまで人事DXを達成するための手段の1つであることを意識したうえで、目標を立てていきましょう。

2. 現状を把握する

次に、企業の人事業務の現状を把握します。

デジタル化可能な人事業務を洗い出してみてください。

たとえば以下のような業務は、デジタル化したほうが業務効率が上がることが予想しやすいはずです。

  • 勤怠管理
  • 給与計算
  • 証明書発行
  • 入退社手続き
  • 社員情報管理

どの業務を誰が担当しており、各業務にどれだけの時間とコストがかかっているのか、といったことも確認しておくことで、社内に人事DXを導入する目的を伝えるときの資料としても使えます。

3. 課題を明確にする

社内の人事業務の現状を把握できたら、今度は課題を明確にしていきます。

社内で人材データが一元化できていない問題や、採用・定着・育成・配置などの人事課題はどのようなものか、といったことを1つずつ抽出します。

こうした人事業務の課題がはっきりすると、より人事DX導入の目的・目標を明確化することができるはずです。

4. DXを利用した課題の解決策を出す

人事業務の課題が明確になったら、それらの課題をDXによってどのように解決するかを検討していきます。

解決方法としては、たとえば以下のようなものが挙げられます。

  • ツールの導入
  • 業務そのものを大幅に減らすまたは無くす
  • 業務フローを見直し改変

DX推進という言葉を聞くと、デジタル化のためのツール導入を進めるのが得策のように見えますが、業務をすべてデジタル化することが目的の達成につながるとは限りません。

必要な部分に必要なだけツールを取り入れられるよう、業務そのものの内容や業務フローを見直していきましょう。

5. 振り返りをする

人事DXを進めるためには、計画や目的を適宜振り返ることが大切です。

DX推進では、ツールやシステムの導入が完了した時点で満足してしまうケースが見受けられますが、それだけでは目的を達成できていないことがほとんどです。

目的が達成できているのかどうかは、当初設定した人事DX推進において描いたイメージとのギャップを見てみると良いでしょう。

もし当初の目的を達成していた場合でも、新たな課題が見つかれば再度目標を設定しなおしたり、解決方法の再検討をしてみてください。

人事DXの事例

人事管理システムや労務管理システムの活用によって、人事DXの取り組みを進めている企業の事例をチェックしてみましょう。

人事管理システムの活用

人事管理システムを活用した成功事例としては、採用管理クラウドの導入によるものがあります。

たとえば採用において複数の求人媒体を活用していた場合、候補者情報の管理や比較がしにくいという課題が挙げられます。

そこでA社は採用データをまとめて管理できる採用管理システムを導入することによって、候補者情報の共有がスピーディーに行えるようになり、現場の意見も取り入れながら選考ができるようになりました。

労務管理システムの活用

労務管理システムを活用した成功事例には、クラウド人事労務ソフト、予約システム、健康管理システムの導入などが挙げられます。

たとえば人事労務ソフトを導入した企業Bでは、2週間かかる入退社手続きを2日に短縮することに成功しています。

業務の負担が激減したことで、他の事務業務や適材適所への人事配置など、人事部で働く社員の本来のパフォーマンスが発揮されるようになりました。

また、健診日時の調整に予約システムを導入した企業Cでは、日程調整の効率化が実現しています。

中小企業や大企業においては、従業員全員に義務付けられた健診も、人事部が日時を指定し通知する必要がありました。

しかし予約システムの導入によって従業員自らが日時指定から予約までを実施できるようになったため、日時の調整・通知や従業員からの突発的な予定変更に悩むことがなくなり、業務効率化を達成しています。

まとめ

人事業務においてもDXを進めることで、業務効率化やそれに伴う社員のパフォーマンス向上を目指せます。

しかし人事DXを進めるにあたっては、適切な手順を踏まなくては失敗する可能性もあるでしょう。

DX人材育成会社のデジタルグロースアカデミアでは、DXに関する研修が充実しているうえに、いつ・どこにいても受講できるe-ラーニングの整備から企業別コンサルティングまで、幅広いサポートを提供しています。

人事DXを進めるために、まずは外部リソースとの連携から検討してみてください。

【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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