Columnコラム

DXが進まない理由とその対策!予算不足、人材不足の解決方法

更新日:2023年12月12日

DXの推進が進められる昨今、せっかくスタートしても詰まってしまう企業が多くあります。実際に、2022年に実施された調査でも、DXに取り組んでいる企業は15.5%に止まっています。

また、デジタル化・業務効率化は8割以上の成果が出ているのに対し、価値創出では2割程度に落ち込む現状も、DX白書2023で取り上げられています。

では、なぜ日本でDXがうまく進まないのでしょうか。その理由には、組織内で発生する4つの課題が関係しています。

この記事では、DXが進まない理由と解決策、効率よく進めるポイントを解説します。ぜひ参考にして、新たな価値創出へと動き出しましょう。

目次

    DXが進まない理由

    DXが進まない理由は、以下が挙げられます。

    1. 不明確なビジョンや戦略の欠如
    2. 変化を拒む組織内の抵抗
    3. 技術的な課題と予算の制約
    4. 不適切なリーダーシップや組織構造

    不明確なビジョンや戦略の欠如

    まず、DXを成功させるためには、明確なビジョンや戦略が必要です。ビジョンや戦略が不明確だと、DXの目的や方向性がぼやけてしまい、関係者の意識や行動が一致しません。

    また、DXに必要な投資やリソースの配分も適切に行えないでしょう。さらに、経営層がDXを理解していない場合、トップダウンの戦略すら実行が困難となります。その結果、DXに関するプロジェクトは遅延や中断を繰り返し、成果を出せない状態に陥ります。

    変化を拒む組織内の抵抗

    また、DXを成功させるためには、組織内の抵抗を克服する必要もあります。DXは、既存の業務やシステムを大きく変えることを意味します。そのため、変化に対する恐怖や不安から、組織内の一部の人々がDXに反対したり、消極的になったりすることがあるためです。

    例えば、「新しいシステムは使いづらい」「自分の仕事が奪われる」などの反発をそのままにすると、教育や研修への参加率が低下します。その影響を受け、新しいシステムの導入まで遅れることにもなりかねません。

    技術的な課題と予算の制約

    さらに、技術的な課題と予算の制約もDXが進まない理由に挙げられます。デジタル技術は日々進化しており、それに追いつくためには常に学習や更新が必要です。また、新しいシステムやツールを導入するには、既存のものとの互換性やセキュリティなどの問題も考慮しなければなりません。

    しかし、予算や人員などのリソースを制約された条件下では、満足なアクションを起こせません。また、ベンダーロックインによって、高額な変換コストやデータ移行の複雑さの課題も生まれ、最新技術の導入に躊躇して取り組みが遅れるリスクもあります。

    不適切なリーダーシップや組織構造

    最後に、不適切なリーダーシップや組織構造が足枷となることもあります。DXは単に技術的な変化ではなく、ビジネスモデルやプロセス、文化や価値観などの変革を伴います。そのため、トップダウンでDXを推進するだけでは不十分であり、ボトムアップでの参画やフィードバックも必要です。

    しかし、経営層が参画しても現場の人材に知識が足りず、必要なリーダーシップを発揮できないことがあります。また、人材の不足によってボトムアップできず、従来の組織構造の影響で横断的な連携もままならないことがあります。

    中小企業においてのDXが進まない理由

    一般的にDXが進まない理由に加えて、中小企業では以下の3つも課題となります。

    • 経営者の認識不足
    • 企業の人材不足
    • 予算の不足

    経営者において、DXを詳しく知らなかったり、その必要性が重要視されていなかったりすると、そもそもスタートすらされないケースがあります。また、中小企業のDX推進に関する調査(2023)では、「ITに関わる人材が足りない」が 28.1%と高くなっています。

    加えて、同調査で期待する支援策に、補助金・助成金(49.3%)が挙げられていることから、予算の不足も見込まれます。このように、中小企業ではさらにDXが進まない状況に陥りやすいと言えるでしょう。

    予算不足を解決するためには

    予算不足を解決するためには、以下の方法を実践しましょう。

    • 外部資金の獲得
    • 経済産業省の助成金を利用する
    • 予算の最適化
    • スモールスタート

    外部資金の獲得

    まず、予算不足を解決するためには、外部資金の獲得が有効な方法のひとつです。寄付や助成金、スポンサーシップなど、組織やプロジェクトなどが外部の資金源として挙げられるでしょう。

    しかし、外部資金の獲得には、時間や労力がかかることも事実です。そのため、外部資金の獲得に取り組む際には、自分たちの組織やプロジェクトの目的やビジョンを明確にし、適切な方法やパートナーの選択が大切です。

    経済産業省の助成金を利用する

    また、予算不足を解決するためには、経済産業省の助成金を利用することも有効です。経済産業省の助成金は、ITツールを導入することで業務効率化や生産性向上を図る中小企業に対して、補助金を支給する制度です。

    補助率は最大で2分の1、補助上限額は450万円です。なお、IT導入補助金事務局に登録されたIT導入支援事業者に依頼し、申請する必要がある点には注意してください。

    予算の最適化

    他にも、予算不足を解決するために、予算の最適化を実施します。現在の予算を見直すことで、必要なプロジェクトや領域に集中できます。また、効果の低いプロジェクトや領域から予算を削減する方法も挙げられるでしょう。

    必要に応じて、プロジェクトや領域ごとに目標や指標を設定し、予算の効果を測定しておくと、さらに精度を高められます。予算の配分や調整を柔軟に行うことで、変化する環境やニーズに対応しましょう。

    スモールスタート

    最後に、スモールスタートも予算不足の解決に役立ちます。スモールスタートは、最小限の投資で始め、段階的にプロジェクトを拡大していくアプローチです。これにより、大きな予算を必要とせずにDXプロジェクトを開始でき、リスクを最小限に抑えることが可能です。

    例えば、一部の部署でのみ新しいシステムを導入し、その成果を評価した後に他の部署へ展開するといった方法があります。初期投資を抑えつつ、段階的に効果を検証し、改善を図りましょう。

    DXの人材不足を解決するためには

    DXの人材不足を解決するためには、以下の施策が有効です。

    • 内部教育とトレーニングに力を入れる
    • 外部の人材育成サービスを利用する
    • 人材のアウトソーシングをする
    • リモートワーカーの採用をする
    • 柔軟な労働条件とキャリアパスの提供する

    内部教育とトレーニングに力を入れる

    まず、内部教育とトレーニングに力を入れることが、人材を確保するための手段として挙げられます。既存の従業員であれば、企業文化やプロセスを理解しており、その知識を活用してDXに関連するスキルも習得できるためです。

    例えば、専門的なトレーニングや研修などの内部教育を通じて、技術スキルを高める方法が挙げられます。また、IT部門の従業員をDXプロジェクトに参加させて、実技を実施するのも効果的です。

    外部の人材育成サービスを利用する

    また、外部の人材育成サービスを、必要なスキルを迅速に習得するための手段として利用しましょう。DXに特化した知識や技術を提供し、企業が内部で持っていない専門性を補うことができます。

    具体的には、オンラインのDXトレーニングプログラムや、研修を活用するなどです。従業員は、最新のDX関連技術へ触れられ、専門のサポートを受けられることから迅速に対応する能力を身に付けることができるでしょう。

    人材のアウトソーシングをする

    可能であれば、人材のアウトソーシングをすることも有効です。専門的なDXスキルを持つ外部人材を活用することで、内部でのスキル不足を補い、プロジェクトの進捗をスムーズにできます。

    例えば、プロジェクトへ一時的に参加してもらって、その専門知識を活用して特定の課題を解決するなどです。一定の費用がかかりますが、DXプロジェクトの成功に向けて迅速に進めるための有効な戦略としては非常に優秀です。

    リモートワーカーの採用をする

    より広範囲から優れた人材を獲得するため、リモートワーカーの採用をすることも検討できます。地方や他国の優秀なDX人材を企業に組み入れる機会を得られ、優秀な人材を幅広い選択肢から見つけられます。

    例えば、特定の技術に優れた人材をリモートで採用し、その知識とスキルを活用することで、課題の解決がしやすくなるはずです。また、リモートワーカーは柔軟な働き方を可能にし、企業は多くの異なる知識と経験を持つ人材を組織内に取り入れることもできるでしょう。

    柔軟な労働条件とキャリアパスの提供する

    最後に、人材不足の解消として先ほど軽く触れた柔軟な労働条件とキャリアパスを提供することも挙げられます。

    柔軟な労働条件は、働き方の多様性を提供し、より幅広い人材を惹きつけることができます。また、キャリア成長につながる研修等の実施は、従業員のスキル向上と満足度の向上に役立つでしょう。

    DXを進めるためのポイント

    DXを進めるためには、人材育成に力を入れましょう。先述の通り、DXの進展を妨げる理由は予算不足と人材不足です。予算に関しては補助金の利用などで対応できる場合もありますが、人材の採用は競争率が高く大きな課題となります。

    そのため、既存の従業員を育成して確保する方法が有効です。例えば、既存の従業員に対してDXに関する研修プログラムを導入すれば、スキルや知識を向上させることができます。

    また、DXに関するプロジェクトチームを編成し、従業員が実際のプロジェクトに参加する機会を設けて実践的な経験を積むことも効果的です。人材は必ずしも外部から取り入れなければならないものではありません。内部からも積極的にアプローチし、確保に取り組みましょう。

    まとめ

    DXの進まない理由には、予算やリソースの制約、ベンダーロックイン、不適切なリーダーシップや組織構造があります。特に中小企業では、経営者の認識不足、人材不足、予算の不足が追加の課題となるでしょう。

    そのため、以下の解決策を検討してみてください。

    予算不足を解決するための方法 人材不足を解決するための方法
    外部からの資金獲得 内部教育とトレーニング
    経済産業省の助成金の利用 外部の人材育成サービスの利用
    予算の最適化 人材のアウトソーシング
    スモールスタート リモートワーカーの採用
    柔軟な労働条件とキャリアパスの提供

    まずは、人材不足を解消するために、育成に力を入れてみましょう。ディジタルグロースアカデミアでは、DX人材に必要な研修を多く取り扱っています。まずは、お気軽にお問い合わせください。

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