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データ分析手法8選!おすすめのツールや要因分析手法も紹介

更新日:2022年11月2日

ビッグデータを活用しデジタル化、DX推進に取り組む企業が増えてきた現代では、ビジネスにおいてデータ分析は欠かせないものとなるでしょう。

データ分析手法や分析ツールには様々なものがあるため、自社のビジネスに合わせて導入することが大切です。

本記事ではデータ分析の具体的な手法や、実際に企業で使われている分析ツールについて見ていきましょう。

データ分析手法8選

データ分析の手法は数多くありますが、場面に応じて主に以下8つが用いられています。

  • クロス集計
  • ロジスティック回帰分析
  • アソシエーション分析
  • クラスター分析
  • 決定木分析
  • 因子分析
  • 時系列分析
  • ABC分析

クロス集計

クロス集計とは、属性別の情報収集やデータ分析を行うときに使われる分析手法です。

具体的には以下のような手順を踏みます。

  • データを集める属性を決定
  • アンケートを実施
  • その結果をもとにさらに属性や項目を細分化
  • 再度アンケート

この手法を繰り返すことにより、単純な集計方法では得られにくい属性の傾向やニーズを把握できるのです。

業種・業界を問わず用いられている分析方法の1つとして知られています。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析とは、膨大なデータから異なるデータの関係性を比較・分析していく集計方法です。

まず異なるデータの関係性を定量的に分析していきます。

マーケティング部を例にあげると、たとえば以下2つのデータの関連性を定量的に分析し、今後の戦略を立てるといったようなものです。

  • 問い合わせ数
  • 広告宣伝費

この結果、問い合わせ客1人あたりの広告宣伝費を算出できるため、問い合わせ客が増加した結果に対する原因が広告にあったのか、口コミによるものなのか、といったことが具体的にわかります。

そのため、ブランディングや商品開発を目的に分析を行う企業が主に用いる手法とされています。

アソシエーション分析

アソシエーション分析では、顧客データを集計しデータの相関性を割り出していきます。

この結果、データ単体では見つけられない隠れた法則を探り出せるのです。

たとえば顧客が購入した商品をデータとして保存し、その商品を購入した顧客が同時に購入する他の商品をデータ分析すれば、両商品の相関性を把握できます。

「商品Aと商品Bは同時購入されやすい傾向にある」といった関係性がわかれば、店舗のなかでAとBを同じ棚に並べて販売するという戦略を立て、売上を伸ばせる可能性があるでしょう。

なおこうした手法は、ECサイトのレコメンド機能にも活用されています。

クラスター分析

クラスター分析では、異なる種類が入り混じった集団の中から類似した集団をグループにわけ、それぞれのグループの特徴を分析していきます。

たとえばアンケート結果や購買履歴に基づき、顧客を以下のようなグループに分類します。

  • 流行り重視
  • 価格重視

こうした分類によって、流行りを重視する顧客には新製品の紹介やテレビで特集された商品の情報を提供するメルマガを配信、後者の価格を重視する顧客に対しては、とくに限定感・お得感をアピールしたメルマガを配信する、といった施策を打ち立てると売上げアップの可能性があるでしょう。

クラスター分析では見込み客の潜在ニーズを把握し、ニーズに合わせた商品開発を行うための情報を得やすいのも特徴です。

決定木分析

決定木分析では、クロス集計を繰り返して複数の要因から関係性を見出し、より強い要因を把握できるでしょう。

決定木分析を行うことで樹木のような経路図が作成され、以下のような分析結果を得られます。

  • ターゲットの絞り込み
  • 自社サービスを購入する可能性が高いユーザー属性を予測
  • 自社商品に満足の高いユーザー属性の判別、分類

たとえば「C商品は◯◯地域に住む30代独身女性に売れやすい」、という細かいところまでターゲットを絞れます。

決定木分析は、自社サービスの提供や、オリジナル商品の開発を行う企業に多く導入されている手法です。

因子分析

因子分析では数多くの変数を、少数の潜在変数に要約しまとめる手法でデータ分析を行います。

たとえば、あるサービスのユーザー評価から契約に結びつく評価要因を把握し、自社サービスの評価と競合他社のサービスの評価の違いから、各ユーザーの意識や行動、志向性の違いや自社への影響度が明確になるのです。

時系列分析

時系列分析では、時間の経過順に並んだデータをもとに、以下の要素に統計的な手法で分解します。

  • 長期的な変動要因
  • 周期的な変動要因
  • 不規則な変動要因

これら要因を分解し将来の値を予測していきます。

なお将来の値とは具体的には以下のようなものです。

  • 店舗売上
  • 株価
  • 気温・降水量
  • Webサイトへのアクセス数

時系列分析においては、現在の数値と過去の値の関係を数値化することで、分析を行っていきます。

ABC分析

ABC分析はとくに在庫管理において用いられる分析手法です。

在庫商品の金額や売上などのデータ指標のなかから重視する評価軸を決めて分類、管理します。

複数ある商品に対して重要度や優先度を決めていくもののため、重点分析と呼ばれることもあります。

評価軸を決める、とは具体的に以下のようなものです。

  • A:重要度大(常に在庫を切らさないように)
  • B:重要度中(毎月発注または在庫切れ時に発注)
  • C:重要度小(在庫切れしてから発注)

売上を評価軸にして重要度別にランク付けを行い、グラフやチャートによって見える化したうえで在庫の最適化を目指す手法です。

要因分析手法

要因分析とは、なんらかの理由で起こった問題の根本的な要因を分析する手法です。

ここでは以下2つの要因分析手法について、詳しく見ていきましょう。

  • 変化分析
  • 特性要因図

変化分析

変化分析とは、問題が生じた背景にどのような要因が潜んでいるのか、長期的な視点で分析していく手法です。

変化分析では、まず事象を把握、要因を整理し分析を行っていきます。

たとえば、クライアントAに渡す予定の資料をクライアントBに渡してしまったという事象が起きたとしましょう。

この場合、要因としては急いでおり確認不足だったことや、ダブルチェックの体制がなかった、といったことが挙げられます。

すると、「社内でチェック体制が整っていないために確認不足を招いた可能性がある」と分析できます。

こうして順序立てて分析を行うと、解決すべき課題が見えてくるのです。

特性要因図

特性要因図とは、従来製造業で活用されてきた手法でしたが、今では多くの業界で用いられているものです。

特性要因図は、結果と要因を図式化すると魚の骨のような見た目となることから、フィッシュボーン図とも呼ばれています。

分析には、最初に魚の頭となる特性(解決すべき課題やプロセスを経た結果)を書きます。

次に特性に向かって矢印を書きますが、この矢印が魚の背骨となるのです。

あとは背骨に大骨(問題に関連する要素)を足し、大骨に影響を及ぼす小骨(さらに詳細な要素)を書き出していきます。

このように、特性につながる要素を関連づけて書き出していくことで、問題が起きた原因やプロセスを把握できるはずです。

おすすめのデータ分析ツール

ビジネスにおいてデータ分析を行う場合、より正確かつ迅速な分析のためにもツールの導入を検討してみましょう。

本章では、以下4つの分析ツールの特徴を紹介します。

  • AudienceOne
  • KARTE
  • tablea
  • Microsoft Power BI

AudienceOne

AudienceOneが保有するデータには、以下のような特徴があります。

  • 約4.8億のユニークブラウザを通して収集した2兆を超える膨大なオンライン行動データ
  • 研究機関との共同開発や特許取得技術によって向上した推計技術による高品質なデータ
  • 約1400種類の嗜好性データ、郵便番号単位での位置情報データなど多岐にわたる項目

AudienceOneでは、膨大なデータのなかから必要なものを利用し、統合・管理・分析を通して、マーケティング用途に応じて活用していくことが可能です。

KARTE

KARTEは、独自のリアルタイム検索エンジンによって最新の解析結果を計算し、1秒以内に結果に応じたアクションを決定します。

日々変わる顧客ニーズにスピーディに対応できる点が特徴です。

また、顧客の過去から現在までの行動を時系列で追うことができ、さらにその顧客体験を動画で確認できます。

直感的な顧客体験によって、気持ちの高まりやモチベーションの変化など、客観的には得にくい機微なデータを得て、より顧客に寄り添ったサービス設計が可能となるでしょう。

tablea

tableaは、シンプルで直感的な操作ができるビジュアル分析に強いBIツールです。

デザイナーやユーザーなど、アナリスト以外の視点も組み込まれており、デザイン性や操作性に定評があります。

また100万人以上の国境を超えたユーザーがあつまる「Tableaコミュニティ」では、世界中のユーザーがサポートしあう環境が整っているため、新たな発見や取り組みに発展する可能性もあるでしょう。

Microsoft Power BI

Microsoft Power BIは、とくにMicrosoft製品を利用している企業におすすめのBIツールです。

Microsoftが提供するExcelとの相性がよく、社内でExcelを使っている場合には利用中のExcelに入ったすべてのクエリ、データモデル、レポートを連携させられます。

そのため、主要ビジネスデータの探索・収集・分析を手軽かつスピーディーに行えるのが特徴です。

Microsoft製品のみならず、Windows、iOS、Androidに対応したBIアプリを使うことで、幅広いデバイスから利用できます。

エクセルでもデータ分析は可能?

エクセルでも、簡単なものであればデータ分析は行えます。

分析ツールソフトのような機能は備わっていませんが、関数や分析ツールの活用で効率的に実施できるでしょう。

Excelでは、関数を利用することで自動的に計算や表示処理ができ、アドイン機能の1つである分析ツールでは統計学的および光学的分析の実施も可能です。

なおExcelにおいて利用可能な分析手法は以下の通りです。

  • 相関分析
  • 回帰分析
  • t検定
  • 分散分析
  • 主成分分析
  • 因子分析
  • 時系列分析

まずは費用を抑えつつ、できる範囲でデータ分析を行っていきたい場合には、Excelの活用をおすすめします。

まとめ

データ分析には様々な手法があるため、こうした手法を迅速かつ簡潔に活用するためにはデジタル分析ツールの導入を検討しましょう。

デジタル化やDX推進を行うなら、データ分析ツールの導入以外にも、IT・DX人材の育成が重要です。

DX人材育成会社のデジタルグロースアカデミアでは、DXに関する研修や、いつ・どこにいても受講できるe-ラーニングの整備から企業別コンサルティングまで、幅広いサポートを提供しています。

デジタル化やDXによって事業を成功させるための人材育成をご希望であれば、ぜひデジタルグロースアカデミアにご相談ください。

【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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