Columnコラム

DXとRPAの違いとは?活用事例や成功させるためのポイントも紹介

更新日:2023年3月3日

RPAは、DX推進に欠かせないパソコン操作の自動化を担うデジタル技術です。業務フローの大部分が自動化されることで、社内のDX推進は一気に加速するでしょう。

ただし、RPAには自動化に特化したデジタル技術であるが故のデメリットも存在します。

本記事ではRPAのメリットとデメリット、RPAを存分に活用するための方法や実際の導入事例について解説しています。

DXとRPAの違いを知りたい、どういった使い方をすべきか考えているという人はぜひご一読ください。

DXとRPAの違いとは?

DXはビジネスモデルの変革を意味し、RPAはDXを推し進める上で欠かせない重要なデジタル技術のことを指します。RPAというデジタル技術を活用することで、DXを推進するという関係性です。

ただし、RPAはDXを推進する一つの手段のため、複数の方法と組み合わせます。

DXを推進していく上で重要なツールではあるものの、RPAだけで推し進めるには限界があることも覚えておきましょう。

RPAとは

RPAとは、Robotic Process Automationのことで、パソコンを使った作業の自動化を意味します。

作業とは具体的にマウスやキーボードを使ったパソコン画面上で行われる操作のことです。

従来では、人の手を介して行われていたパソコン上の作業をイメージすると分かりやすいでしょう。

RPAには簡易型と開発型の2種類があります。

簡易型は、プログラミングの知識を持っていない人でも簡単に導入できるRPAです。

人がやっていたパソコン操作を記録させ、ロボットに実行させる手法です。

開発型はコーディング型とも呼ばれ、より複雑な作業や操作をこなすためプログラミング機能によってRPAを動かします。

RPAはビジネスシーンに応じて型を使い分けることで、より少ないコストでDX推進をサポートしてくれるデジタル技術なのです。

RPAを活用するメリット

DX推進においてRPAを活用するメリットは3つあります。

  1. 業務の効率化による生産性向上・コスト削減
  2. ヒューマンエラーの軽減
  3. 24時間366日休まず稼働可能

業務の効率化による生産性向上・コスト削減

RPAはパソコン操作を代行してくれるデジタル技術なので、DX推進の際に導入することで生産性をアップさせ、ビジネスや開発にかかるコストを減らしてくれます。

一度RPAを導入してしまえば、作業が自動化されるため業務効率は良くなります。

また、RPAは簡単なデータ集計分析もできるため、生産性向上にも一役買ってくれるでしょう。

ヒューマンエラーの軽減

RPAは、人為的なミス(ヒューマンエラー)を減らせます。

RPAは、ロボットの記憶媒体やプログラミングの力を借りてDXを実現するデジタル技術です。

記憶媒体を正しく管理して、プログラミングエラーを別途で処理し続ければ、大きなエラーの発生を防ぎながら安定して処理を続けられます。

手軽に人為的なミスを減らせるため、DXにおける品質向上の役割も果たします。

24時間366日休まず稼働可能

RPAはパソコンの操作を司るデジタル技術であり、導入すれば24時間366日休まずに業務を稼働させられるという大きなメリットがあります。

人員不足に悩む必要がないので、作業の担い手がいないというマイナス要素を排除しやすくなるでしょう。

RPAを活用するデメリット

RPAはDX推進において便利なデジタル技術ですが、導入する際は以下に記す3つのデメリットも想定しておかなければなりません。

  1. 停止する可能性がある
  2. システムを変更する場合、専門的知識が必要になる
  3. 業務のブラックボックス化の可能性ある

停止する可能性がある

RPAはオンラインもしくはシステム上で使われるデジタル技術であるため、サーバーがダウンしてしまった、バグが起きてしまった場合に停止するというリスクがあります。

RPAを導入するなら、動作環境であるサーバー環境をしっかりと保守管理しておきましょう。

システムを変更する場合、専門的知識が必要になる

開発型のRPAの場合、操作するにはプログラミングをはじめとした専門スキルが必要です。

システムの仕様変更や軽微な修正にもエキスパートの力を借りなければならないため、自社でDXを推進するならこうしたスキルを有する人員を確保しなければなりません。

業務のブラックボックス化の可能性ある

RPAはその特性ゆえ、RPAに任せた業務について知識を持つ人材の所在を常に明らかにしておく必要があります。

RPAはパソコンの操作を自動化するデジタル技術です。

自動化した業務フローについて詳細を知る人がいなければ、業務がブラックボックス化してしまうのです。

具体的な業務フローを把握しておくためにも、RPAに任せる業務の内容について常に把握できている人材が社内にいることを確認しておかなければなりません。

RPAの活用、導入方法

以下ではRPAの具体的な活用、導入方法について解説します。

  1. 課題・改善点を可視化する
  2. RPAの導入範囲・目的を明確にする
  3. 業務フローの可視化
  4. RPAツールの選定
  5. 運用開始・継続的なメンテナンス

1. 課題・改善点を可視化する

RPAで業務をこなすなら、ビジネスの課題や改善点についてきちんとまとめ、RPAにどの作業を任せるかについて把握しておく必要があります。

DX推進に向けていくつものツールやデジタル技術を導入していくよりも、単純にパソコンの操作をRPAに代行させて得られる改善策はシンプルなものです。

些細な課題・小さな改善点であってもつぶさに記録し、RPAを導入する余地を検討した方が徹底してRPAを活用できるでしょう。

また、RPAに処理させた作業について記録を残しておけば、DXの効果検証が容易にできるためおすすめです。

2. RPAの導入範囲・目的を明確にする

RPAは、導入範囲や目的を明確にしましょう。

簡易型はもちろん、とくに開発型のRPAの導入には多少なりともコストがかかります。

潤沢な資金と時間がある場合は別として、RPA導入に際しては時間とコストにおける制約があるはずです。

RPAが必要な範囲を見極め、導入によってどういった成果を得るかというゴール設定は必ず行いましょう。

3. 業務フローの可視化

RPAを導入するなら事前に業務フローを可視化しておきましょう。

RPAはパソコンの自動操作を担うデジタル技術のため、複雑な業務フローを任せられる一方で、その領域への理解が浅くなるといった側面も持ちます。

業務フローを可視化しておくことで、誰でも業務内容を把握できる状態にしておきましょう。

とくに、複雑な処理を任せる開発型のRPA導入を検討する場合は注意が必要です。

4. RPAツールの選定

RPAを導入するなら、ツール選びも慎重に行いましょう。

ビジネスモデルが多岐に渡るように、RPAの使い方もさまざまです。

導入前に試験的にRPAツールを用いて、どのような使い方ができるか検討すると良いでしょう。

トライアル期間が設けられているRPAだと導入もより前向きに検討できます。

5. 運用開始・継続的なメンテナンス

RPAは運用開始後も定期的かつ継続的なメンテナンスをするよう心がけてください。

DXによって自社のビジネスモデルを変革させている合間にも、市場経済は刻一刻と変化しています。

簡易型のRPAであっても運用開始後から十分なメンテナンスをする必要があるでしょう。

また、適宜、RPAツールの見直しを図ることで現状のビジネスモデルに最適な状態で運用ができます。

RPAを活用したDX推進事例

以下では4つのRPAを活用した事例、RPAの特性を活かした活用事例について解説します。

  1. 在庫状況の更新
  2. 請求書の発行
  3. 勤怠データの集計
  4. 日報のチェック

在庫状況の更新

RPAは在庫状況の管理に向いているデジタル技術です。

在庫管理とは、さまざまな企業がビジネスをするうえでコストを割いています。

実店舗を持ちながら通販事業も手がけるように、さまざまな販路を持つ会社はとくに在庫チェック方法が複雑になりがちです。

RPAを活用すれば、人の手を介した入力作業も省きながら多方面に広がった在庫も一括管理できます。

請求書の発行

RPAを使えば請求書の発行もオンライン上でよりスムーズに行えます。

紙に印刷する、対面で請求書を手渡す、決済を得るために捺印を貰うといった一切の手間が省けるのです。

RPAで請求書を管理・発行するだけでビジネスは一気に加速するでしょう。

サーバーやストレージで管理をすれば、会計監査や税処理にもより手軽に対処できます。

勤怠データの集計

勤怠管理もRPAを使えばより手軽に管理できます。

入退室の時間や給与計算といった作業は手計算でやると膨大な時間を要しますが、自動で進められるだけで集計業務がかなり効率良く進められます。

RPAで管理した勤怠データはサーバーやストレージで管理することで一括共有でき、必要とあれば第三者にレポートとして送ることも可能です。

幅広いジャンルの業務フロー改善にも役立てられます。

日報のチェック

日報のチェックもRPAを使えばより簡単にこなせます。

勤怠管理同様、日報も一つひとつを目視で確認しようとすると膨大な時間を要します。

しかし、RPAを使えば短時間で日報の内容確認が可能です。

日報の内容で注目すべきトピックを抽出し、大事な案件については周知徹底をするといった動作もRPAで実現できます。

従来であれば内容の確認作業にかなりの時間を費やしていましたが、RPAによってより短時間で作業ができるようになりました。

全社員の日報に記載された内容も精査できるため、日報の存在意義もより明確なものになります。

RPAを活用してDX推進を成功させるためには?

RPAを活用しDX推進を実現するには、以下の4項目に注意して導入を進めていきましょう。

  1. 企業に合ったRPAツールを選定する
  2. ビジネス全体を意識し、スモールスタートで実施する
  3. 費用対効果を計算する
  4. ツールの扱える人材を育成する

企業に合ったRPAツールを選定する

RPAは企業に合ったツールを導入するようにしましょう。

RPAを操作する担当者のリテラシーやRPA導入後にどういった事業展開を考えているかで、自社に最適なRPAツールは変わります。

必要な機能が付与されていない、過剰な機能を搭載したRPAは使い勝手が悪く、DXもスムーズに推進しづらくなってしまいます。

ビジネス全体を意識し、スモールスタートで実施する

RPAを活用してDX推進を図るなら、まずは身近なところから少しずつ着手するようにしましょう。

大きすぎる処理をRPAに任せると、トラブルが発生した際の軌道修正が大掛かりなものになってしまうからです。

スモールスタートを意識し、大きなエラーが起こってしまうのを未然に防ぎましょう。

費用対効果を計算する

DX推進においてRPAを活用するなら、必ず費用対効果の計算をして導入に際した効果検証をしてみましょう。

RPAは簡易型の比較的導入しやすいツールから、開発型の操作が複雑なものまであります。

運用するための人的コストも多少なりともかかるため、RPAを使う部分は厳選しておいた方が良いでしょう。

ツールの扱える人材を育成する

DX推進にRPAを使うなら、RPAを使いこなせる人材も必ず育成しておきましょう。

RPAには、人が介さずとも自動的にタスクがこなせる反面、業務フローを把握した人材がいなくなると誰も仕事の進め方が分からなくなってしまうといったデメリットも存在します。

万が一の場合に備え、RPAに処理させている業務フローは明確に理解し、それらのツールを扱いこなせる人材を必ず社内におくようにしましょう。

まとめ

RPAはDX推進を支えるデジタル技術の一つです。

さまざまな業務フローが自動化できるツールであり、使い方によっては業務効率改善に大きく貢献してくれるため、生産性アップに欠かせないツールとも言えます。

導入に際しては、RPAにどういった業務を任せるかを検討し、デメリットでもあるサーバーダウンなどに備えた具体的な対策を講じておく必要があります。

とくに、RPA導入を主導できるDX導入支援事業者の手が借りられれば、大きなエラーが起こることもないでしょう。

ディジタルグロースアカデミアでは、DX導入にあたり必要なデジタル人材育成を行っています。興味のある方はぜひ一度ご相談ください。

【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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