DXタグとは?特徴や導入事例、従来のアクティブRFIDタグとの違いを紹介
更新日:2023年5月1日
DXが推進されている時代において、ユーピーアール株式会社が開発した、アクティブRFIDタグを小型軽量化した「DXタグ」が注目を集めています。
遠隔地から固定資産の管理や児童の在校状況、畜産動物の所在確認を管理・自動化するなど多くの用途での活躍が期待されているためです。
本記事では、アクティブRFIDタグを小型軽量化した「DXタグ」について解説します。
導入により業務の自動化が進むことで人材の生産性向上やヒューマンエラーの軽減など、さまざまなメリットが期待されるため、ぜひ最後までご一読ください。
目次
DXタグとは?
DXタグとは、以前のアクティブRFIDタグ(電波を利用して情報を読み取る技術搭載のタグ)を小型化し、新しい機能を追加したものです。
遠隔地から固定資産の管理や児童の在校状況、畜産動物の所在確認などを管理・自動化できるため、DXに活用できます。
例えば、学校ではDXタグを使う児童が学校に到着すると自動的に読み取られ、管理者に通知が行き在校状況を把握できます。同様に、畜産業ではDXタグを使って動物の所在確認を行い、動物の健康管理や生産性の向上が期待できるでしょう。
DXタグを活用できれば目視での管理が不要となり、作業効率や人的ミスの軽減が期待できます。今後も、DXタグの機能拡張や新たな用途の開発を進められることが期待されます。
従来のアクティブRFIDタグとの違い
DXタグと従来のアクティブRFIDタグとの違いは、以下が挙げられます。
項目 | DXタグ | アクティブRFIDタグ |
---|---|---|
周波数帯 | 920MHz | 400MHz帯や2.45GHz帯 |
通信距離 | 最大300m | 約10mから100m程度 |
電力消費 | 低消費電力化により、最長10年使用可能 | 一般的に1年から2年、特定小電力無線では数ヶ月 |
表参考:
アクティブRFIDの種類と特長|アイニックス株式会社
ユーピーアール/小型アクティブRFIDタグ「DXタグ」を開発 ─ 物流ニュースのLNEWS
DXタグは920MHz、従来のアクティブRFIDタグは400MHz帯や2.45GHz帯を利用しています。また通信距離にも違いがあり、約10mから100m程度であるアクティブRFIDタグと比べて、DXタグでは最大300mの長距離通信が可能です。
従来のRFIDタグは電力消費が大きく、通常は1年から2年程度しか使用できませんでした。しかし、DXタグは充電と取り替え不要の電池を内蔵し、最長10年の使用年数が実現しています。
DXタグができること
DXタグができることは、以下が挙げられます。
- 物品・資産管理
- 人・動物管理
物品・資産管理
物品・資産管理において、DXタグの利用は大きな効果を発揮します。
これは、DXタグが物品・資産の位置情報や状態をリアルタイムで把握するためです。また、DXタグによって物品・資産の管理作業を自動化することができ、作業効率の向上につながります。
例えば、工場内の機械や設備にDXタグを取り付けることで、機械の稼働状況やメンテナンス履歴をリアルタイムで把握できます。加えて、倉庫内の在庫管理においてもDXタグを利用することで、在庫の位置や数量をリアルタイムで把握できるでしょう。
これにより、物品・資産管理の作業効率の向上が期待できます。
人・動物管理
DXタグは、人や動物に装着することで、その位置情報や健康状態をリアルタイムに把握できます。
これにより、迷子や盗難被害の防止、緊急時の迅速な対応が可能です。
例えば、ペットの場合、DXタグを装着することで、いつでもどこでもペットの位置を確認できます。
また、迷子になった場合も、DXタグの位置情報を元にすぐに捜索できます。
同様に、高齢者や認知症の方にも、DXタグは大きな助けとなるでしょう。
DXタグの特徴
DXタグの大きな特徴は、以下の3つが挙げられます。
- 読取り距離最大300m
- 防水対応(IPX7)
- 電池寿命(電池交換・充電不要最長10年)
参考:https://www.upr-net.co.jp/iot/rfid/
DXタグは、従来のRFIDタグ(約10mから100m程度)よりも大幅に長い読取距離が最大300mを実現しています。
また水に浸したり、雨天時に使用したりしても機器内部に水が入り込むことを防ぐ規格(IPX7)で作られ、1mの深さの水に全体を完全に30分間浸しても機能に問題が生じない防水性能を備えています。
加えて電池寿命は最長で10年間、電池交換や充電も不要なため長期間利用できてメンテナンスの手間もかかりません。
これにより、DXタグはさまざまな用途において、より効率的で信頼性の高いタグとして使用されることが期待されます。
DXタグの導入事例
DXタグの導入事例を、以下の2つ紹介します。
- 入場者・混雑状況の把握
- 入出庫・在庫管理
入場者・混雑状況の把握
DXタグは、入場者・混雑状況の把握に役立った事例があります。
従来、動物園や遊園地での入場者数の把握や、施設内の効率的な周遊は非常に困難でした。しかし、入場者にユーピーアールのDXタグを携帯してもらうと、リアルタイムでの入場者数や各エリアの人数を把握できます。
例えば動物園では、人気のあるエリアに入場制限をかけて動物たちのストレスを軽減できます。また遊園地では、混雑しているエリアにスタッフを配置して待ち時間の短縮を狙えるでしょう。
このようにDXタグは、各エリアでの密集度を把握し、効率的に周遊するための案内や各エリアの管理者の効率的な配置、入場者制限の判断に利用できます。
加えて、入場者のストレスを軽減しつつ、より快適な施設利用の実現も期待できます。
入出庫・在庫管理
DXタグは、入出庫・在庫管理に役立った事例もあります。
これまでの工場や倉庫ではパレットをラックに保管し、その空きスペースの確認を目視で行ってきました。また、工場ごとに決められたルールで保管されているものの、保管スペースの最適化に目を向けることは難しい状況です。
この課題に対してスマートパレットやDXタグを導入すると、自動的にラックの使用状況を把握できるため目視確認が不要となり、工数の削減や計画的な保管が可能となります。
また、保管スペースの最適化にもつながり外部倉庫への保管費用も削減できるため、コスト削減効果も期待できるでしょう。
DXタグの導入手順
DXタグの導入手順は、以下の通りです。
- 導入する目的を明確にする
- 問い合わせをする
- テスト運用する
- 本運用を開始する
1. 導入する目的を明確にする
まず、DXタグを導入する目的を明確にしましょう。
DXタグを活用して、どのような業務の効率化やコスト削減を実現するかを検討し、その目的に合わせた導入計画を立てます。
2. 問い合わせをする
DXタグの導入にあたって、導入支援企業へ問い合わせします。
これにより、専門家がDXタグの利用目的、導入環境、希望する機能などについて詳しくヒアリングするため、最適なDXタグの導入方法の提案を受けられます。
3. テスト運用する
一般的にDXタグの導入前には、テスト運用が行われます。
テスト運用では実際にDXタグを活用して業務を行い、導入することでどのような効果が得られるかを確認できます。
また、テスト運用を行うと導入前に不具合や課題を発見できることから、改善にも役立てられるでしょう。
4. 本運用を開始する
テスト運用が成功した場合、DXタグの本運用を開始します。導入後も運用状況を定期的にモニタリングし、DXタグの活用方法を改善していくことが重要です。
業務の効率化やコスト削減を実現する大きなチャンスとなるため、情報を共有しつつ適切な運用を継続しましょう。
まとめ
DXタグは、物品や資産に加えて人や動物の管理に利用され、その使い方や効果が注目されています。
情報をリアルタイムで確認でき、紛失や盗難の防止、緊急時の対応など作業の効率が上がります。
また、従来のRFIDタグよりも長い読み取り距離を実現し、防水性能があるため、さまざまな用途での利用が可能です。
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