AIツールはいつ使う?用途や会社にあったAIツールの選び方
更新日:2023年8月17日
AIツールは業務の大幅な効率化に寄与するため、業種や業界を限定せず幅広い分野において活用できるアプリケーションです。
しかし、目新しいツールでもあるため活用事例はまだまだ少なく、何よりも用途に合わない使い方だと思うように使いこなせません。
本記事では、AIツールでできること、事業や企業にとって最適なAIツールの選び方、おすすめのAIツールについて紹介しています。
AIツールの導入を考えている、知識を深めたい、おすすめのAIツールについて知りたいという人はぜひ参考にしてください。
AIツールについて
AIツールの活用方法を知るには、AIツールが何であるかについて知識を整理しましょう。
AIツールが具体的にどういった作業を担うかについて解説します。
- そもそもAIとは?
- AIツールでできること
そもそもAIとは?
AIとは、Artificial Intelligenceの略称で人工知能を意味します。
従来、人間だけが担い手であった情報の取捨選択や意思決定という作業をコンピューターが人の代わりにやってくれるというアプリケーションです。
人間が膨大な時間をかけて身に付ける経験値も、AIは学習によって習得し、新しいデータや情報をゼロから創造します。
そのため、従来は考えられないほど短い時間で、より多角的な視点からの課題解決策の提示が可能となります。
AIツールでできること
AIツールは、近年の目覚ましい技術の進歩により日々できることが増えています。
ツールによってできることを整理しておきましょう。
- チャット
- 文章作成
- 画像認識
- 予測分析
チャット
AIツールを使えば、チャットがより簡単にできます。
チャットとは、リアルタイムで行う短文のやり取りを意味し、個人間はもちろん複数人、一人と大勢といったさまざまなコミュニケーションをつなぎます。
メッセージを読む、返信をするといった相手の動作がリアルタイムで見て取れることが大きな特徴です。
文章作成
文章作成も、AIツールを使ってできることの一つです。
自然言語処理技術を駆使し、まるで人が書いたかのような自然な文章をAIによって創り出します。
細かな言葉遣いや場面、状況に応じた最適な文章が生成できます。
定型化されやすい文章についてもAIが独自に作成してくれるため、上手く使えば文章表現の幅も広がるでしょう。
画像認識
画像認識とは、一つの画像に対して映り込んでいるものをAIが抽出することです。
認識と一口に言っても、被写体が何であるかを割り出すだけではなく、顔や文字の認識や状況、セグメントといった多岐に渡る要素を認識できます。
予測分析
予測分析も、AIツールが過去のデータを読み解くことでさまざまな予測を可能にしています。
病気にかかるリスクや株価の動向、消費者の行動パターン解析や需要の変化、データの蓄積によって読み取れる未来をAIが予想します。
AIツールの選び方
AIツールを選ぶ際は、基準となる判断軸を持っておくと、よりスムーズに求めている機能を備えたAIツールを選ぶことが可能です。
どういった判断軸を持ってAIツールを選ぶべきかについて見ていきましょう。
- 解決したい課題の解決につながるか
- 使いやすいか
- 利用料金が予算内か
- AIツールの利用環境は適切か
解決したい課題の解決につながるか
AIツールを選ぶ大きな判断基準の一つに、課題解決につながるかどうかがあります。
AIツールにはさまざまな種類があり、目を見張るような便利な機能がたくさんあります。
ついAIツールの目新しさや使い勝手にばかり気を取られてしまいがちですが、もっとも重要なのはそのAIツールを使ってどういった課題が解決できるかどうかです。
例えば、優れた文章ができるからといって、AIツールでたくさんの文章を作成したとしましょう。
しかし、問題の本質に目を向けると、文字を可視化する必要があり、AIツールを使って生成すべきは文章作成ではなく画像や動画、音声といったデータであることが分かります。
このように、AIツールを利用する場合でも生成できる情報やデータがさまざまな形式が考えられることを念頭に置かなければなりません。
一つのAIツールを使わなければと考えるのではなく、適切なAIツールを使うよう心がけましょう。
使いやすいか
AIツールの中には、素晴らしいコンテンツを生み出す反面、使い方が難しくやりようによってはAIツールを使う意味をなさないものもあります。
単純にKWを打ち込めばコンテンツが生成されるAIツールであっても、KWの区切りを変えるだけでまったく違ったコンテンツが生成される場合があるからです。
また、UIやUXが未熟なAIツールだと、どうしても視認性が劣るため、本来の使い方ができずにAIツールの本領を発揮できません。
さらに、社内でAIツールを使う場合も、使いこなせる人材とそうでない人材がいることにより、AIツール活用における差が開いてしまいます。
AIツールは、機能と使いやすさが伴っているかについてもきちんと確認しておきましょう。
利用料金が予算内か
AIツールは、無料で使える物も多くありますが、中には利用料金が発生するものもあります。
個人利用であれば数百円〜数万円で使えるものもあれば、月額20万円近くするAIツールもあります。
特に、事業やプロジェクトでAIツールを使う場合は、利用料をランニングコストとして組み込まなければなりません。
利用料金がどの程度かかるかについても事前に調べ、どのAIツールを使うかについて検討しておきましょう。
AIツールの利用環境は適切か
AIツールの持つポテンシャルを最大限活用するには、利用環境についても配慮しましょう。
一般的に、AIツールを利用する環境として考えられるのが、オンプレミス環境とクラウド環境です。
オンプレミス環境は開発コストがかかるものの、セキュリティ対策はより万全です。
クラウド環境は導入にかかる手間も少なく、より手軽に開発に着手できるものの、安全面において懸念材料があるのも事実です。
また、お使いのパソコンやオフィスの設備がこういった処理能力に追い付いていないと、AIツール利用がスムーズにいかない場合もあるため、注意しましょう。
生成系AIツールについて
AIツールのなかでも、特に注目を浴びている生成系AIツールについて解説します。
- 生成AIとは?
- 生成AIツールとAIツールの違い
生成AIとは?
生成AIとは、これまで人間が作業を担っていた調べる、考えるといった動作を新たにAIが行うアプリケーションのことです。
生成AIは学習によって情報や過去のデータを読み取り、さらに、生成されたコンテンツは学習に用いたデータや情報の形式にとらわれません。
文字やプログラミング言語に留まらず、画像や音声、動画といったまったく別の形でコンテンツが形成されることもしばしばあります。
こうしたアウトプット形式もAIが独自に判断するのが、生成AIの大きな特徴です。
いわゆるゼロベースの状態から1を生み出すことのできるAIツールであり、ビジネスの企画アイデアや事業モデルの刷新に大きく貢献します。
生成AIツールとAIツールの違い
生成AIとAIの間には、学習したのちに新しいコンテンツを生み出すプロセスに大きな違いがあります。
従来のAIツールは、学習した情報やデータの枠組みのなかで新しいコンテンツを生成します。
文字で示されたデータは文字で、コードで示されたデータはコードでしか新たに生成されず、作業の効率化には寄与しますが新しいビジネスモデルの生成には至りません。
これに対し、生成AIツールで作成されたコンテンツは、前述のとおり既存のコンテンツの形式にとらわれず必要に応じて新しい形で創造されます。
文章作成でおすすめのAIツール4選
文章作成タスクをこなすのに使える、おすすめのAIツールは以下の4つです。
- ChatGPT
- Catchy
- SAKUBUN
- Transcope
ChatGPT
ChatGPTは、アメリカにある人工知能開発企業であるOpenAIが開発したチャットボットで、2022年11月に無料にてリリースされました。
対話形式で使えるAIであり、ユーザーが入力したキーワードに対してごく自然な形でAIがチャットを展開するものです。
日本語の文章も問題なく作成できるうえに、その精度の高さから公開後わずか2ヶ月の間に全世界でユーザー数が1億人を突破しました。
さらに、2019年よりOpenAIに対して出資を行ってきたMicrosoft社が、2023年に入り、100億ドルもの大規模な投資をすると発表したことでも話題になり、今、もっとも注目されているAIツールの一つと言っても過言ではありません。
無料版と有料版があり、2023年3月にリリースされたGPT-4は、個人のみならず企業も利用しています。
Catchy
Catchyは、株式会社デジタルレシピがGPT-3の自然言語処理機能で運用するライティングアシスタントAIツールです。
2022年6月にリリースされ、2ヶ月で1万人、9ヶ月で5万人ものユーザーが登録しています。
無料で利用でき、広告や資料、メールなどで使える文章が生成できます。
月額9,800円のPro版にアップグレードすると、10クレジットまでの制限が解除され、すべてのツールが利用できるほか、チャットボットによるサポートも利用可能です。
SAKUBUN
SAKUBUNは、NOVEL株式会社が開発を手がけるAIライティングツールです。
OpenAI社の最新AI技術を使っており、SNSの投稿文やブログといったさまざまなコンテンツに使える50種類以上のテンプレートを用意しています。
わずか5秒でテキストを生成してくれる速さがウリのAI文章作成ツールです。
料金は月額1,980円〜で、チームやプロジェクトでの利用の場合は別途相談ができます。
10,000字までが生成できる1週間の無料トライアルも利用可能です。
Transcope
Transcopeは、シェアモル株式会社が運営するSEOに強みを発揮するAI文章作成ツールです。
こちらもOpenAI社のGPT-4を使っており、入力したキーワードにおいて上位表示されるコンテンツを参照に文章を自動作成してくれます。
入力したキーワードに対し、総合サイトの分析結果を反映させて文章を作成するため、より自然にキーワードを網羅した文章ができるでしょう。
画像生成でおすすめのAIツール4選
画像生成を担うおすすめのAIツールは以下の4つです。
- DALL·E 2
- Midjourney
- PicWish
- Bing Image Creator
DALL·E 2
DALL·E 2(ダリツー)は、ChatGPTを運営するOpenAIが提供元を務める画像生成AIツールです。
2022年4月にリリースされており、こちらもまた無料で使えます。
キャプションとして絵の内容を説明する文字を入力すれば、それに応じてAIが画像を作ってくれます。
絵も画風を自由に選択することができ、アニメ風の線描やまるで写真のような画像と風合いやタッチが選べるため、必要や好みに応じた画像が生成可能です。
Midjourney
Midjourneyは、ミッドジャーニーという名前の独立研究所が開発を手がけるAIツールです。
独自のアルゴリズムで画像を生成でき、月額利用料はスタンダードプランで30ドル、プロユースプランだと60ドル、リラックスモードであれば無制限で利用できます。
アート向けの作品はもちろん広告用に使えるなど多様性に富んだ用途がウリで、キャッチコピーと合致したグラフィックも簡単に生成できる優れものです。
PicWish
PicWishは、無料で画像の「透過処理」を行ってくれるWebサイトタイプの画像生成AIツールです。
対象となる被写体を高度なレベルで切り抜くことができ、必要に応じて切り抜き画像の保存や別の背景との合成画像を生成できるといった利用用途があります。
無料でも使えるAIツールですが、有料版の料金プランは利用頻度に応じたものを選ぶようになっており、月額669円~6,580円で利用可能です。
Bing Image Creator
Bing Image Creatorは、Microsoft社が運営を手がける画像生成AIツールです。
OpenAIのDALL·E 2を使って4枚の画像を作成することが可能で、画像の説明や文脈やアートスタイルからも生成する画像の方向性を定められるのが大きな特徴です。
使い方も簡単で、Microsoftのアカウントを持っていれば誰でも使えます。
無料で利用できますが、画像を生成するためのチャット回数に上限が設けられています。
分析・解析でおすすめのAIツール4選
分析や解析の分野でおすすめのAIツールは、以下の4つです。
- Prediction One
- xenoBrain
- VAAKEYE
- IBM SPSS Statistics
Prediction One
Prediction Oneは、ソニーが無料で提供しているデータ予測のできるAIツールです。
複数のデータさえそろっていれば、データサイエンティストのような専門スキルを持たずともデータの分析が可能となります。
何よりも動作環境がシンプルなパソコンのOSで事足りるため、新しく設備をそろえる必要がなく誰でも簡単に導入できる点がポイントです。
有料版の料金プランは、個人向けと法人向けの2パターンがあり、パソコン一台(1ユーザー)に対して年間217,800円~のプランを用意しています。
xenoBrain
xenoBrainは、企業の業績予測に特化したデータ分析・解析のできるAIツールです。
上場していない会社の多くは、将来的な指標を示さないところが大半ですが、xenoBrainを使えばこれらの企業の業績予測もいとも簡単にできます。
料金も、予測したい指標ごとに月額10,000円で課金できるため、外部の開発会社などにデータ分析を依頼するよりも必要に応じた最小限のコストで解析ができるという大きな特徴があります。
VAAKEYE
VAAKEYEは、ベンチャー企業の株式会社VAAKが運営する防犯カメラの映像分析・解析に特化したAIツールです。
店舗における万引き行為や不審な挙動について独自の不審度を算出、自動で検知し知らせてくれると言う役割があり、防犯対策に効果を発揮します。
事件が起こってからしか意味をなさなかった防犯カメラの映像を、抑止力にも活用できるとあって注目度が高まっています。
利用用途から個人利用はあまり想定されていませんが、導入実績として75%もの商品ロスが削減されたという実績のあるAIツールです。
IBM SPSS Statistics
IBM SPSS Statisticsは、IBM社が主宰する統計解析を担うソフトウェア群です。
顧客のインフラ整備やコンサルティングを生業とするIBMに蓄積されたデータを使い、高度な次元の統計解析やグラフ作成を可能にしたAIツールです。
特に、顧客の心理統計分析を行うことで、新たなサービスの指針を定め、事業戦略を策定するのに活用されています。
こちらも主に企業向けのAIツールで、30日間の無料プランと年契約によって10%が割り引かれる月額20万円ほどのプランがあります。
まとめ
AIツールは個人ないし法人向けといった違いがあるほか、利用用途にも特徴があります。
中には統計分析や防犯カメラの読み取りといった分野特化型のAIツールもあり、使い方はもちろん導入するだけでまったく新しいビジネスモデルや業務推進をかなえるものがたくさんあります。
このように、AIを活用したツールは、ビジネスにおいても大きな可能性を秘めているものです。そのため、デジタルグロースアカデミアでは、AIに関する研修などを行っており、ChatGPTの研修も開催しています。ChatGPTに代表される生成AIとはどのような仕組みで動いて何ができるか、一方で業務がどのように変わるか、そして、利用する上で何を注意しなければいけないかを理解できます。
ChatGPTの研修については、以下のリンクから詳細を確認できます。AIの分野に興味を持つ方は、この機会にぜひ参加してみてください。
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