ChatGPTがDX業界に与えた影響は?DXの変化や課題について
更新日:2023年8月17日

ChatGPTはDX推進に活かすことで、社内や人材のAIリテラシーが向上する素晴らしいAIツールです。
ただし、大きな変化を与えるだけあって既存のビジネスモデルにうまく浸透するように順序立てて導入する必要があります。
本記事では、ChatGPTがDXに与える影響について解説しています。
ChatGPTをDXに活用したいと考えている人はぜひ参考にしてください。
目次
ChatGPTについて

ChatGPTはDXの分野においてどのような影響力があるのかについては、ChatGPTが何かを知ることで見えてきます。
- ChatGPTとは?
- ChatGPTが多くの人に使われる理由
ChatGPTとは?
ChatGPTとは、簡単な質問を入力するだけでAIがさまざまな答えを出してくれる新しいAIツールです。
質問に対して回答するというシンプルな構造のAIツールですが、回答の精度が非常に高いのが大きな特徴です。
実際に、ユーザー数はリリース後たったの2ヶ月で1億人を超えており、開発サポートとしてMicrosoft社がバックにいるなど話題になるトピックが詰まっています。
自然言語処理という文章生成機能を活かし、チャットやブログ記事の生成、データの管理と整理、マーケティングといったさまざまな業務を代行してくれます。
ChatGPTが多くの人に使われる理由
ChatGPTが多くの人に支持される理由は、大きく以下の2つが考えられます。
- インターネット上で誰でも使える
- 無料で質問を入力できる
ChatGPTはパソコンからでもスマートフォンからでも使えます。
利用に際し、特別に料金が発生することはありません。
また、この手のAIツール最大の難点でもある間違った回答についても、指摘をすることで回答を改めるという今までにない対応があることもポイントです。
まるで人と対話を重ねているような、ごく自然なやり取りができるでしょう。
ChatGPTが企業に与えた影響

ChatGPTによって大きく事業内容を変えた、ビジネスモデルや事業戦略の柱の一つにChatGPTにまつわるものが含まれている企業を3つ紹介します。
いずれも世界的に名を轟かせている大企業であり、市場規模の大きさは容易に想像がつくでしょう。
- マイクロソフト
- ソフトバンク
マイクロソフト
マイクロソフト社は、ChatGPTと非常に関わりの深い企業の一つです。
2022年11月にリリースしたChatGPTですが、マイクロソフト社はその開発に2019年から提供元であるOpenAI社と手を取り合って事業に乗り出しています。
実際、Microsoftの事業戦略ではAI分野への巨額投資を継続しており、収益がきちんと注がれているのが現状です。
開発のためにかかる大量のリソースも提供し続けており、この流れは今後も継続すると考えられています。
Googleには、ChatGPTを駆使して実現した8つの拡張機能が存在しています。
ChatGPTが登場した当初、検索エンジンとして確固たる地位を築くGoogleはその立場が脅威にさらされるとされてきました。
しかし、実際にはGoogleをより使いやすくする拡張機能をリリースしており、ChatGPTによってGoogleの利便性はさらに高められています。
Gmailの文章作成にはChatGPT Writer、検索がより便利になるChatGPT for Googleというように、Googleが提供するサービスを補完する拡張機能が用意されています。
これらの拡張機能については別途データを保存することも可能です。
Googleを使って業務やタスク管理をしている企業や個人も使えるものが多いため、業務でGoogle関連のツールを使うという人はチェックすることをおすすめします。
ソフトバンク
ChatGPTの開発元であるOpeAI社に対し、「日本での窓口」として名乗りを上げているのがソフトバンクです。
ソフトバンクの代表である孫正義氏も、AIインフラが起こすであろう大きな革命に並々ならぬ期待を寄せており、共同での事業展開に大きな意欲を表明しています。
OpenAIの代表であるサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)とも積極的に意見を交わしており、今後の動向にも注目です。
ChatGPTによるDXの変化

ChatGPTが持つ機能は、DXにおいて以下のような変化をもたらしました。
- 文章制作やアイデア出し
- 表計算やメール返信
- 情報収集
- プログラミングやWeb制作
文章制作やアイデア出し
ChatGPTはごく自然な文章を生成できるAIツールであるため、文章制作やアイデア出しに大きな革命を起こしました。
膨大な学習情報から文章を生成するため、多彩な文章が作り出せるのが大きな特徴です。
特定の内容に特化する、読み手を意識して文体を変えるといった作業ができます。
文章のアイデアとなるキーワードを抽出するといったこともできます。
何より、ChaGPTが作る文章は人間が書いているかのような自然な表現です。
表計算やメール返信
ChatGPTは、表計算やメール返信といった業務や社内外のコミュニケーションを円滑に進めてくれるという役割も担っています。
多数の顧客やプロジェクトを抱えていると、小さな集計やメール返信といった細かなタスクはたまる一方です。
ChatGPTはこうしたタスクを一手に引き受けてくれます。
回答した内容について、人間側がフィードバックを行うことで、ChatGPTはさらに精度を高めていきます。
ChatGPTを活用すればするほど、理想的なアクションによって細かなタスクが処理されていきます。
情報収集
ChatGPTは、他のAIツールとは比べ物にならないレベルで膨大な量の情報から学習しています。
ジャンルやトピックにも偏りなく精度の高い返答ができるのはこのためです。
ChatGPTはさまざまなデータベースから情報が得られるため、詳しくないジャンルの情報収集もより簡単にできるでしょう。
プログラミングやWeb制作
ChatGPTは、入力された要望を叶えてくれるプログラミングや、制作者の思いを形にしたWeb制作にも活用できます。
開発担当者やWebデザイナーの業務負担を軽減するのにぴったりです。
また、生成されたプログラミングやWeb制作については内容を精査していくことでよりいっそう理想とするプログラミングやWeb制作が可能となります。
ChatGPTと意見を揉みながら作成を進めていけるでしょう。
変化によるDXの課題

ChatGPTはDXに多大なる変化をもたらした反面、今までになかった課題も引き起こしています。
変化に対応する準備をするためにも、ChatGPTがDXにどういった変化をもたらすか見ていきましょう。
- AIに詳しい人材が必要になる
- 人間の仕事が減る
- DXにかかる費用が増える
AIに詳しい人材が必要になる
ChatGPTは誰でも簡単に使えるAIツールですが、生成する回答についてきちんと知識のある人間が確認する必要があります。
また、質問の仕方によって得られる回答が変わるなど、使い手にも一定以上のAI 関連知識が必要となります。
もし、社内にAI関連に詳しい人材がいないのであれば、育成か外部から人を借りるということを考えなければなりません。
ChatGPTの導入によってDX推進するならAIに詳しい人材の確保は必須です。
人間の仕事が減る
ChatGPTが優秀であればあるほど、知識や能力に乏しい人の仕事は減ってしまいます。
本来、ChatGPTは補完的に人の役割を担います。
しかし、使い方次第では人の仕事を奪ってしまうほどです。
特に、古いビジネスモデルを貫いている企業でDXが行われると、いよいよ人間が携わっていた業務の多くはChatGPTがこなしていくこととなります。
人員配置の大幅な改編がなされることはいうまでもなく、スキルの乏しい人材は仕事を諦めなければならなくなります。
最悪の場合、現在雇い入れている人材を大幅にリストラしなければならない可能性も出てくるでしょう。
ChatGPTを活用したDX推進は、ビジネスモデルの変更と合わせてDXやAIツールを扱える人材を育てるといった動きも必要になります。
DXにかかる費用が増える
DXは推進すればするほど、それだけ多くのコストがかかります。
DX推進には終わりがなく、かかるコストについては、人材にかけるコストや事業費と多岐にわたります。
ChatGPTをはじめとしたAIツールを導入するならなおさらです。
AIツールにかかるコスト、管理費などを事業の運用費に加味しなければなりません。
まとめ

ChatGPTをDX推進に活用すると、文章作成やプログラムといったさまざまな作業をAIに投げられるようになるため、テンポよくDXが推進できるでしょう。
しかし、ビジネスモデルが古い場合、業務改革によって既存の人材が担っていた仕事がAIで賄われてしまう場合が少なくありません。
AIツールについて知見のある人材を確保する、育てる必要があることは頭の片隅においておきましょう。
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ChatGPTの研修もあり、自社の体制強化や人材のリテラシー向上に最適な教育が施せます。

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