Columnコラム

企業が行うべきAI人材育成!おすすめの資格や成功事例を紹介

更新日:2023年11月22日

昨今、IT技術の進化によりAIの活用が広がりつつあります。そのため、企業がAIを導入して競争力を高めるためにAI人材を求めるようになり、人材の育成に力を入れる企業が増えてきています。

多くの企業が取り組むAI人材の育成は、競争力の向上やイノベーションの推進、コスト削減や効率化、問題解決力や意思決定力の向上、そして社会的な貢献までを可能にするためにも必要不可欠です。

そこでこの記事では、AI人材育成の意義とメリットを5つの観点から解説します。AI人材の育成に取り組むことで、競争力を高め、未来に向けた成果を生み出すことができるでしょう。

目次

    AI人材育成の意義とメリット

    まずは、AI人材育成の意義とメリットを、以下の5つに分けて解説します。

    1. 技術革新と競争力の向上
    2. イノベーションの推進
    3. コスト削減と効率化
    4. 問題解決力と意思決定力の向上
    5. 社会的貢献

    技術革新と競争力の向上

    AI人材育成の意義とメリットの1つ目は、技術革新と競争力の向上です。AIは、データ分析や機械学習などの高度な技術を用いて、さまざまな問題に対応できる能力を持っています。

    しかし、その能力を引き出すには、AIを理解し、適切に設計や運用ができる人材が必要です。AI人材の育成によって、企業や組織は最新の技術を取り入れることができる環境を整えられます。

    その結果、自らのサービスや製品を改善し、市場での優位性を確保できます。

    イノベーションの推進

    2つ目は、イノベーションの推進です。AIは、従来の方法では見つけられなかったパターンや傾向を発見したり、創造的なアイデアを提案したりできます。

    ただ、創造的な可能性を実現するには、AIを活用して新しい価値やソリューションを生み出すことができる適切な人材が必要となります。また、企業や組織は革新的なビジネスモデルやサービスの開発を実現するためにも、AI人材の育成が求められます。

    コスト削減と効率化

    3つ目は、AI人材の育成によってコストの削減と効率化を実現できることです。AIを使えば、自動化や最適化などのソリューションを用いて、さまざまな業務やプロセスを高速かつ正確に実行できます。その結果、生産性や品質も向上させることができます。

    一方で、AIを導入したり、管理や改善を行ったりするためには専門知識を保有する人材が必要となります。企業や組織は、無駄やエラーを減らし、時間やコストの節約を実現するためにも、AI人材の育成が必要でしょう。

    問題解決力と意思決定力の向上

    4つ目は、問題解決力と意思決定力を向上できることが挙げられます。膨大なデータから有用な情報や知識を抽出することや、複雑なシナリオやシミュレーションを実施することはAIの得意分野です。

    得意分野から得られる結果を活かすためには、AIが正しく動作しているかを評価しつつ、適切に判断や調整を実施できる人材が必要となるでしょう。そのため、人材を育成できれば、企業や組織はAIを活用した合理的かつ効果的な問題解決や意思決定を実現できる体制を整えられると言えます。

    社会的貢献

    最後に、社会的貢献もAI人材育成の意義とメリットに含まれます。なぜなら、AIは医療や教育などの分野で人々の健康や学習を支援する、環境やエネルギーなどの分野で持続可能な社会を実現するなどのサポートを実現できるためです。

    しかし、サポートの役割を果たすには、AIの倫理や法律などの規範を理解し、適切に遵守ができる人材が求められます。そのため、企業や組織は社会的な課題に対応し、貢献という価値も提供できることを踏まえると、AI人材の育成は不可欠でしょう。

    AI人材が持っておくと良い資格

    AI人材が持っておくと良い資格は、以下が挙げられます。

    • G検定
    • E資格
    • DS検定
    • 統計検定
    • 画像処理エンジニア検定
    • AI実装検定
    • AWS認定機械学習

    G検定

    こちらの検定は、ディープラーニングの基本知識と、事業で活用する能力や知識を検定する資格です。試験は、合計120分間の試験時間が設けられています。問題形式は多肢選択式で、約200問が出題される予定です。受験資格に制限はなく、だれでも受験できます。

    受験費用は、一般の方は13,200円、学生の方は5,500円で、試験はオンラインで実施され、受験者は自宅で受験可能です。AI人材にとって、ディープラーニングの知識を証明し、キャリアアップする手段となるでしょう。

    E資格

    こちらの資格はディープラーニングの理論や適切な手法の選択、そして実装能力を認定する資格です。試験は多肢選択式で構成され、120分間で約100問が出題されます。

    受験資格としては、JDLA認定プログラムを修了していることが求められます。また、受験費用は、一般の受験者は33,000円、学生の受験者は22,000円です。

    AI人材にとってのE資格は、ディープラーニングの理論と実装能力を証明し、さらに専門知識を深める良い機会となります。

    DS検定

    こちらの検定は、データサイエンス力、データエンジニアリング力、そしてビジネス力を証明する資格です。検定はオンラインで受験することができ、試験時間は90分、選択式問題90問で構成されています。

    受験費用は一般10,000円、学生5,000円となっており、公式テキストや問題集などの教材を利用して準備することが推奨されています。

    データサイエンティストを目指す方やデータサイエンスの基本を身に付けたい方、または自身のスキルや知識を証明したい方には、DS検定がおすすめできる資格試験となります。

    統計検定

    こちらの検定は、統計知識とその活用力を認定する全国統一試験であり、データに基づいた客観的判断と科学的問題解決能力を証明する資格です。

    日本統計学会が認定する資格として、受験者のレベルや能力を証明することができ、英国王立統計学会との提携により国際的な認知度も高いです。

    検定では、統計学の基礎からデータ分析や機械学習などの高度な技術まで、幅広い統計学の内容を学びます。

    統計検定は、データサイエンスやAIに関心のある方、統計学の基礎を身につけたい方、または自分のデータ活用力を証明したい方におすすめの資格試験です。

    画像処理エンジニア検定

    こちらの検定は、画像処理分野の開発と設計に関する知識を評価する資格です。

    具体的には、画像処理知識、開発・設計能力、ソフトウェア・ハードウェア開発、そして分野別知識(例:医用、ロボットビジョンなど)が評価されます。

    検定はオンラインで受験可能で、試験時間は90分、選択式問題90問で構成されており、受験費用は一般10,000円、学生5,000円です。公式テキストや問題集などの教材の利用が推奨されており、対策講座や模擬試験も参考になります。

    画像処理エンジニア検定は、画像処理技術の基礎から応用までを身につけたい方や、自分の開発・設計能力を証明したい方におすすめの資格です。

    AI実装検定

    こちらの検定は、ディープラーニングの実装能力と知識を判別することを目的とした資格です。B級(初級)、A級(中級)、S級(上級)の3段階の認定レベルでビジネスの現場で活躍する能力を証明できます。

    検定はオンラインで受験が可能で、試験は120分間、選択式問題90問で構成されています。受験費用は一般で33,000円、学生で22,000円となっており、公式テキストや問題集、対策講座や模擬試験などの教材が推奨されています。

    AI実装検定は、AI人材としてディープラーニングの基礎から応用までを学び、自身の実装能力を証明したい方におすすめの資格試験と言えます。

    AWS認定機械学習

    こちらの資格は、AWSクラウド上で機械学習モデルの構築やトレーニング、チューニング、そしてデプロイに関する専門知識を認定する資格です。

    AWS認定機械学習も他の検定と同様にオンラインで受験できます。受験費用は一般で24,000円、試験は180分間で構成され、選択式問題65問を解答する形式です。

    AWS認定機械学習資格は、AWSクラウド上で機械学習プロジェクトを効果的に実行し、ビジネス価値を提供する能力を磨くことを支援するものです。そのため、AI人材としてクラウド上で実行するサービスを学びたい方におすすめの資格です。

    企業がAI人材の育成に成功した事例

    AI人材の育成に成功した企業の事例を含めて、以下の4つに分けてポイントを詳しく解説します。

    • レベルに合わせた学習環境の整備
    • ツールなどを活用した学習内容
    • 優先順位を定め、学習を推進
    • 育成成果を可視化する

    レベルに合わせた学習環境の整備

    AI人材の育成には、初心者から上級者まで、それぞれのレベルに応じた学習プログラムを用意し、適切な指導を行う必要があります。また、新入社員や優秀な人材に対しては、専用の環境を提供することで集中的に学べる環境も整えられます。

    例えば、ダイキン工業株式会社は、大阪大学と協力して社内講座「ダイキン情報技術大学(DICT)」を作り、約1,500人の育成を目指しています。

    講座内容は、初心者から上級者まで幅広く対応し、AIやビッグデータなどのデジタルスキルだけでなく、リーダーシップやマインドセットなども含めて学べるようになっているのが特徴です。

    このようにダイキン工業株式会社の成功事例では、新入社員に対して手厚い職場環境を提供しており、2年間にわたって通常業務は行わずにDICTでの研修に専念できます。

    成功事例からAI人材の育成を検討する際には、レベルに合わせた学習環境の整備が効果的な手法として選べるでしょう。

    ツールなどを活用した学習内容

    次に、AI人材の育成には1から学んでいくのではなく、ツールを利用した開発方法を学ぶことも効率を高めるポイントです。また、AIやビッグデータだけでなく、リーダーシップやマインドセットなども含めた幅広いスキルを学べる環境も必要でしょう。

    例えば、日清食品ホールディングスは、「DIGITIZE YOUR ARMS(デジタルを武装せよ)」というスローガンに基づいて、全従業員の技術向上に取り組んでいます。

    加えて、業務改善システムの開発を内製化できる組織体制の構築も目指しており、「ローコード開発ツール」というコードをあまり書かずにアプリケーション開発が可能なツールを導入しました。

    こうした取り組みの結果、事業部門内だけで開発を完結できる環境を実現したのが日清食品ホールディングスの成功事例です。

    ツールなどを活用した開発は、AI人材の育成において重要視しておくと良いでしょう。

    優先順位を定め、学習を推進

    また、AI人材の育成には求める人材像を明確にし、優先的に育成することが重要です。また、育成目標や期限も設定し、計画的に学習を進める必要もあります。

    キリンホールディングスでは2021年7月にキリンDX道場という、独自のDX人材育成プログラムを導入しています。

    段階的に高いスキルを習得できる仕組みが採用されており、1,500人ほどのDX人材育成を目指しています。

    こうしたプログラムによるAI人材の育成における成功事例は、優先順位を定め、学習を進めることが効果的であることを示した好例と言えるでしょう。

    育成成果を可視化する

    最後に、AI人材の育成においては実際のプロジェクトに参加し、成果を上げることで育成の効果を可視化することも大切です。また、成功体験を共有することで、モチベーションやイノベーションを高める工夫も求められるでしょう。

    ダイキン工業株式会社では、DICTで育成したAI人材が社内外のプロジェクトに参加し、多くの実績を挙げています。

    実績の一例として、「ダイキンエアコンAI診断サービス」というサービスがあります。サービス内容は、エアコンの故障や異常音などをAIが判定し、修理や交換などの対応策を提案するというものです。

    サービスは、同社が取り組んだ講座のDICTで学んだAI人材が、実際のプロジェクトに参加して開発しました。つまり、実際のプロジェクトで学べる経験と、その育成成果を可視化することは、AI人材の育成に役立つものだということです。

    ここまで触れたAI人材の育成における成功事例は、多くの企業が積み重ねている結果の一部です。自社と似たような業種から事例を探し、より効果的な手法を模索してください。

    人材育成サービスを利用するのはおすすめ?

    人材育成サービスの利用は、効率よく人材育成を行いたい企業におすすめできます。なぜなら、時間をかければ自社のみで人材を育成できるからです。

    確かに、膨大な情報を集めながらノウハウや体制を構築できれば、社内での育成を進められます。しかし、一定の時間とコストがかかります。

    一方で、プロに任せることで、企業のニーズに合わせたカスタマイズされたプログラムを提供してもらえることが人材育成サービスの強みです。また、オンラインやオフラインなどさまざまな形式で素早く取り入れられ、社員の都合や状況に合わせて柔軟に学習できる環境も構築可能です。

    このように、人材育成サービスはゼロからスタートするよりも、圧倒的な効率で人材を素早く育成できることがメリットです。そのため、効率よく人材育成を行いたいと考えている企業に向いたサービスと言えるでしょう。

    まとめ

    AI人材の育成に成功した事例を通じて、効果的な手法を紹介しました。ダイキン工業株式会社や日清食品ホールディングス、キリンホールディングスの成功事例から、以下の手法を検討しましょう。

    • レベルに合わせた学習環境の整備
    • ツールを活用した学習内容
    • 優先順位を定めた学習推進
    • 育成成果の可視化

    また、人材育成には多くの時間やコストがかかるため、効率を求めるなら人材育成サービスの利用がおすすめです。ディジタルグロースアカデミアは、AI人材の育成に特化したサービスを提供しています。

    研修では、DXやビジネストレンドに関する講座から、データ活用、AI、IoTに関する研修まで幅広い内容を提供しています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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