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DX推進ガイドラインとは?11の項目と活用方法を紹介

更新日:2023年12月12日

DXは、進化したIT技術を活用して、人々の生活やビジネスのあり方を根本から変革する概念です。また、2018年に経済産業省が公表したDXの定義は、市場の激しい変化に対応できるよう、データやデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルを変革することを指します。

DXは、企業が競争力を維持するために必要なものです。しかし、多くの企業がDXの具体的な進め方や予算の判断に苦労しており、散発的な施策に終始してしまうこともあります。

そのため、DX推進ガイドラインを参考にして、自社のDX戦略を再考する必要があるでしょう。この記事では、DX推進ガイドラインについて、詳しく解説します。ガイドラインを活用することで、企業は自社のDXの現状を把握し、具体的な施策を検討できるため、DX推進に必要な体制整備を進めましょう。

目次

    DX推進ガイドラインとは

    DX推進ガイドラインとは、経済産業省が2018年に公開したDXレポートのなかで、経営者が押さえるべきポイントをまとめた資料のことです。ガイドラインは、DXを推進する上での企業にとってのロードマップとなり、データ駆動型のビジネス変革を実現するための基盤を提供することを目的としています。

    ここからは、以下の2つに分けてガイドラインを詳しく解説します。

    • 必要性
    • 対応策

    必要性

    日本の多くの企業は、大量のデータを保有していますが、先進技術(AI、IoT、ビッグデータなど)を導入しても、基盤となる企業データの限定的な活用により、効果も限られています。

    そのため、既存のシステムを見直し、新しいデジタル技術に対応させることがDX推進には不可欠です。しかし、多くの企業でDXの重要性や実行プロセス、関連部門の役割分担についての十分な理解が浸透していません。

    この問題を解決するべく、ポイントとステップを共有するためのガイドラインが必要とされて現在に至ります。

    対応策

    具体的な対応策として、「DX推進システムガイドライン」の策定が実施されています。同ガイドラインの目的は、経営者がITシステムに関する意思決定を行う際に重要な事項を明確にすることです。

    また、取締役会や株主がDXの取り組みをチェックする際にも活用できるように、コーポレートガバナンスのガイダンスとして位置づけることも考えられています。

    そのため、企業がデータを中心にしたビジネス変革を実現するための基盤として機能し、DXの成功への道筋を示す重要なツールとなることが期待されています。

    DX推進ガイドラインの11項目

    DX推進ガイドラインは全11項目で構成され、以下の2つに分けられています。

    • DX推進のための経営のあり方、仕組
    • DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築

    DX推進のための経営のあり方、仕組

    DX推進のための経営のあり方、仕組では、以下に挙げた5つの項目が取り上げられています。

    • 経営戦略・ビジョンの提示
    • 経営トップのコミットメント
    • DX推進のための体制整備
    • 投資等の意思決定のあり方
    • DXにより実現すべきもの:スピーディーな変化への対応力
    経営戦略・ビジョンの提示

    まず、経営戦略とビジョンの提示が挙げられています。企業がデジタル技術を活用してどのように価値を創出し、市場での競争優位を確立するかを定義するプロセスです。

    明確な戦略は、新ビジネス創出やコスト削減など具体的な目標を設定し、それを全社的な取り組みとして組織全体に共有する必要があります。戦略の展開には、具体的なアクションプランとKPIの設定が伴うべきとされ、定期的な見直しを通じて進捗を確認し、必要に応じて戦略の調整も求められるでしょう。

    経営トップのコミットメント

    次に、DX推進には経営トップの強いコミットメントが必要です。具体的には、新技術導入やビジネスモデルの変革に対する経営層の積極的な関与を指します。

    経営トップがDXプロジェクトに強く関与することで、社内の抵抗を克服し、変革を推進できます。経営トップのコミットメントは、DXの目的と重要性を組織全体に明確に伝え、従業員を引っ張ることで変革への取り組みを推し進める原動力となるでしょう。

    DX推進のための体制整備

    さらに、DX推進において、戦略的なデータ活用とITシステムの基本構想を支える組織体制や役割分担の重要さも取り上げられています。また、業務に精通したITエンジニアの確保と、経営レベル、事業部門、情報システム部門間の協力も含まれます。

    体制は、企業内のさまざまなステークホルダー間の協力を促進し、DXの取り組みを組織全体で支持する文化を醸成します。また、ITとビジネス部門の密接な連携により、テクノロジーの可能性を最大限に活用し、ビジネス価値を創出することが可能になるでしょう。

    投資等の意思決定のあり方

    DXにおける投資や意思決定は、戦略的な視点から行われるべきともされています。意思決定は、単に既存システムの更新だけでなく、新しいビジネスモデルの創出や長期的な価値創造を目指す投資も含むものです。

    意思決定プロセスには、リスク評価と予算割り当てが重要です。また、投資の効果を測定するためには、KPIの設定が必要です。さらに、市場の動向や技術進歩を考慮した柔軟な投資計画を実施し、定期的な評価と調整を行うことも求められるでしょう。

    DXにより実現すべきもの:スピーディーな変化への対応力

    最後に、DXによって実現すべき主要な目標として、迅速な変化への対応力も挙げられています。ビジネスモデルの変革やシステムの柔軟な変更が含まれ、経営方針の転換やグローバル展開への迅速な対応を可能にします。

    変化への迅速な対応は、持続可能な成長と競争優位を確保するために不可欠です。デジタル技術の進展に合わせて組織が柔軟に適応し、市場の変化や顧客ニーズに迅速に応じることが、長期的な成功の鍵となります。

    DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築

    DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築では、以下の6つが挙げられます。

    • 体制・仕組み:全社的なITシステムの構築のための体制
    • 体制・仕組み:全社的なITシステムの構築に向けたガバナンス
    • 体制・仕組み:事業部門のオーナーシップと要件定義能力
    • 実行プロセス:IT資産の分析・評価
    • 実行プロセス:IT資産の仕分けとプランニング
    • 実行プロセス:刷新後のITシステム:変化への追従力
    体制・仕組み:全社的なITシステムの構築のための体制

    DX成功のためには、経営層とIT部門の連携による全社的なITシステム構築体制が必要です。経営戦略実現に必要なデータとITシステム設計を担う人材の確保、業務に精通したITエンジニアの確保が鍵となるためです。

    経営層、事業部門、情報システム部門間で協力し、共有の理解と目標に基づいてトップダウンで変革を進めることが効果的です。このような体制は、組織全体のデジタル変革を加速させ、持続可能な成長を促進するでしょう。

    体制・仕組み:全社的なITシステムの構築に向けたガバナンス

    加えて、全社的なITシステム構築には、効果的なガバナンス体制の確立が不可欠であることにも触れられています。ガバナンスには、先述した経営トップ自らの強いコミットメントと、ビジネスや仕事の変革に対する明確な指導と監督を含みます。

    ガバナンスは、システム刷新や新技術導入における経営の観点からの指導を提供し、組織全体のDX推進を強化します。また、経営トップの関与は、変革への抵抗を減らし、組織のデジタル化を加速するでしょう。

    体制・仕組み:事業部門のオーナーシップと要件定義能力

    DXにおいては、事業部門のオーナーシップと要件定義能力も必要です。事業部門は、ITシステムの仕様決定や受入テストを主導し、情報システム部門との間で効果的なコミュニケーションを確保します。

    また、事業部門が業務の要件を明確にし、システム開発における主導権を握ることで、実際のビジネスニーズに合致したITソリューションが実現されます。その結果、システムの効果的な活用とビジネス成果の最大化が可能となるのです。

    実行プロセス:IT資産の分析・評価

    また、DXを推進する上でのIT資産の分析・評価は、有効なIT戦略を策定するために求められます。既存のIT資産の現状を理解することで、必要な更新や廃止を行い、効率的なIT環境を構築できるためです。

    なお、各システムのパフォーマンス、コスト、ビジネスへの影響を評価し、DXの目的に合致するかどうかを判断する作業も含まれます。こうした適切な分析と評価により、投資の優先順位を設定し、リソースを効果的に配分することが可能になります。

    実行プロセス:IT資産の仕分けとプランニング

    ガイドラインでは、IT資産の仕分けとプランニングによる、DX戦略の基盤形成についても触れられています。具体的には、現行システムの見直しと、必要な機能のクラウド移行、不要な機能の廃棄、メンテナンスが少ない機能の保持などです。

    それぞれのプロセスにより、企業は必要な機能を迅速かつ効果的に更新し、コスト削減とリソースの最適化を実現します。また、データとシステムの適切な管理により、ビジネスの持続可能性と成長にもアプローチが可能です。

    実行プロセス:刷新後のITシステム:変化への追従力

    最後に、刷新後のITシステムにおいて、ビジネス環境の変化に迅速に対応する柔軟性が必要です。新しいデジタル技術の積極的な導入と、システムの持続的な更新能力などが挙げられるでしょう。

    加えて、ビジネスニーズに対応するための機能追加の容易さ、システムのスケーラビリティ、および継続的なメンテナンスの低減が重要です。追従力のアプローチにより、企業は市場の動向や技術革新に柔軟に対応し、競争優位を維持できます。

    DX推進ガイドラインをどのように活用する?

    DX推進ガイドラインとは、企業がDXを推進する上での指針となるものです。そのため、DX推進ガイドラインを活用することで、自社のDXの現状を把握できます。

    具体的には、以下の手順でDX推進ガイドラインを活用しましょう。

    1. 自社の経営戦略やビジネスモデルを分析する
    2. DX推進ガイドラインの原則と行動原則を理解する
    3. 自社が実施している原則と行動原則を洗い出す
    4. 実施できていない原則と行動原則を洗い出す

    DX推進ガイドラインを活用して現状を把握することで、自社のDXの課題を明確にできます。課題を明確にすると、DXを推進するための具体的な施策を検討しやすくもなるでしょう。

    まとめ

    DX推進ガイドラインは、経済産業省が2018年に公開したDXレポートのなかで、経営者が押さえるべきポイントをまとめた資料です。ガイドラインを活用することで、企業は自社のDXの現状を把握し、具体的な施策を検討できます。

    DX推進ガイドラインを活用するには、経営者だけでなく、事業部門やIT部門の人材もDXに関する知識やスキルを身につける必要があります。 しかし、多くの企業では、DXに対する理解や教育が不十分であることも課題です。

    そのため、まずはDXに関する人材の育成を支援するサービスを活用しましょう。 ディジタルグロースアカデミアでは、DXの基礎から応用までを学べる研修を実施しています。まずは、お気軽にお問い合わせください。

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