Columnコラム

インダストリー4.0とは?目的やドイツ・日本の現状も紹介

更新日:2024年2月1日

インダストリー4.0は、生産性の向上と製品流通の現代化を促進し、製造業者が分断された情報源を一元化できることで、新しい視野と洞察を得られると注目されています。

また、日本でもインダストリー4.0の導入が進んでおり、政府の推進策や企業の取り組みが行われています。

しかし、インダストリー4.0の導入にはいくつかの課題が存在します。

そこでこの記事では、インダストリー4.0とは何か、特徴や目的、現状や課題について解説します。

「第4次産業革命」とも呼ばれ、製造業界に変革をもたらすテクノロジーをぜひご覧ください。

目次

    インダストリー4.0とは?特徴を紹介

    インダストリー4.0とは、2011年にドイツ政府が発表した先進的な産業政策のことです。

    「第4次産業革命」とも呼ばれ、製造業界に大きな変革をもたらそうとしています。

    この動きの中心にあるのがスマートファクトリーで、情報技術(IT)を駆使して、生産プロセス全体をデジタル化し、より生産的で効率的な工場運営を実現することを目指しています。

    要するに、インダストリー4.0は、製造業を賢くスリムに、そして持続可能なものへと進化させるためのビジョンだということです。

    こうした産業変革をもたらすインダストリー4.0には、以下のテクノロジーが活用されています。

    • IoT(インターネット・オブ・シング)
    • クラウドコンピューティング
    • デジタルツイン
    • エッジコンピューティング
    • AI(人工知能)
    • セキュリティ

    それぞれ、どのような技術か解説します。

    IoT(インターネット・オブ・シング)

    IoT技術は、様々な機器をインターネットにつなげることで、工場内の最適化をリアルタイムで行えるようにします。

    これにより、効率の良い生産、コスト削減、品質の管理が飛躍的に向上するものです。

    例えば、スマートファクトリーでは、機器同士の通信により、生産プロセスを自動で管理し、余分な在庫の削減と企業運営をより効率的かつ柔軟にします。

    クラウドコンピューティング

    クラウドコンピューティングは、膨大なデータを保存・管理・分析し、生産に必要な情報を提供するインダストリー4.0の重要な技術です。

    結果、市場動向の分析から生産計画の策定までが迅速に行えます。

    例えば、クラウドベースのERPシステムやMESシステムは、情報を相互にリンクさせ、オペレーションの自動化を推進できます。

    デジタルツイン

    デジタルツインは、物理的存在をデジタル世界で完全に再現したモデルです。

    技術の活用により、製品の開発から生産、保守管理までが最適化されます。

    例を挙げると、自動車の設計段階で、デジタルツインを使うことで、実際の製造前にパフォーマンステストや衝突試験を実施できます。

    また、既存製品に関しても、現実のデータを反映させることで、改善や保守が行えるものです。

    エッジコンピューティング

    エッジコンピューティングは、データを発生源の近くで処理する技術です。

    通信コストと待ち時間の削減を実現し、速やかなデータ分析と意思決定を可能にします。

    例として、自動化工程における品質検査システムは、製品画像の撮影とその場での画像解析を行い、不良品を即座に検出可能です。

    結果として、工場の自動化やデータ処理速度の向上を促進します。

    AI(人工知能)

    AIは、インダストリー4.0を推進する核となる技術で、機械学習を利用した予測保全や品質管理など、多くの流れの自動化に寄与します。

    具体的には、AIが製造ラインの保全に役立ち、センサーデータに基づき機械の故障を未然に防ぎます。

    また、AIを活用した品質検査では、製品不良を判別可能です。

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    セキュリティ

    データの安全を確保するため、セキュリティはインダストリー4.0を支える基礎として位置付けられます。

    インダストリー4.0に限らず、自動化が進む中で、サイバーセキュリティの強化は常に求められるものです。

    そのため、ネットワークセキュリティソリューションやエンドポイント保護ソフトウェアは、外部の脅威から保護するために重要です。

    インダストリー4.0の設計原則

    インダストリー4.0では、目標達成のために以下の4つの設計原則が設けられています。

    • 相互運用性(Interoperability)
    • 情報の透明性(Information Transparency)
    • 技術的アシスト(Technical Assistance)
    • 分散的意思決定(Decentralized Decision-making)

    相互運用性(Interoperability)

    インダストリー4.0において、システム群が一体となって機能するためには、相互運用性が不可欠です。

    様々な機器やソフトウェアがお互いにコミュニケーションを取れる能力を指し、製造工程のスムーズな進行を可能にします。

    製造ラインを監視するソフトウェアが機器からの情報をリアルタイムで収集し、最適な生産フローへと調整することなどが相互運用性を示す良い実例です。

    情報の透明性(Information Transparency)

    データが容易に理解しやすい形でアクセス可能であること、つまり情報の透明性は、インダストリー4.0の中核的な設計原則です。

    効率的な意思決定を支えるためには、製造工程に関わる情報において透明性が確保されている必要があります。

    例えばセンサーにより収集されたデータが完全に可視化され、それに基づいて即時に生産調整が行えるような環境を言います。

    技術的アシスト(Technical Assistance)

    技術的アシストは、作業をより効率的かつ安全に行えるように従業員を支援することに注力するインダストリー4.0の原則の1つです。

    特に、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を用いたトレーニングシステムや、AIを活用した複雑な問題解決のアドバイスを可能にしたシステムが挙げられます。

    いずれも、作業者の負荷を減少させ、インダストリー4.0が目指す効率化された作業環境への貢献が期待されます。

    分散的意思決定(Decentralized Decision-making)

    インダストリー4.0では、柔軟かつ迅速な意思決定が工場の各レベルで求められます。

    このためには、機械やシステムそれ自体が状況に応じて最善の決定を下すことができる能力、すなわち分散的意思決定が不可欠です。

    センサーデータに基づく自動調整を行う製造機械や、AIを用いた在庫管理システムは、まさに分散的意思決定の具体化です。

    インダストリー4.0の目的とは

    インダストリー4.0の主たる目的は、製造業の生産システムと流れを向上させるためにIT技術を積極的に取り入れることにあります。

    具体的には、以下の4つが挙げられるでしょう。

    • 効率向上と生産性の向上
    • 柔軟性とカスタマイゼーションの実現
    • イノベーションと新たなビジネスモデルの創出
    • 透明性とリアルタイムな意思決定

    効率向上と生産性の向上

    まず、インダストリー4.0は、効率性と生産性の向上を目的としています。

    具体的には、IoTを通じて、機械同士が情報を共有し、人工知能(AI)がそれぞれの大量のデータから有益な洞察を引き出して達成を狙うものです。

    例えば、工場の機械にセンサーを取り付けて、そのデータをリアルタイムに解析します。

    この分析を通じて、無駄な動作をカットし、最適な生産ラインを構築しましょう。

    さらに、この技術は品質管理や在庫管理など、製造業務の様々な側面に広がりを見せています。

    このように、データに基づいた意思決定を行うことで、企業はより効率良く生産活動を行えます。

    柔軟性とカスタマイゼーションの実現

    インダストリー4.0がもたらす柔軟性とは、顧客の多様な要望に応えて、製品をカスタマイズする能力のことです。

    このカスタマイゼーションを可能にするためには、生産ラインで素早い変更に対応できる必要があります。

    3Dプリンティングを例に挙げると、オリジナルで個性的な製品をオンデマンドで作成するなどです。

    また、モジュラーデザインを使用することで、様々なバリエーションの製品を同一ラインで生産できます。

    このように、顧客の満足度を高めつつ、市場での差別化へとつながるこの柔軟性はインダストリー4.0の目的となっています。

    イノベーションと新たなビジネスモデルの創出

    加えて、インダストリー4.0は、イノベーションと新たなビジネスモデルの創出を後押しすることも目的の1つです。

    例えば、遠隔監視や予測保全など、新しいサービスがビジネスモデルの変革を促しています。

    製品を販売するだけでなく、サービスの提供にビジネスモデルを変えるというものです。

    • サービスとしての機械(MaaS:Machinery as a Service):機械を使う分だけを支払うモデル
    • パフォーマンスベースの契約:製品の性能や生み出す量に基づいた支払いモデル

    それぞれのモデルにより、顧客はリスクを最小限に抑えつつ最新技術の恩恵を受けることができます。

    透明性とリアルタイムな意思決定

    最後に、インダストリー4.0がもたらす透明性の向上により、企業はリアルタイムで意思決定を行えるようにすることも目的として挙げられます。

    特にサプライチェーンマネジメント(SCM)では、IoT技術によってサプライチェーンが見える化され、需要と供給のバランスを保ちつつ迅速に対応可能です。

    具体的には、在庫のリアルタイム確認や生産データの集約などがあります。

    こうしてデータの共有がスムーズになることで部門間のコミュニケーションも活性化し、より多くの意思決定が全体の最適化に貢献するでしょう。

    ドイツのインダストリー4.0の現状

    ドイツ政府の主導で進む「インダストリー4.0」は、特に大手企業を中心に進展しています。

    しかし、Bitkomの調査によると、資金不足やスキルを持つ人材の不足など、様々な課題に直面しているのも事実です。

    具体的な現状は以下の通りです。

    • 企業の95%がインダストリー4.0をビジネスチャンスと認識
    • 83%が現在デジタルアプリケーションを使用しているか、導入計画がある
    • 2/3がインダストリー4.0への取り組みに遅れを感じている

    この状況を踏まえると、ドイツの多くの企業がインダストリー4.0に前向きではあるものの、実際の障壁には苦戦していると言えます。

    日本のインダストリー4.0の現状

    日本のインダストリー4.0では、「コネクテッド・インダストリーズ(Connected Industries)」という政策が2017年に経済産業省より策定されています。

    これを受け、製造業のみならず社会全般のDXを推進しています。

    ただし、日本が直面する課題もドイツと同様に多い見込みです。

    競合国と比べて浸透していないことから導入が遅れが想定され、DXの領域でも人手不足に悩んでいます。

    加えて、国策としてではなく企業主導での動きが主流であり、導入時には人材の確保、データ利用のための基盤整備、斜め断的な政策の構築が重視されやすいことも要因です。

    こうしたことを考えると、それぞれを核として技術開発や企業間協力を加速させ、進化する技術およびグローバル市場へ対応することが日本には求められていると考えられます。

    インダストリー4.0の様々な課題

    インダストリー4.0は、先ほども触れたようにドイツ・日本で様々な課題に直面しています。

    なかでも人材の不足は深刻で、必要な専門性を持つ人が居なければプロジェクトを適切に進めることが出来ません。

    加えて、始動には膨大なコストがかかること、そしてそれを支える複雑なシステム構築を要することも、大きな難題です。

    さらに、生産設備がサイバー攻撃に晒されないようセキュリティ対策を怠ることもできません。

    こうしたことを踏まえると、実際に導入を開始する際には、どのように取り掛かるべきか企業が戸惑うケースも少なくないでしょう。

    それぞれの問題を解決するためには、人材を育て、コスト効率に優れた技術投資を行い、堅牢なセキュリティ体制を築き、明確に実行可能な計画を立てる必要があります。

    このように、インダストリー4.0を推し進めることには例に挙げた課題がありますが、克服すれば大幅な生産性向上や新しいビジネス機会が見込めるものです。

    まとめ

    インダストリー4.0は、ドイツのみならず、日本においても技術革新により製造業の未来を変えようとしています。

    • インダストリー4.0は、IoT、クラウドコンピューティング、デジタルツインなどの技術を駆使し、製造業の自動化と効率化を進めている。
    • ドイツを始点として世界的に広がるこの動きは、日本でも生産性の向上や新たなビジネスモデルの創出を目指して導入が進んでいる。
    • 現段階では相互運用性、情報の透明性、技術的アシスト、分散的意志決定などの設計原則に基づいたシステム構築が求められている。

    ただし、インダストリー4.0の導入には高度なセキュリティ対策や専門的な人材育成が不可欠で、これが大きな課題となっています。

    インダストリー4.0を推進できる人材を効果的に育成するためには、最新の知識と技術を実践的に学べる教育機関を活用することがおすすめです。

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    この技術革新の波をリードし、新たなビジネスチャンスを掴むためにも、さらなるスキルアップを目指されている方はぜひ、詳細をご覧ください。

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