DXの人材不足における課題と解消法!日本でDX化が進まない理由とは
更新日:2024年11月11日

現在の変化が激しいビジネスの世界に適応して、企業を成長させていくために、DXの重要性が増しています。
しかし、日本企業の多くはDX化が遅れています。さまざまな原因がありますが、DX人材の不足が原因の1つに挙げられています。
DX人材の不足は今後も続くのでしょうか?また、DX人材とは、どのような人材を指すのでしょうか?この記事では、DX人材の現状や求められるスキル、DX人材の不足を解消する方法について解説します。
目次
DXとは?

DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の頭文字を取った言葉です。DXは本来「デジタル技術を社会に浸透させることで、人々の生活をより良い方向へと変化させる」という意味で、2004年にスウェーデンの大学教授であるエリック・ストルターマン氏が提唱しました。
DXは、ビジネス用語としても使われています。
「急速に変化するビジネス環境に適応し、デジタル技術を活用して、業務プロセス、企業文化などを変革するとともに新たなビジネスモデルを生み出すことで、企業価値、市場での優位性を高めること」
このように、デジタル技術の活用は同じですが、本来の意味とは異なります。
IT化との違い
DXと混同されることが多いのがIT化です。
IT化とは、業務プロセスを変更せず、アナログ業務にデジタル技術を導入することで効率化を図る取り組みです。たとえば、集計作業にデジタルツールを導入して自動化するなどは、IT化に該当します。
デジタル化との違い
IT化と同じく、混同されるのがデジタル化です。
デジタル化とは、デジタル技術を活用して、アナログ業務を効率化し、業務プロセスの最適化を目指すことです。書類をスキャンしてシステム上で管理する、会議を物理的に同じ場所に集まって行わずに、オンラインで行うなどが該当します。
日本のDXの現状

企業が変化の激しい現在のビジネス環境を生き抜いていくためには、DX化が不可欠です。しかし、日本のDXの現状は良い状況とは言えません。
2021年にスイスの研究所が発表したデジタル競争ランキングによると、日本は全63ヵ国中27位と遅れをとっています。
欧米だけでなく、アジア各国と比較しても競争力が劣っているのが現状です。このまま、DX化が停滞し、既存システムを使用し続けると2025年以降、年間12兆円もの経済的損失が発生すると言われている「2025年の崖」に直面する恐れがあります。
日本のDX化が進まない理由
日本のDX化が進まない理由は、理由の1つとして挙げられるのがDX人材の不足です。
総務省の調査によると、DX化が進まない理由として、人材不足を挙げる企業が過半数を超えています。
DX化には、老朽化・ブラックボックス化している既存システムからの脱却が不可欠ですが、それを実現するためのDX人材が確保できないと始まりません。DX人材の需要と供給のギャップが、日本のDX化が進まない大きな要因と言えます。
DX人材の現状

DX人材の明確な定義はありませんが、一般的にAIやIoT、ビッグデータなどのデジタル技術を含め、DX推進に必要な知識・スキルを持つ人材とされています。
前述しましたが、日本のDX化が進まない理由の1つにDX人材の不足があります。
ここでは、DX人材の現状について解説します。
DX人材は不足している
経済産業省は、2019年に「2030年に最大で79万人のIT人材が不足する」との調査結果を公表しています。IT人材とDX人材は同義ではありませんが、DX人材にはITスキルも求められるため、DX人材も不足すると推測されます。
特にAIやIoT、ビッグデータなどの先端技術に精通したDX人材は貴重です。
IT業界に限らず、多くの業界がDX人材を求めています。需要と供給のバランスが崩れていることから、DX人材の確保は今後も困難な状況が続くと推測されます。
リーダーとなる人材も不足している
DXのプロジェクトは長期に渡るケースが多く、マネジメントを担当するリーダー的な人材が不可欠です。
リーダーには、プロジェクトの管理能力や、メンバーと良好な関係を築けるコミュニケーション能力など、さまざまな知識・スキルが求められます。
デジタル技術に関する知見と、これらのスキルを併せ持つリーダー的な人材は特に貴重ですが、不足しているのが現状です。
リーダーとなる人材を確保できるかがDX化を成功させる鍵となるでしょう。
DX人材に必要なスキル

DX人材に求められる主なスキルを7つ紹介します。
自社の事業に関する理解
DXに関する知識に優れていても、自社の事業に対する理解が低いと、DXの知識を活かしきれません。
自社の事業を理解しているつもりでも、部署での役割を理解しているだけで、事業全体について理解しきれていない可能性があります。
DXの知識を最大限に活かすには、自社の事業に関する知識と会社の長所と短所など、会社全体の特徴についても理解しておくといいでしょう。
新規事業の企画立案能力
DX化には、新たなビジネスモデルの創出も含まれます。そのため、DX人材には、自社の事業に関する知識に加えて、市場や同業他社の動向などを分析した上で、新規事業に関する企画立案能力が求められます。
このスキルは、企業の成長戦略にとって、非常に重要なスキルです。
プロジェクトのマネジメントスキル
効率的にDX化を推進させるには、プロジェクトのマネジメントスキルが必要です。期日や予算、人員の管理能力、関係者との良好な関係を構築するコミュニケーションスキル、チームをけん引するリーダーシップなど、プロジェクトのマネジメントスキルは、複数のスキルの集合体と言えます。
ITに関する知識
ITに関する知識は、DX人材にとって基本的なスキルです。
アプリケーションやネットワーク、セキュリティなどの知識があることで、ITを活用して「何が可能であるか」を判断でき、トラブル発生時にも適切な対応ができます。
また、DX化には新たなデジタル技術の導入が必須とは限りません。既存のシステムで対応可能かどうかの判断も求められます。そのため、DX人材にとって、ITの知識は欠かせない知識と言えます。
データに関する知識
DXはアナログデータをデジタル化し、蓄積されたデータを基にさまざまな意思決定を行うため、DX人材にはデータベースやデータ分析などを含め、データに関する知識が不可欠です。
効果的な事業戦略を立案するには、データベースの活用が重要です。データベースの最適な活用法と、適切なデータ分析が行えるよう、データに関する知識を身につけましょう。
AIや機械学習などの知識
AIや機械学習などの知識は、業務の効率化やイノベーションの促進、競争力の強化に不可欠です。また、IoTやブロックチェーンなどの先端技術も急速に発展を続けており、今後の主流技術となる可能性が高いため、継続的な学習が求められます。
DX人材には、これらの技術に関する知識と、学び続ける意欲が求められます。
UIやUXに関する知識
UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)に関する知識もDX人材には必要です。UIは製品やサービスを通じた顧客との接点で、操作性に影響します。対して、UXは顧客が得る体験という意味で、満足度に直結します。
作り手の視点も重要ですが、顧客のニーズに応えるには、顧客の視点で見ることが不可欠です。視覚的な魅力と機能美を備えた、顧客満足度の高い製品やサービスを提供するには、UIとUXの知識が必要です。
DX人材不足を解消する方法
最後に、DX人材不足の解消法について解説します。

外部サービスを活用する
DXに特化したコンサルタントや人材派遣など、外部サービスの活用は、スピーディーなDX化を実現するために有効です。ただし、外部サービスの選定には、実績や信頼性など、複数の条件から選ぶ必要があります。
ディジタルグロースアカデミアでは、DXの知識と経験を持つコンサルタントが、クライアントの事業内容や課題に最適な提案と、伴走型のサポートに定評があります。
サービスの詳細については、下記のリンクからご確認ください。
DX人材を採用する
2つ目は、DX人材の採用です。
大学や専門学校などで専門知識を学んだ新卒者と、実務経験がある人材を中途採用する方法がありますが、現在DX人材は売り手市場です。
企業が選ばれる側なので、新卒者・中途採用者どちらも、希望条件を満たした人材が確保できるとは限りません。
条件に見合うDX人材を確保するには、転職サイトや転職エージェントを通じた採用活動が必要かもしれません。
人材育成に注力する
社内の人材の育成に注力するのが3つ目の解消方法です。
研修制度の拡充、資格取得の奨励などの方法があります。この方法は、人材の育成に時間とコストがかかることと、想定したレベルまで、スキルが身につくとは限らないことです。
しかし、社員がDXの知識を身につけることで、自社の事業に精通した最適なDX人材を確保できるメリットがあります。
DXに関する研修に強みを持つ外部サービスを活用して、将来を見据えたDX人材の育成を行いましょう。
まとめ

2030年にはIT人材が79万人不足すると予測されており、DX人材も同様の不足が見込まれています。DX推進にはDX人材の確保が急務ですが、容易ではありません。
コンサルタントなどの外部サービスの活用や、社内の人材育成といった対策が必要です。
ディジタルグロースアカデミアでは、DX推進に必要な知識と経験を持つコンサルタントが伴走支援を行っています。
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