デジタルに不慣れな社員がアプリ開発を体験
全社横串DXチームで商社の未来を切り拓く!
明和産業株式会社様
(左)横尾 憲二様 明和産業株式会社 執行役員 第三事業部門長 兼 最高デジタル責任者
(右)神宮司 剛 株式会社ディジタルグロースアカデミア
- デジタルに慣れておらず、何から始めればよいか分からない
- 会社で収集・蓄積しているデータを活用できていない
- デジタル化が遅れることで、顧客・取引先に中抜きされる危機感があった
「DXリテラシー醸成から企画スキル強化、アプリ構築実践まで一気通貫のプログラムを構築」
- デジタルに不慣れだった社員がアプリ構築を実体験することで、デジタルへの理解が浸透した
- 24名中23名がDX推進に前向きになった
課題
「まず、やってみよう!」 ―失敗を恐れずDXで新しい価値を生み出していく
全社を挙げてDX推進人財の育成に取り組もうとされたきっかけを教えてください
- 横尾様:
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大きな転機となったのは、新型コロナウイルス感染症の流行です。
明和産業は、もともとはアナログ気質な会社でした。しかし、在宅でも業務ができるようITツールを導入し始めたことで、デジタルを活用した働き方が徐々に浸透していきました。きっかけは新型コロナウイルス感染症でしたが、感染症が流行する前からデジタル化という大きな波が押し寄せてきているのは認識していたので、会社として本腰を入れてDXに取り組んでいかなければならないと思いました。
まず課題に感じていたのは、社員のデータ活用能力です。明和産業は商社ですから、さまざまなデータをもっています。しかし、データがどのような意味をなしているのか、どのように分析するのかが社内で共有できていませんでした。そこで、DX推進人材を育成し、データやデジタル技術を活用してお客様や取引先の課題解決に取り組んでいこうという目標を立てました。
- 横尾様:
-
上図の「中期経営計画2025」でも、デジタル化の推進等によって企業価値の更なる向上と新たな価値創造が掲げられています。これを机上の空論で終わらせないためにも、デジタルに対する拒否感・拒絶感をなくし、全社員のデジタルリテラシーのレベルを上げる必要があります。我々としても、DX推進人材を育成するための研修を行うのは初めてでしたので、結果はどうなるか分かりませんが、「まずは、やってみよう!」ということで、なにを目標とすればよいのか、そもそもどんな研修があるのかを調べ、ディジタルグロースアカデミアのDX推進人材育成プログラムを受講することにしました。
全社横串DXチームで、現場の課題を吸い上げる
明和産業の人材育成方針について教えてください
- 横尾様:
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明和産業では、「デジタル人材」を3つに定義しています。
1. デジタル人材 |
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2. DX推進人材 |
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3. デジタル専門人材 |
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- 横尾様:
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商社は、メーカーとお客様をつなぐ仕事ですが、常に「中抜き」の危機にさらされています。例えば、開発商品でいうと、メーカー自身も直接マーケットに訴求したいという思いをもっていて、それが可能になるITツールが開発されています。またお客様も然りです。私たちもそのような新しいツールを理解し、メーカー、お客様と一緒に取り組んでいけるリテラシーをもっておく必要があると考えています。
経営企画部が担っている役割をお伺いしてもよろしいでしょうか
- 高橋様:
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組織体制としては、経営企画部のなかにデジタル戦略ユニット(2021年10月に新設)があります。
このユニットに所属しているのはコーポレート部門など他部署からの兼務出向者で、自分が所属する部署と兼務しながらDXについて提言をしてもらうことを目的として設置しました。
各事業部と兼務にしたことで、全社の横串を刺しやすいといいますか、現場の課題を吸い上げやすくなったのではないかと考えています。
取り組み
デジタルに不慣れな社員も、アプリ開発を体験
今回の研修では、どの段階まで社内でできるようになりたいという目標はありましたか。
また、人財育成方針の企画段階ではどのようなことを重視されましたか?
- 横尾様:
-
先ほどお話した3つのデジタル人材のなかの「DX推進人材」のレベルまで育成したいという目標があります。そのためには、自ら課題を発見して解決する力、変化を受け入れ柔軟に対応していく力を身に付ける必要があります。
そこで、今回の研修では企画/提案の進め方や業務改革など、デジタル以前の商業的な企画段階から研修をしていただきました。
- 横尾様:
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6~7日目の「業務改革/アプリ開発実践」は、非常に有意義だったと思います。実際にアプリを作ってみたことで、アプリ開発はどのような手順を踏むのか、どのくらい難しいのかを実感することができました。
私たちは、自分で実際に手を動かして頭を動かして、感じてほしいと考えていたので、単なる理解だけでなく実体験を積むことができました。この体験があれば、外部の専門家とも同じ言語・理解度でいろいろな話ができるようになると思います。
成果
DXによって新しい価値を創造する企業を目指して
今回の研修ではどのような成果が得られたと考えていますか
- 横尾様:
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目標としていた「DX推進人材」まで到達できたかと言われると濃淡があるかもしれませんが、リアルの研修を通じで自身のレベル感を知れたことで、「DX推進人材」のレベルに到達するためにどのような知識・技能を身に付ける必要があるのかを各々が実感できたことが良かったと思います。
また、社員の感想のなかで「顧客視点」という言葉が頻繁に出てきたことも、大きな成果だと思います。DXに限らないと思いますが、我々の提案がお客様や取引先からみてどうなのかという視点をもつ社員が、今後たくさん出てきてくれると良いなと思っています。
今回のプログラムでは、e-Learning+ワークショップ、ハンズオンでの実践を行いました。ディジタルグロースアカデミアのプログラム全体を通じて、良かったところを教えていただけますでしょうか。
- 横尾様:
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eラーニングと座学で基礎を学び、ワークショップで実践していただいたことです。
研修のゴールを「アプリ開発」にしていただきましたが、社員のリテラシーレベルがバラバラななかでフレキシブルに対応いただいたので、感謝しております。
「研修して、終わりました、というのは避けたい」、「成果物として何かを出したい」という思いが事務局としての企画段階からありました。なので、最後のアプリ開発で、どんな形であれ全員がアプリを開発し、開発したアプリが顧客課題なり業務課題の解決に資するものになっているかというところまでサポートしていただいたので、とても良かったです。
弊社が提供している「DX人材アセスメント」の効果はいかがでしたか
- 横尾様:
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「DX人材アセスメント」は、非常に効果的だったと思います。今の私たちの立ち位置を可視化するためにアセスメントを受講しましたが、これを定点観測のように一定の期間続けられれば、KPIを意識したDX人材育成が可能になると思います。
研修を受講した前後で受講生や職場の意識にどのような変化がありましたか
- 横尾様:
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研修後のアンケートでは、「さらなるDXの取り組みに参加しますか」という質問について24名中23名が「ぜひ参加したい」と回答しました。これは、会社が変わる大きな一歩だと思います。今度は、社員のモチベーションを事務局である私たちが絶やさないようにしていかなければならないと思います。
最後に、さらなる風土醸成/組織変革を目指して、今後の展望を教えてください。
- 横尾様:
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私たちは、『明和産業 中期経営計画 2025』のなかで「すべてにおいて変化と挑戦を求める」という大きな目標を掲げています。変化し続ける環境に適応しながら、DXによって新たな価値を創造し続けたいと思っています。
- 横尾様:
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今後は、CRMやRPA、AI OCRなどの新しいデジタルツールを導入して業務の高度化を図り、会社に蓄積されているデータを積極的に活用する文化を根付かせたいです。
ディジタルグロースアカデミアの研修を受けた社員が、デジタルによって自分の業務を変えることができたという実体験を得て、デジタルをもっと身近に感じることができれば、会社全体の意識も変わり、データやデジタルを活用した取り組みが増えていくのではないかと期待しています。
私たちも、試行錯誤しながら、社内のデジタル化を進めるために、「これまでをこれからへ」デジタルによって、「新たな未来を切り拓く」ための挑戦を続けていきたいと思います。
(左から4番目)横尾 憲二様 明和産業株式会社 執行役員 第三事業部門長 兼 最高デジタル責任者
(左から1番目)高橋 聡士様 明和産業株式会社 経営企画部 副部長 兼 事業推進部 副部長
(左から3番目)橋本 卓実様 明和産業株式会社 第三事業部門 合成樹脂事業部 兼 経営企画部 課長
(左から2番目)山本 亮佑様 明和産業株式会社 経営企画部 兼 事業推進部 課長代理
(右から2番目)神宮司 剛 株式会社ディジタルグロースアカデミア
(右から1番目)熊山 淳 株式会社ディジタルグロースアカデミア
担当者のコメント
神宮司 剛Tsuyoshi Jinguji
株式会社ディジタルグロースアカデミア 執行役員
明和産業株式会社 コンサルティング担当
明和産業様の研修を通じて感じたことは、デジタルに不慣れな企業でも、まずやってみること、トライ&エラーから学んで、挑戦する姿勢が大事だということです。
明和産業様の場合、DX人材育成を進める背景には、商社ならではの危機感がありました。顧客視点で価値を創造するために、座学で理解するだけではなく実際に自分の手を動かしてやってみることが重要だという横尾様の姿勢は、明和産業様の「10年先を見据えたビジョン」にも通じています。
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