Columnコラム

DXの進め方とは?事前準備や経済産業省の推進ガイドラインについても紹介

更新日:2022年10月25日

DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語で、デジタルへの変換という意味があります。現代の変化が激しいビジネス環境において、デジタル技術を活用し業務の最適化やビジネスモデルの変革を図り、競争上の優位性を確立することがDXの目的です。経済産業省では、レガシーシステムのブラックボックス化による「2025年の崖」が懸念されています。災害時のリスク回避や国際化に向けて、国としてDX推進が行われています。

DXを進めるための事前準備

DXを成功させるためには、事前準備が欠かせません。ここでは、DXを始める前に押さえておきたい以下の5つのポイントを紹介します。

  • DXを進める目的・目標を明確にする
  • 十分な予算を確保する
  • 現状をしっかりと把握する
  • DXを進めるための社内の体制を整える
  • DX人材を確保・育成する

DXを進める目的・目標を明確にする

DXに取り組む際は、目的や目標を明確にする必要があります。ゴールが定まっておらず、DXそのものを目的としてしまうと、社内体制や業務内容に合わず失敗しやすいでしょう。DXを進める目的の例に以下が挙げられます。

  • 商品・サービス価値の向上
  • CX向上
  • 人員コストの削減
  • 人為的ミスを減らし業務クオリティの向上

DX推進後のイメージがわきにくい場合は、他社の事例を参考にできます。事例を調べる際は、成功した事例だけでなく、失敗した事例も分析するのがおすすめです。

十分な予算を確保する

DX推進のためにはある程度の費用が必要です。新システムを構築したり、旧システムをリノベーションしたりする場合には、その業務を行うエンジニアを雇うための人件費がかかります。また、運用後も保守費用が必要となります。そのため、DXを始める前に全体としてかかる費用を算出し、十分な予算を確保しておきましょう。

現状をしっかりと把握する

定めた目標に応じた現状を把握することも大切です。既存の業務プロセスやシステム環境などを見直し、改善点をリスト化しましょう。組織が大規模である場合は、まず部署ごとに問題を調査する必要があります。部署ごとに課題を持ち寄り、他の部署の社員の視点も含めた客観的な分析を行います。次に、目標を達成するためのプロセスを検討し、会社全体の問題を総括すると良いでしょう。

DXを進めるための社内の体制を整える

DXを成功させるためには、社員の協力が欠かせません。組織的に社内体制を整えるためには、DX担当部署を作ると良いでしょう。まず、DX推進の責任者やプロジェクトのチームメンバーを選定します。その後、DX担当部署を中心に社内全体に情報を共有し組織全体の体制変革を行いましょう。現場で働いている人達だけでなく、経営トップや管理職などともビジョンの合意をしておくと導入がスムーズになるはずです。

DX人材を確保・育成する

新しく導入したシステムや業務体制を使いこなすためには、社内にDX人材が必要です。研修やセミナーを行い、DX人材を確保・育成するのも大切な事前準備の1つでしょう。DX推進をする上で必要とされるIT人材の例は以下の通りです。

  • プロデューサー
  • ビジネスデザイナー
  • アーキテクト
  • データサイエンティスト
  • AIエンジニア
  • UXデザイナー
  • エンジニア
  • プログラマーなど

DXの進め方とは?

事前準備が整ったら、次は実際にDXを進めていく流れとなります。DXの進め方は主に以下の4つのステップに分けられます。

  • ステップ①:業務のデジタル化
  • ステップ②:組織全体のワークフローをデジタル化
  • ステップ③:ビジネスモデルの組み直し
  • ステップ④:PDCAを回す

ステップ①:業務のデジタル化

まず、現場単位の業務のデジタル化から始めます。デジタル化で代表的なのがペーパーレス化です。紙ベースで管理していた資料を電子化し、印刷コストやオフィススペースの削減、セキュリティ性の向上などを図れます。業務用システムを新規開発したり、既存システムを改善したりするプロセスもこの段階に含まれます。

ステップ②:組織全体のワークフローをデジタル化

細かい業務のデジタル化ができたら、組織全体におけるワークフローもデジタル化していきます。ワークフローのデジタル化には以下が含まれます。

  • 決済の承認
  • 勤怠管理
  • 経理処理

組織全体がデジタル化されると大幅な生産性向上が可能になり、会社全体の改革につながるでしょう。

ステップ③:ビジネスモデルの組み直し

ビジネスモデルの組み直しは、DXのゴールともいえる段階です。ビジネスモデルの改革を始める前に、前段階として業務や組織体制のデジタル化ができているかを確認する必要があります。既存の業務が最適化されている状態が確認できた上で、新規事業の創出を行うことができます。競争優位性の高いビジネスモデルを開拓し、企業の成長を目指しましょう。

ステップ④:PDCAを回す

DXは一度の改革で完了するものではなく、定期的にPDCAサイクルを回す必要があります。社会情勢は常に変化するため、自社商品・サービスが最新の市場ニーズに適しているか見直さなければなりません。また、DX推進の施策で取り組んだ点を見直し、自社の業務にとって最適なのか確認することも必要です。標準に沿った評価のために経済産業省が策定している「DX推進ガイドライン」を活用することができます。定期的な振り返りと評価により課題を見つけ出し改善を繰り返すなら、長期的な視野でDX推進を成功させられるでしょう。

経済産業省が発表した「DX推進ガイドライン」とは?

DX推進を始める際や、PDCAサイクルでの見直しの際に「DX推進ガイドライン」を活用できます。「DX推進ガイドライン」とは経済産業省が発表している標準ともいえるもので、自社のDX推進の進捗度を測るのに役立ちます。

DX推進ガイドラインとは

DX推進ガイドラインは、主に以下の2つの要素で構成されています。

  • (1)DX推進のための経営のあり方、仕組み
  • (2)DXを実現する上で基盤となる ITシステムの構築
(1)DX推進のための経営のあり方、仕組み

DX推進において必要な企業方針や戦略、社内体制などが要点です。具体的には、以下の内容が提示されています。

  • 明確な経営戦略・ビジョン
  • 経営トップのコミットメント
  • DX推進のための体制整備
  • 投資等の意思決定
  • スピーディーな変化への対応力

DX推進の目標設定や社内体制整備など、DX推進の準備段階で活用できる内容が含まれています。また、変化への対応についても言及されており、ビジネスモデルの組み直しやPDCAにも活用できるでしょう。

(2)DXを実現する上で基盤となる

DX推進の基盤となる、ITシステムの構築体制・プロセスなどが要点です。具体的には、以下の内容が提示されています。

  • 全社的な IT システムの構築のための体制
  • 全社的な IT システムの構築に向けたガバナンス
  • 事業部門のオーナーシップと要件定義能力
  • IT 資産の分析・評価
  • IT資産の仕分けとプランニング
  • 刷新後の IT システム:変化への追従力

DX推進の具体的なプロセスが示されており、計画構成時や導入期間中に役立てられる内容です。

DXを進めていくためにはDX人材の確保・育成が必要!

DXを進めるためには、新システムの導入だけではなく、導入後もそのシステムを使いこなせる人材が求められます。DX担当部署を設け、責任者やプロジェクトのチームメンバーとして役割を担える人材を確保・育成する必要があります。

ディジタルグロースアカデミアでは、DX推進にあたり必要な人材の育成体系や研修プログラムをパッケージとして提供中です。デジタル人材育成体系の策定から、人材教育、DXを実現するための伴走コンサルティングまで、一貫したサポートを行い、DX人材の育成と迅速な効果創出を実現します。貴社の環境に応じ、研修はオンライン開催とリアル開催どちらも行えます。社内のDX人材育成をご検討でしたら、お気軽にお問い合わせください。

【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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