Columnコラム

DXによるビジネスモデルの変更をするためには?主な種類や事例、ポイント

  • 公開日:2023年3月3日

DXが注目される大きな理由の一つは生産性の向上です。

既存のビジネスモデルでは見えていなかった時間やコストの無駄は、DX推進によって大幅にカットされています。

限られた人員で効率良く成果があげられるようになっているため、新しいビジネスモデルも次々と生まれているのが現状です。

米国をはじめとした海外の大手IT企業ではDX推進が進んでおり、産業構造は大きく変化しています。

また、こうした要因に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大によって世界的にリモートワークが進んだこともDXが注目される大きなきっかけとなりました。

働く場所に縛られずに生産性を落とさない手段を講じるため、DXが活用されています。

こうした複数の要因が重なって、DXは今、世界的に注目されているのです。

なぜDXによるビジネスモデルの変更が必要?

自社のIT製品やサービスを世界市場でも戦えるよう磨き上げるには、DX推進によるビジネスモデルの変化が必須です。

既存のビジネスモデルをDXによって変化させなければならない理由は3つあります。

技術の発達などにより市場が変化しやすくなっているため

現在の市場は、開発技術も日々刷新されているため情勢が変化しやすいのが特徴です。

一つの製品やサービスを生み出しても、次から次へと新しいものが出てくるため、必要に応じて製品やサービスの刷新、システムの再構築が必須となっています。

つまり、DX推進によって既存のワークフローを見直すことは急務です。

市場の変化に対応すべく、ビジネスモデルの柔軟な変革が求められています。

既存システムの維持費が高くなっていくため

DXによりビジネスモデルを変えればコストダウンも可能です。

既存のシステムを使い続けることはコストの浪費につながります。

なぜなら、システムは技術の進歩により常に性能を高めており、旧型のシステムで維持管理コストを抑えることは難しくなるからです。

DXによってビジネスモデルを変更し、必要に応じて新システムを導入し安い環境を整えた方が維持費は安く抑えられます。

より働きやすい環境を作っていくため

DX推進によるビジネスモデルの変更は、より良い労働環境を整えることにも役立ちます。

DXが既存のワークフローで出ていた無駄を省くため、人員配置や予算の無駄、作業にかかる手間を削れるからです。

労働環境が整えば、業務ストレスも解消され社員の士気も上がりやすくなります。

既存ビジネスにかかる手間を新規ビジネスの開拓に回せるため、利益を創出しやすい環境が整うでしょう。

DXによるビジネスモデルの変更事例・種類

ここからは実際にDXによってビジネスモデルを変革させた事例・種類を8つご紹介します。

  • サブスクリプション
  • オンラインサービス
  • プラットフォーム
  • パーソナライゼーション
  • シェアリングエコノミー
  • カスタマイゼーション
  • フリーミアム
  • 二次利用
  • エコシステムプラットフォーム

サブスクリプション

サブスクリプションは、さまざまな製品やサービスを対象とする課金型サービスです。

とある分野やジャンルに特化した製品ないしサービスを課金制で顧客に提供します。

定額制のように一つの商品だけを定期的に売るものではありません。

音楽や動画の配信サービス、食材や飲料といったサービスがこれに該当します。

オンラインサービス

オンラインサービスは、顧客がクラウド上でサービスを受ける仕組みです。

その代表例がXaas(as a service)であり、IaaS・PaaS・Saas・Maasといった4つの種類があります。

顧客はサービスを保有せず必要な時に必要な分だけサービスを受けられます。

代表事例は決済サービスや情報提供、マッチングサービスです。

プラットフォーム

プラットフォームは、インターネット上でサービスの供給者と利用者をマッチングさせる仕組みです。

データ収集にも活用されており、サービスもさまざまなジャンルのものがあるため利用者も飽きません。

Amazonや楽天市場といったサービスがプラットフォームに該当します。

パーソナライゼーション

パーソナライゼーションは、個人の嗜好を汲み取ることです。

ユーザーの行動パターンから読み取り、サービスの提供方針を最適化させます。

インターネットの検索や閲覧履歴から読み取ったユーザーの嗜好を参考にしているため、ユーザーに新しい情報を提供できるといったメリットがあります。

インターネット広告やコンテンツのレコメンド機能に利用されています。

シェアリングエコノミー

シェアリングエコノミーは、インターネット上で個人が所有する資産を他者と共有することです。

ここで言う資産には、家や車といった有形のものから、時間や能力といった無形のものも含まれます。

フリマアプリや家事代行サービスがシェアリングエコノミーに該当します。

カスタマイゼーション

カスタマイゼーションは、顧客の要望に応じて融通を利かせることです。

大量生産のライン上で商品やサービスを顧客好みにカスタマイズできるので、よりコストを下げながら顧客に満足感を与えられます。

パソコンや衣料品のカスタムオーダーに活かされています。

フリーミアム

フリーミアムは、無料で商品やサービスを顧客に提供し、有料の商品やサービスのプロモーションに繋げるビジネスモデルを意味します。

はじめは無料で顧客と接点を持つため大きな売り上げは上がりにくいですが、顧客に気に入られれば中長期的な収益が見込めます。

課金によって利用制限が解除される・広告を非表示にできるといった事例がフリーミアムに該当します。

二次利用

二次利用は、同一の製品やサービスを名前やパッケージを変えて提供することです。

新規開発の手間やコストを大幅に省いて新たな収益が得られることが大きな利点です。

蓄積したデータを使って新しいビジネスモデルを生み出すといった事例が二次利用に該当します。

エコシステムプラットフォーム

エコシステムプラットフォームは、特定のビジネスエコシステム内で、さまざまなプレイヤー間の価値交換を円滑化するためのデジタルな取引の場を提供するビジネスモデルです。

生産者や消費者、パートナーから外部の利害関係者などまで、エコシステム内のすべての関係者をつなぎ合わせます。これにより、取引にかかるコスト(お金、労力、時間)が削減され、各関係者の成長が促進される仕組みが作られます。

具体的には、下記が挙げられるでしょう。

  • ウーバー
  • エアビーアンドビー

ウーバーは移動に関するエコシステム内でのプラットフォーム、エアビーアンドビーは住居に関連するエコシステムプラットフォームとして、それぞれの市場で革新的なサービスを提供しています。

エコシステムプラットフォームは、今後もビジネスの多様な分野での活用が期待され、新しい価値創造の源泉としても注目されることでしょう。

ビジネスモデル変更の課題と対策

ビジネスモデル変更は、単なる戦略の変更以上の深い洞察と組織全体の努力を必要とします。そのため、下記の要素を適切に組み合わせた対策が必要です。

  • 文化の変革
  • 技術インフラの整備
  • データセキュリティとプライバシー
  • ステークホルダーの関与
  • 変更管理とリスク管理

文化の変革

新しいビジネスモデルへの移行では、企業文化の変革が不可欠です。過去の成功体験を積み上げてきた人を変革することが本当のチャレンジであり、文化の変革は組織全体のコミットメントと理解が求められます。

  • イノベーション推進体制の整備
  • 開かれたコミュニケーションの促進
  • 変革リーダーの育成と配置

こうした企業文化の変革は、組織全体で取り組む必要があります。それぞれが連携し、新しい価値創造に向けた動きを生むことが大切です。

技術インフラの整備

新しいビジネスモデルを支える技術インフラの整備は、企業が進化するための基盤となります。そのため、ソリューション型ビジネスへの革新には、専門組織の確保とリソースの整備が大切です。

  • 最新技術の取り込みと標準化
  • 専門人材の教育と配置
  • 柔軟なシステムアーキテクチャの構築

などの技術インフラの整備は、企業の革新と成長をサポートします。戦略的な投資と計画的な実施が求められるプロセスです。

データセキュリティとプライバシー

新しいビジネスモデルにおける信頼の確立には、データセキュリティとプライバシーの保護が不可欠です。特に、ビジネスモデルの成功に直結する部分として重要視されます。

顧客データの適切な管理と保護は、ビジネスの信頼性を高める基盤となるため、下記を詳しく決めておきましょう。

  • セキュリティポリシーの策定と実施
  • 最新技術の導入と更新
  • 教育と意識改革の推進

データセキュリティとプライバシーへの対策は、企業が社会と信頼関係を築くためにも必要です。

ステークホルダーの関与

ステークホルダーとの関与は、顧客、従業員、投資家などのステークホルダーとの連携を生み出し、共通の目標に向かう力となります。たとえば、下記のようなステークホルダーの期待値理解と連携強化が、ビジネスモデル変更の成功につながります。

  • コミュニケーションの強化
  • 期待値の共有と調整
  • オープンな意見交換の促進

ステークホルダーとの関与は、共通の価値と目標に向かう原動力です。これまで以上に密で、オープンな関係の構築を意識しましょう。

変更管理とリスク管理

変更管理とリスク管理は、スムーズなビジネスモデル変更の鍵となります。変更の成功を確実にするため、以下の項目に着目するとよいでしょう。

  • 変更計画の策定と実施
  • リスク分析と対策の立案
  • インパクトの測定と評価

などの変更の影響を最小限に抑え、リスクを適切に評価し対処することが基盤です。変更管理とリスク管理の適切な実施は、ビジネスモデル変更の成功を確実なものにするために必要です。形式にとらわれるのではなく、柔軟で計画的なアプローチが求められるでしょう。

「5W1H」でビジネスモデルを作るのがおすすめ

新規のビジネスモデルを考えるにあたっては、「5W1H」といわれる6つの構成要素を意識しましょう。

ビジネスモデルにおける「5W1H」は具体的に以下のことを意味します。

  • Why(なぜその製品・サービスなのか)
  • What(何を売るのか)
  • Who(顧客となるターゲット層をどこに定めるのか)
  • Where(どこで売るのか)
  • When(いつ売るのか)

つまり、現状把握として新しいビジネスモデルが必要とされる背景を具体的に設定しながら、ビジネスモデルを考える必要があります。

製品やサービスを提供する根管は売り上げをあげることです。

しかし、多くの企業がそうした企業活動を通じて解決したい社会問題や成し遂げたい社会貢献を掲げています。

利益を最優先にした独りよがりなビジネス戦略では、思うような収益はあがりません。

新しいビジネスモデルを作る際も、こうした収益の一歩先にある実現したい世界をゴールに定める必要があります。

ビジネスモデルを変更するためのステップ

ビジネスモデルを変更するためのステップは、下記の10個です。

  1. 現状の評価・分析、ニーズの理解
  2. ビジョンの策定
  3. 価値提供の再考
  4. 顧客セグメンテーション
  5. 収益モデルの設計
  6. リソースとパートナーシップの評価
  7. リスクと障害要因の分析
  8. プロトタイピングとテスト
  9. 組織変革
  10. 評価と最適化

1. 現状の評価・分析、ニーズの理解

データ活用によるコスト削減や生産性向上を目指すため、まずは現状の評価と分析が必要です。

項目 詳細
コスト削減 データ活用により、無駄な支出を抑制
生産性向上 一元管理による業務効率化で、生産性が向上
競合分析 市場環境の理解により、戦略の精度を高める

具体的には、社内のシステムが連動して情報の一元管理によって生産性が高められること、競合分析が必要であることが挙げられます。

現状の評価・分析と顧客ニーズの理解は、ビジネスモデル変更の初めの一歩となります。

2. ビジョンの策定

次に、IoTビジネスの展開が可能になるよう、長期的かつ現実的な計画の策定が求められます。未来のビジネスイメージの明確化、目標設定などが必要です。

企業が目指す方向性を明確化したり、具体的な数値目標や期限を設定したりしましょう。ビジョンの策定は、組織全体が同じ方向を見つめ、一丸となって取り組むためにも必要なステップです。

3. 価値提供の再考

顧客へ提供する製品やサービスの改良がこのステップの目的で、既存の製品やサービスの改良が重要ポイントとなります。

項目 詳細
顧客ニーズ 顧客が求める価値の把握
改良策 既存の製品の改善点の洗い出し

顧客が求める価値に対応する製品やサービスの開発は、ビジネスの成長に直結します。

4. 顧客セグメンテーション

顧客層を細分化し、各セグメントに対応した戦略を構築することがこのステップの目的です。ターゲット顧客の明確化によって、効果的なマーケティング戦略が展開できます。

項目 詳細
顧客層の分析 顧客の属性やニーズの把握
戦略構築 各セグメントに対応したプランの作成

現在のリソースを最適に活用し、顧客へのアプローチを強化するために不可欠です。

5. 収益モデルの設計

収益モデルの設計には、売上の構造や利益の源泉の特定が必要となります。

項目 詳細
売上構造 主要な収益源の識別と分析
利益の源泉 継続的な収益を生み出す要素の特定

収益モデルの明確化は、企業の持続的な成長を支え、投資の方向性を決定する基盤となります。

6. リソースとパートナーシップの評価

リソースとパートナーシップの評価は、外部との連携を通じてビジネスの拡充と強化を図るためのステップです。

項目 詳細
内部リソースの評価 企業が持つ能力と弱点の分析
パートナーシップの構築 協力関係を築く企業や組織の選定と連携契約の締結

ビジネスモデル変更の成功に不可欠な外部との協調と、内部リソースの効果的な活用を促進します。

7. リスクと障害要因の分析

ビジネスモデル変更に伴うリスクと障害要因の分析は避けては通れないステップです。

  • マーケットリスク
  • 技術リスク
  • 実装リスク

などを綿密に検討し、それぞれの対処策を明確にします。丁寧な分析が、プロジェクトの進行をスムーズにし、未然に問題を回避する基盤を築くためにも必要です。

8. プロトタイピングとテスト

次に、プロトタイピングとテストの段階が重要です。作成するプロトタイプは、実際の製品やサービスのミニチュア版となります。

ユーザー体験を最大化するデザイン、機能、インタラクションをテストすることで、市場投入前の最終確認が可能です。

9. 組織変革

組織変革はビジネスモデルの変更を実現するためのカギとなります。

  • 部門間の連携強化
  • 意思決定プロセスの改善
  • 社員のスキルアップ

など、全体の効率化と成長を図ります。これによって、組織全体が一丸となって変革を推進する土壌を整備します。

10. 評価と最適化

最終段階の評価と最適化では、新しいビジネスモデルがどれだけ効果を発揮したのかを評価します。KPIの設定とモニタリングを通じて、進捗を把握し、必要に応じて調整を行います。

DXによるビジネスモデルの変更をするためのポイント

DXによるビジネスモデルの変更を実現するには、以下の3要素を網羅しなければなりません。

ビジネスモデルの成功事例を分析

DXによってビジネスモデルを変更するなら、過去の成功事例は必ず分析しましょう。

ビジネスモデルが成功を収めるには、時代や商流にビジネスモデルがマッチした理由が必ずあります。

過去の成功事例を分析しながら、ビジネスモデルのどういった点が優れていたのかをまとめることで、新しく生み出すビジネスモデルがより研ぎ澄まされます。

新たなビジネスモデルのアイデアを多く出す

DXでビジネスモデルを変更するなら、アイデアをたくさん出しましょう。

そもそも、DXはデジタル技術によって会社や事業の枠組みを変革し、より柔軟な業務フローを実現するための手段です。

一つの製品やサービスに固執するようでは、DXの良さを活かせません。

複数のビジネスモデルを検討することで、会社の基盤をより強化し、新しい事業展開の足がかりが掴めるのです。

自社に合ったビジネスモデルの選定

DXでビジネスモデルを作り変えるなら、自社に合うビジネスモデルについても見極める必要があります。

過去のビジネスモデル成功事例の分析でも分かるように、時代背景や商流といった前提条件があってビジネスモデルは成り立ちます。

どれだけ多くの成功を収めた事例であっても、今の時代や自社に合ったものでなければ意味がありません。

まとめ

DXによるビジネスモデルの変更は、企業とユーザーの双方に大きなメリットをもたらします。

何より、今までは当然のものとして受け入れてきた手間を省き、コスト削減が実現することは事業展開をよりスムーズにします。

新しいビジネスモデルを考えるには、過去の成功事例を分析し、より多くのビジネスモデルのアイデアを出し、自社との相性を見極めなければなりません。

こうしたDX推進を成功に導くためには、有能なDX人材を育成していく必要があります。

ディジタルグロースアカデミアには、こうしたDX人材を育成するノウハウがあります。

ビジネスモデルを刷新し、市場競争力を得るための人材育成を考えるなら人材育成を考えるなら、ぜひお気軽にご相談ください。

【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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