DX推進のためBPOを活用すべき?理由や委託できる業務例、サービスを選ぶ際のポイントを紹介
更新日:2023年5月1日

BPOをはじめとするアウトソーシングサービスは、業務の効率化やコスト削減につながるとともに、人材不足が深刻化する現代において、企業の存続にもつながる重要な手段となっています。
また、DX推進においても、BPOを活用することで、より効率的かつ効果的な業務運営を実現できるようになります。しかし、BPOには委託先の選定や業務内容の明確化、情報セキュリティの確保などの課題があるのも実情です。
本記事では、BPOサービスを活用したDX推進について解説します。また、確認しておくべきポイントやデメリットについても詳しく触れるため、ぜひ最後までご一読ください。
目次
BPOとは

BPO(Business Process Outsourcing)とは、ビジネスプロセスアウトソーシングの略称であり、企業が自社の業務を外部の専門業者に委託することを指します。
企業は自社の業務を外部への委託によって、自社のコアビジネスに集中し、業務の効率化やコスト削減などを実現できます。
また、BPO業者は専門的な知識や技術を持っており、高品質な業務を提供できるのも特徴の一つです。
ただし、後述しますが委託先の選定や業務内容の明確化、情報管理などに十分な注意が必要です。
BPOに委託できる業務例

BPOに委託できる業務の例は、以下が挙げられます。
- 書類管理
- 顧客対応(コールセンターなど)
- 経理業務
- 福利厚生の手続き
- データ入力
- マニュアル作成
- システムの開発、運用・保守
- 営業業務
- 人事・採用業務
- 人材育成
BPOは、企業が抱える業務の負荷を軽減し、効率的な業務運営を支援するために存在します。
そのため、企業が抱える業務の中で特に時間や人員を必要とするものや、専門的な知識が必要なものなどを委託できれば効率的に処理できます。
業務の効率化やコスト削減につながるため、BPOの活用は今後ますます重要になってくるでしょう。
BPOとアウトソーシングの違いとは

BPOとアウトソーシングは、企業が業務プロセスを外部に委託する手法ですが、その違いは業務プロセスの委託範囲にあります。
BPOは業務プロセス全体を一括して委託することを指し、アウトソーシングは特定の業務を外部に委託することを指します。つまり、BPOはより包括的であり、アウトソーシングはより限定的な範囲での委託です。
BPOでは業務プロセス全体を委託となるため、顧客サポートや販売、マーケティングなどの業務も含まれます。一方でアウトソーシングでは特定の業務の委託となり、Webサイトの制作やシステム開発などの限定された範囲となります。
BPOやアウトソーシングはどちらにもメリットがあることから、適切な方法を選択する必要があるでしょう。
なぜBPOの需要が高まっているのか

BPOの需要が高まっている理由は、人材不足が原因で経営の悪化が懸念される時代において、業務の効率化を図ることができるからです。
BPOによって企業は専門的な業務を外部に任せることができ、自社のコスト削減や業務の品質向上につなげられます。
また、自社のコア業務に集中できるため、より高い付加価値を生み出すことにも寄与するでしょう。加えて、BPOでは専門的な人材が対応するため、より高度で専門的な業務を遂行できます。
このようにBPOは、業務効率化に貢献するだけでなく、人材不足が深刻化する現代において、企業の存続にもつながる重要な手段となっています。
DXとBPOの関係性とは

DXとBPOは、どちらもビジネスプロセスのデジタル化における効率化で強い関連性を持ちます。なぜなら、DXの推進に必要なプロセスをBPOに委託することで、より効率的な業務運営を実現できるためです。
例えば、DX推進を加速させるために組織内で情報セキュリティやIT・デジタルなどのリテラシーを浸透させる必要がありますが、そのために専門的な人材を育成する必要があります。
ここでBPOを活用できれば、人材を社外に確保しつつ既存の業務プロセスを改善し、品質の向上やコスト削減などのメリットを得られます。また、業務プロセスの改善やIT化・デジタル化によって、DX推進に必要な基盤の整備も実現できるでしょう。
こうした関係性があることから、DXの推進を検討している企業においてはBPOが効率的に進めていくための選択肢となります。
DX推進にBPOを活用するメリット

DX推進にBPOを活用するメリットは、以下が挙げられます。
- 業務の効率化が見込める
- メイン業務に集中できる
- 人材不足の解消に繋がる
業務の効率化が見込める
BPOを活用することで、業務プロセスの改善が可能となり業務の効率化が見込めます。
なぜなら、委託先から業務プロセスの見直しや改善提案を受けられるためです。また、委託前には業務を洗い出して余計なプロセスを省くため、自然に業務が最適化されます。
加えて、委託先は最新の技術やノウハウを持っているため、業務プロセスをより最適化できることも期待できます。こうして業務の効率化や品質向上を実現できれば、競争力の強化にも繋げられるでしょう。
メインの業務に集中できる
DX推進にBPOを活用すると、企業はメインの業務に集中できます。業務を委託することで企業は非効率な業務を削減し、コスト削減を実現できることで社内のリソースを確保できるためです。
確保できたリソースをメインの業務へ集中できれば、業務効率の向上やコスト削減につながります。
DX推進においてBPOは、より効率的かつ効果的な業務運営を実現する一手となります。
人材不足の解消に繋がる
DX推進にBPOを活用するメリットとして、人材不足の解消に繋がる点も大きな魅力です。
BPOによって企業が抱える業務の一部を外部の専門業者に委託できれば、企業内の人員を必要な業務に専念させられるからです。また、業務を外部に委託することで新たな人材を必要としなくなり、採用や育成にかかるコストも削減できます。
特に人材不足が深刻な業界や地域では、人員の採用や育成に多大なコストがかかるため、BPOの活用は大きなメリットとなるでしょう。
DX推進にBPOを活用するデメリット

DX推進にBPOを活用するデメリットは、以下が代表例です。
- 情報漏洩の危険性がある
- 自社にノウハウが蓄積されにくい
情報漏洩の危険性がある
DX推進にBPOを活用することは、企業にとって多くのメリットがある一方で、情報漏洩の危険性があるというデメリットもあります。
委託によって担当する人員が、企業の機密情報にアクセスできるため、不正アクセスや情報漏洩のリスクが高まります。
このようなリスクを回避するためには、委託する前に委託先企業の情報管理体制やセキュリティ対策を十分に確認し、契約書には情報漏洩に関する条項を明確に盛り込むことが大切です。
自社にノウハウが蓄積されにくい
DX推進にBPOを活用することは、自社にノウハウが溜まりにくいというデメリットもあります。業務プロセスが外部に委託されるため、自社での業務改善や最適化の機会が減少します。
もし自社の従業員が委託した業務を行わなくなれば、その業務に関する知識や経験を蓄積しにくくなります。
そのため、BPOを活用する場合はコミュニケーションを密にし、業務プロセスやシステムに関する知識の共有によって自社へノウハウを蓄積できる体制づくりも検討しましょう。
BPOサービスを選ぶ際のポイント

BPOサービスを選ぶ際のポイントは、以下が挙げられます。
- 委託したい業務に対する専門性があるか
- セキュリティ対策は万全化
- 導入実績はどれくらいあるか
- 導入までにどれくらいの期間が必要か
委託したい業務に対する専門性があるか
BPOサービスを選ぶ際には、委託したい業務に対する専門性があるかどうかを確認することが重要です。
専門性があることで業務に必要な知識や経験が豊富であるため、トラブルが発生した場合にもスムーズに対応できることが挙げられます。
また、委託業務に関する最新の情報やトレンドを把握しているため、より効率的な業務遂行が可能となるのも要因の一つです。
BPOサービスを選ぶ際には、業務の品質や効率性の向上、より良い業務遂行を実現するためにも専門性を確認しましょう。
セキュリティ対策は万全か
また、データの暗号化やアクセス制限などのセキュリティ対策が万全であるかどうかを確認します。
加えて、社員のセキュリティ意識が高いか(説明や提案があるか)や、利用するシステムやソフトウェアにおいて最新のセキュリティ対策が行われているかを確認することで、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを低減できます。
BPOサービスを利用する際にはセキュリティ対策に十分な注意を払い、安心して利用できる状態を整えましょう。
導入実績はどれくらいあるか
BPOサービスで導入実績がどれくらいあるかを確認しておくと、その信頼性の高さや問題が起きた場合の対応は迅速であるかを判断できます。
また、そのサービスがどのような業種や業界でどういった使われ方をしているのか確認できます。自社と同じ業種や業界で使われている場合、カスタマイズやサポートが受けられる可能性も高くなるのも利点です。
導入実績がない場合でも、そのサービスが提供する機能やサポート体制を確認することで信頼性や適性を判断すると良いでしょう。自社に合ったサービスを選ぶためには、細部まで比較検討し、導入実績を含めた情報を収集することが大切です。
導入までにどれくらいの期間が必要か
BPOサービスを選ぶ際には、導入までにどれくらいの期間が必要かも確認しておきましょう。
システム構築やデータ移行などの作業や、社内の関係者との調整や契約手続きに時間がかかることを踏まえて、事前にスケジュールを立てられるようにするためです。
また、期間が長すぎると業務に支障がでたり、システム連携ができない場合は手動での入力作業が必要になり、労力がかかったりすることも考えられます。
導入までの期間を事前に把握しておくことでスムーズな導入が可能となり、業務の効率化につながるでしょう。
まとめ

BPOサービスを活用することで、DX推進に必要な業務をより効率的に進められます。また、DX人材の育成を外注することで、人材不足が深刻な業界においてもDXを進めることが可能です。
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