Columnコラム

RPA導入支援サービスとは?メリット・デメリットや導入に必要な費用、手順

更新日:2023年1月7日

近年、大企業や中堅企業のみならず中小企業においてもRPAの普及が進んでいます。

幅広い定型業務を自動化するRPAは、業務効率化を図ることが可能となり、人件費の大幅な削減にもつながります。

RPA導入にあたっては、ITリテラシー・知見のある人材が必要となるため、導入支援サービスを活用する企業も増えています。

本記事では、RPAの概要や導入手順、導入支援サービスなどについて詳しく紹介します。

自社でRPAを導入する場合に、支援サービスを利用するか、自社で人材確保・育成を行うか、しっかり検討しましょう。

RPAとは

RPAとは、Robotic Process Automationの略で、「ソフトウェア・ロボットによる業務の自動化」を進める取り組みのことを指しています。

従来、人が行っていたキーボード入力やクリック操作などによるデータ入力や情報チェックなどの定型・定常的な業務の効率化・自動化を実現するため、社員はより付加価値の高い業務に時間を割けます。

部門としては、人事・経理・営業などの事務処理全般において適しているでしょう。

なお、表計算ソフトやメールソフト、ブラウザなど、さまざまなアプリケーションを横断した処理が可能であるため、幅広い業務に対応するという特徴があります。

人の業務を代行するという意味で、仮想知的労働者(デジタルレイバー)とも呼ばれています。

RPA導入に必要な費用

RPA導入に必要な費用は、以下を参考にしてください。

初期費用 10万~50万円
月額費用(サブスクリプション) 1万~20万円/月
サポート費用 5万~10万円/月
保守費用 60万~150万円/月

他にも、研修費用、開発委託費用、ハードウエア費用など、幅広く必要となる可能性があります。

初期費用

RPA導入の初期費用は、10万~50万円ほどかかるとされています。

なかには、初期費用を無料で提供しているメーカーもあるため、予算に合わせて検討すると良いでしょう。

ツール導入の際の事務手続きや、操作方法の基本的な説明・オリエンテーション、環境設定などのサポートサービスなども初期費用に含まれているケースが多く見受けられます。

月額費用(サブスクリプション)

RPAは継続的に活用するツールで、サブスクリプション型でライセンスが提供されるため、買い切り型のサービスはなく月額費用がかかるのが一般的です。

メーカーやタイプによって費用は大きく幅があり、約1万~20万円とされています。

そのため、ツール導入における業務改善や効率化などの目標のみならず、費用面でも長期的目標の設定が必要です。

メーカーやツールによっては、年単位での契約となる場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

サポート・保守費用

RPAツールの導入において、エラーを自社内で復旧・改修できない場合に業者へ対応を依頼することになります。

そのためにかかるサポート費用としては月5万~10万円ほどです。

保守として、エラー対応に即時対応するエンジニア1人に常駐を依頼するような場合には、月60万~150万円ほどかかるケースもあります。

RPAを導入するための手順

RPAを導入するためには、以下の手順で進めることとなります。

  • 定型業務の整理・洗い出し
  • ツールの選択
  • 技術の習得
  • RPAシステムの設計・構築
  • 導入

定型業務の整理・洗い出し

RPA導入の前に、まず定型業務の整理・洗い出しを行います。

ルーティンワークや、人の知能なしにパソコンのみで完結する業務がどのようなものであるか見つけ出し、業務フローや作業フローを可視化します。

それぞれの業務の課題を見つけ、生産性向上のための効果の基準を設定した上で、どの業務へ優先的にRPAを導入していくかを決定していきます。

ツールの選択

RPAを導入する業務を決定したら、自社または部署にあわせて自動化に適したRPAツールを選択します。

使いやすさ、サポート面や費用など、複合的に特徴を比較し、候補をピックアップしていきましょう。

RPAツールには無料プランと有料プランがありますが、有料の場合でも期間限定で無料お試しプランが用意されているケースがほとんどです。

そのため、候補にあがったツールを操作テストすると良いでしょう。

実際の使い勝手や見積もりなどから、最終的に自社に適したツールを選択します。

技術の習得

RPAツールが決まれば、全社的に使いこなすために社員が技術を習得します。

メーカーやツールによっては、本格導入の前に操作方法の研修を実施している場合もあります。

最初に洗い出した定型業務からモデルケースを設定し、実際に運用することで自動化による業務時間の短縮や効率化につながるかを確認し、課題があればできるだけ早く解決しておきましょう。

RPAシステムの設計・構築

RPAを動かすためには、実行してもらう処理の流れを可視化する必要があります。

この際に作成するのがシナリオという作業手順のことです。

例えば請求書の作成を行うにも、Excelを開き、請求書フォーマットを開き、提出先名や件名の入力を行う、といったように、多くの手順が存在します。

請求書作成という一連の作業をステップごとに分けることで、RPAを動かすためのシナリオが完成します。

このようなシナリオ作成も、エンジニアに代行してもらうことが可能です。

導入

ツールを利用して効果があると判断できた場合には、本格導入となります。

社員の業務用パソコンへツールをインストールしたり、社内全体の説明会を行ったりして全社的に進めます。

RPA導入を支援してくれるサービスとは

RPAの導入支援とは、企業のRPA導入を支援してくれるサービスのことです。

RPAは、ツールを選んでインストールすれば誰でも継続して使える、というわけではありません。

導入したあとは、シナリオ作成から運用までを継続的に行い、対象業務を拡大してこそ業務の効率化や生産性の向上が期待できるでしょう。

RPAは、簡単なロボットであればプログラミングの知識がなくても導入・運用することが可能とされている一方で、ロボットを効率的に扱えず、想定通りに機能させることが困難となるケースもあります。

RPAを導入するには、業務分析からRPAに落とし込んだシナリオ作成が必要となりますが、そのサポートを不可欠とする企業や部署もあるでしょう。

なお、単にRPAが使えるだけでなく、RPAの導入・運用についての専門知識やスキルをもつ人材も育てる必要があります。

そのため、RPAツールを提供するだけでなく、RPAに特化した人材育成サポートが行われるメーカーや、コンサルなどの導入支援会社にサポートを依頼すると良いでしょう。

導入から運用まで、一貫した教育体制の整備から、RPAに特化した人材の実務経験により、企業のRPA導入を支援してもらえます。

なお、こうしたサポートの一部のみを利用することも可能です。

導入支援を依頼することのデメリットとしては費用がかかることですが、導入しても活用できずむしろ業務の効率化が図れないことの損失が大きい場合もあります。

長期的な視点でコスト目標を立て、支援サービスの利用を検討してください。

日本型RPA「WinActor®」

日本製RPA「WinActor®」は、以下のような特徴を持ちます。

  • Windows端末での操作が可能なあらゆるアプリケーションの自動化
  • 直感的に操作可能
  • 完全日本語対応のため、シナリオ作成が容易
  • パソコン1台から導入可能

かかる費用としては、導入支援の場合には15,000〜370,000円とサポート内容により幅広い金額設定があります。

WinActorを大規模で導入する場合には、年額248,000〜3,163,000円と、どのくらいのライセンスを取得するのか、どこまでの機能を利用するかによっても大きく異なります。

自社の予算や対象業務に合わせて、検討していきましょう。

RPAの導入事例

RPAの導入によってどのようなことができるか事例と一緒に紹介します。

データの分析

RPAを導入することで、データ分析の自動化が実現します。

国内最大規模のチケットプレイガイド・イープラスでは、RPAを導入したことによりチケット販売準備やマーケティングなどの業務を自動化しました。

顧客からチケットオーダーが入った際の一連の業務だけでなく、マーケティング分析を行うためのデータ収集業務にも利用されています。

全社で幅広い業務にRPAを適用しているため、2017年10月の導入から2年弱ほどで、200本ものロボットを稼働させ、年間約300万円の経費削減と業務時間の大幅軽減、月間663時間分の業務の自動化に成功しています。

日報・勤怠データの管理・集計

RPAの導入によって、日報・勤怠データ管理・集計などの定型業務もすべて自動化が可能となります。

例えば、営業部門にて扱われる顧客との商談に関する情報については、日報を入力するだけの業務になっていました。

しかし、RPAの活用により、顧客からの改善要望や不満などを自動で拾い出せるようになり、拾い出されたコメントをさらにお客様相談室に自動送付される仕組みを作った、という事例があります。

結果、日報の確認に時間をかけずに情報の見落としがなくなりました。

また人材派遣会社では、派遣社員の派遣先・勤怠データをシステムからExcelに出力・編集してから得意先へ提出していましたが、この一連の業務を自動化することに成功しています。

これによって、1日20時間もの残業削減が可能となりました。

まとめ

RPA導入支援を利用すれば、シナリオ作成から継続的な運用まで、スムーズに進められるでしょう。

ただし、自社で導入・運用する場合と比べてコストがかかるデメリットがあります。

可能であれば自社内でRPA導入に必要な人材を育成し、自社で継続的に運用できるとコスト削減につながります。

DX人材育成会社のデジタルグロースアカデミアでは、DXに関する研修や、いつ・どこにいても受講できるe-ラーニングの整備から企業別コンサルティングまで、幅広いサポートを提供しています。

RPAの導入によって事業を成功させるための人材育成をご希望であれば、ぜひデジタルグロースアカデミアにご相談ください。

【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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