社内研修で何をする?効果的な研修にするためのステップ、ポイントを紹介
更新日:2023年2月14日
社内研修の実施を検討する際、どのようなカリキュラムを組めば良いのか悩む企業も多いでしょう。
充実した社内研修を実施するためには、企業ごとに必要な内容を盛り込んだ上で、社員が積極的に学べるような構成を組み立てるのが大切です。
本記事では、社内研修の種類や必要性、カリキュラムの決め方などを解説しています。
有意義な社内研修を実施する際の参考にしてください。
社内研修の種類
社内研修の種類は、主に4つあります。
- 実務を通して学ぶ「OJT研修」
- 講義やグループワークを通して学ぶ「OFF-JT研修」
- 実際の現場を想定して学ぶ「ロールプレイング研修」
- 時間と場所を制限されない「eラーニング・オンライン研修」
実務を通して学ぶ「OJT研修」
OJTは「On the Job Training」の略称です。
そして、OJT研修は、実務のなかでスキルや知識を学ぶ方法です。
実務経験を積みながら必要なスキル・知識が学べるため、効率的に即戦力の人材育成ができます。
一方で、マンツーマンで教育するケースが多いため、現場の負担が大きくなる研修です。
また、教育担当者の指導スキルが求められます。
教育担当者に高い指導力と時間的な余裕がある場合に導入しやすい研修といえるでしょう。
講義やグループワークを通して学ぶ「OFF-JT研修」
OFF-JTとは「Off the Job Training」の略称です。
研修では、講義やグループワークでスキル・知識を学びます。
教育担当者一人で大人数を指導できるため、現場の負担が少ない研修です。
また、実務とは違い、受講者は知識やスキルについてじっくり丁寧に学べるでしょう。
参加者のスケジュール調整、会場の確保やコストが必要ですが、汎用的なスキルが身につきやすい研修を実施できます。
実際の現場を想定して学ぶ「ロールプレイング研修」
ロールプレイング研修は、現場や場面を想定して設定の役割を演じながら、疑似体験のなかでスキルを身につける方法です。
わかりやすく説明すると、飲食店で店員と客の役割を設定して、店内で発生するさまざまなシーンをシミュレーションするイメージです。
自らの対応を通して、傾向や課題を発見し、現場に出た際の改善を図れます。
現場での実践よりも緊張感が薄れるため、本番同様の場を作るというような準備を整えましょう。
時間と場所を制限されない「eラーニング・オンライン研修」
パソコンやスマホ・タブレットなどから受講できるのが、eラーニング・オンライン研修です。
社内研修で導入されるケースが多く、受講者が時間と場所に関係なく参加できるメリットがあります。
社員が別々の現場で働いている、勤務時間がバラバラである、などスケジュール調整が難しい企業でも導入しやすい研修といえます。
社内研修は無駄?行う目的・必要性
社内研修の目的は一言でいうと「人材育成」です。
研修を通して、企業や担当業務に必要なスキル・知識を学びます。あわせて、会社の方針やビジョンを共有して、社員の意識を統一するのも重要です。
社員が企業や自分の役割をしっかり理解し、必要なスキル・知識を習得すると、市場や顧客に対する会社の価値が高まり、業績アップにつながります。
社内研修を実施すると、受講者は能力向上による昇進や報酬アップが期待でき、企業は会社の成長が望めます。
また、通常業務と離れて社員間でコミュニケーションが取れる場にもなり、社内連携の強化になる側面もあるでしょう。
そのため、有意義な内容と受講者が能動的に参加できる研修を実施できれば、会社と社員の両者にとって必要性の高い価値を提供できます。
社内研修で何をする?研修内容を決めるためステップ
社内研修で実施する内容を決める際には、下記のステップを踏んでいくと良いでしょう。
- 課題を洗い出す
- 目標を設定する
- 取り上げるべき内容を洗い出す
- 講師を選定する
- 大まかな流れを決める
- 具体的なスケジュールを立てる
- 行動に移せるような内容になっているか確認する
1. 課題を洗い出す
まずは、組織として目標とする姿や社員像を明確にした上で、現場との差(課題)を洗い出します。
主に、下記の方法で課題を整理すると良いでしょう。
- 中長期の経営計画・事業方針と現状の差を確認する
- 受講者や上司にヒアリングを実施して現場に点在する問題を確認する
企業と現場でそれぞれどのような課題があるのかを把握します。
2. 目標を設定する
浮上した課題に優先度をつけ、社内研修の目標を設定します。
充実した研修とするために、効果が実感できる目標にしてください。
「部下への指導力を高める」というような抽象的な目標では、何をもって達成されたのかが不明瞭です。
「研修後に〇〇ができるようになっている」というわかりやすい結果が出るようなゴールを設定しましょう。
3. 取り上げるべき内容を洗い出す
具体的に、社内研修でどのような内容を取り上げるのか洗い出しをします。
浮上した課題や設定した目標などを踏まえて、下記のような手段で内容を絞りましょう。
- アンケートを実施する
- 他社を参考にする
- 課題に優先順位をつける
研修時間には限りがあるため、受講者にとって必要な内容であるかを検討してください。
4. 講師を選定する
受講者の選定は、研修を成功させる上で重要なカギといえます。
下記のポイントを参考にして、研修に適した講師を選びましょう。
- 受講者に寄り添い共感できる講師
- 受講者の年齢や立場・仕事内容などと相性が良い講師
- 受講者を飽きさせない工夫ができる講師
仕事で成功している人が有意義な研修をできるとは限りません。
研修に必要なのは高い講師力で、受講者にとって満足度の高いカリキュラムを実施できる講師が適任です。
5. 大まかな流れを決める
続いて、研修の大まかな流れを決めましょう。
たとえば、問題解決を目的とした研修の場合、下記のようなパターンがあります。
- 問題を発見・認識させる
- 解決方法を学習し目標設定させる
- 行動計画を策定させる
- 行動計画を実施する
手順のように構成すると、受講者の理解が促進されやすいです。
工程が重要である場合、スキル・知識の習得に有効な流れになるため、一例として覚えておくと良いでしょう。
6. 具体的なスケジュールを立てる
大まかな流れが決まったら、具体的なスケジュールを立てます。
手順ごとにどのような時間配分をするのか、決めていきましょう。
講義から演習までを一つのカリキュラムと考えて、60~90分程度の構成が望ましいです。
長時間の研修になる場合は、休憩をはさんで受講者の集中力が切れないように注意してください。
7. 行動に移せるような内容になっているか確認する
研修内容が、受講者にとって実際の業務で行動に移せるものになっているか確認しましょう。
社内研修の大きな目的である「人材育成」を達成するためには、カリキュラム内で設定した課題や目標が頑張り次第でクリアできるものでなくてはいけません。
演習やロールプレイングを取り入れ、研修内で成功体験ができると「実践にも活かせそうだ」と受講者にとって現場で行動しやすくなります。
面白い社内研修にするには?
社内研修は、必要なスキル・知識が網羅されているだけでは有意義なものになりません。
場が盛り上がるようにカリキュラムを構成し、受講者が楽しみながら積極的に学べるような研修にしましょう。
楽しく受講しながらしっかり学びを得られるのが重要です。
面白い社内研修を実施するためのポイントを紹介していきます。
ゲーム形式にする
ゲーム的要素が入っている研修は、受講者が楽しみながら取り組みやすいです。
企業のなかには、「ビジネスマナーの動画から間違いを探す」「無人島で受講者と協力しながら数泊する」などの研修を実施したところもあります。
他にも、ボードゲームやオンラインゲームなどは気軽に取り入れやすいため、おすすめです。
受講者と話し合う、協力するなどのなかから、気付きや経験を得られるゲームの導入を検討すると良いでしょう。
参加型にする
座学で講師の話を聞くだけの研修は、集中力が薄れて内容が入ってこない可能性もあります。
そのため、上記でも紹介したような参加型の研修を導入して、飽きない工夫をしましょう。
- 電話対応や営業訓練などの模擬体験ができる「ロールプレイング」
- 共同作業のなかでコミュニケーション能力を養う「グループワーク」
- 実務を通じて必要なスキル・知識を習得する「OJT」
受講者が能動的に学習できるように、参加型のカリキュラムで退屈にならない研修にします。
外部の専門家に依頼する
面白く充実した社内研修を実施したい場合には、外部に依頼するのもおすすめです。
多くの研修実績がある専門業者に依頼すると、失敗のリスクを回避できます。
「ゲーム形式にしたい」「参加型が良い」などの要望を伝えれば、希望に沿った質の高い研修を実施できるでしょう。
社内研修に取り入れるべき内容
企業ごとに必要な内容の他に、これからの社内研修で取り入れるべきものはDXの知識です。
デジタル化やDX推進が進んでいる背景から、社員全員が関連知識を身につける必要があります。
下記のように、DX推進は企業と従業員の両者にとって重要です。
- ビジネス環境の変化に対応して企業を成長させるため
- 従業員の生産性や作業効率を向上して働きやすい環境を作るため
社内研修でDXの理解を深め、デジタル化の流れにあわせて柔軟に導入できる環境を整えるのが望ましいといえます。
まとめ
社内研修は人材育成を通じて企業の業績アップにもつながる重要な機会です。
企業と従業員の両者にとって満足度の高い研修が実施できるように、記事を参考にしながら構成を検討してください。
そして、より効率的で質の高い研修をしたい場合には、専門家に委託するのがおすすめです。
ディジタルグロースアカデミアが提供する研修では、演習やグループワークを大切にして、受講者に新たな気付きを提供します。
「研修のノウハウがない」「学びの多い研修を実施したい」という場合には、ぜひディジタルグロースアカデミアにご相談ください。
【監修】
日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ
2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。
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