Columnコラム

新入社員研修は何をする?内容やカリキュラムの設計方法、面白い研修の事例を紹介

更新日:2023年2月14日

新入社員研修は、新しく会社の仲間となる新入社員が企業理念や事業内容への理解を深める目的があります。

また、基本的なビジネスマナーや社内のコミュニケーションスキルなどを習得する機会でもあります。

研修の必要性は理解していても、実際にどのような内容を実施すれば良いのかわからない企業も多いかもしれません。

本記事では、新入社員研修で実施されている主なプログラムの紹介をはじめ、カリキュラムの組み立て方、実施する際のポイントなどを解説しています。

今後の新入社員研修に向けて、本記事を参考にしてみてください。

新入社員研修は何をする?よくあるプログラム

一般的な新入社員研修で構成されているプログラムを紹介します。

業界によって違いがあるため、一例として参考にしてください。

  • 会社理念、事業内容
  • コンプライアンスやビジネスマナー
  • 社会人として基本的な考え方
  • 社内でのコミュニケーション
  • 事例を題材にしたケーススタディ
  • ITリテラシー教育
  • レクリエーション
  • 業務で必要な専門知識

会社理念、事業内容

会社のHPや外部からの情報だけでは知りえない会社理念や事業内容など、実務を遂行するために必要な情報を伝えましょう。

また、社内ルールについても周知し、新入社員が円滑なコミュニケーションを取れるようにします。

コンプライアンスやビジネスマナー

社会人に重要なコンプライアンスやビジネスマナーについて指導します。

ビジネスマナーは、社会人として恥をかかないようにするためと、自社の一員として外部に好印象を持ってもらうために大切です。

そして、コンプライアンスの教育を怠ると、会社の信頼を失う可能性があるため、特に入念に指導しましょう。

社会人として基本的な考え方

新入社員のなかには、初めて社会人をスタートさせる人も多いです。

そのため、社会人の基本的な考え方をレクチャーして、学生気分からシフトできるようにサポートしましょう。

社会人として大切な行動・言動、仕事への向き合い方などを伝えます。

社内でのコミュニケーション

入社当初はわからないことだらけです。

そのため、困ったときや不明点があったら、すぐに上司や同僚へ相談できるように、社内で円滑なコミュニケーションが取れるように指導しましょう。

特に、業務の上で大切な「ほう・れん・そう」(報告・連絡・相談)の大切さを伝えてください。

事例を題材にしたケーススタディ

業務上で起こり得る具体的な事例を紹介して、課題や解決策を解説します。

まだ業務にほとんど携わっていない新入社員がイメージしやすいように、状況・行動・結果に絞ってわかりやすいケーススタディを作成してください。

ITリテラシー教育

社会人として必須ともいえるITリテラシーをレクチャーします。

WordやExcelなどのOAスキルをはじめ、ネットワークについてや情報漏洩・コンピューターウイルスによる情報セキュリティ事故の事例なども紹介すると良いでしょう。

企業のデジタル化・DX推進が進む背景で、業界に関係なくITリテラシーが求められているため、自社の成長のために必要な内容です。

レクリエーション

適度なレクリエーション要素は、新入社員の緊張をほぐすのに有効です。

ブレイクタイムとして研修の合間に構成すると良いでしょう。

レクリエーションは、新入社員間の貴重なコミュニケーションになる他、やる気と団結力を高める効果もあります。

業務で必要な専門知識

基本的な業務以外にも、専門的なスキル・知識が必要な場合にはレクチャーします。

配属先ごとに必要な専門知識は異なるため、職種別研修を設けて個々にフォローアップできる環境を整えましょう。

新入社員研修カリキュラムの設計方法

新入社員研修のカリキュラムは、下記の方法で設計しましょう。

  • 新入社員にこれから求める能力を明確にする
  • 5W1Hの型で考える
  • 教育手法を選定する

新入社員にこれから求める能力を明確にする

新入社員に対して、どのような成長を求めるのか明確にします。

新入社員が配属される部署や現場にヒアリングして、身につけてほしいスキルを洗い出すと良いでしょう。

そして、期間を定めて「いつまでに〇〇ができるようになる」といった具体的な目標・合格基準を設定します。

研修は、設定した目標をクリアできるようなカリキュラムを組んでいきます。

5W1Hの型で考える

研修の場面で、受講者にわかりやすく説明する際に「5W1H」のフレームワークが重要です。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(だれが)
  • What(なにを)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)

「5W1H」に沿ってカリキュラムを設計すると、順序立てた説明ができ、受講者の理解が円滑に進みます。

教育手法を選定する

新入社員研修に適している手法は、主に下記の5つあります。

手法 特徴
OJT
  • 実務を通してスキル・知識を習得する手法
  • 研修のなかでインプットとアウトプットが反復できるためスキル・知識を習得しやすい
OFF-JT
  • 業務から離れて実施する研修
  • 基本的なビジネスマナーやOAスキル習得を目的とした研修で導入する手法
グループワーク
  • 受講者をグループ分けして課題に取り組む手法
  • チームワーク・ロジカルシンキング(論理的思考)・課題解決能力が養われる
ロールプレイング
  • 営業役・顧客役などの配役をして現場を疑似体験しながら実践的に学ぶ手法
  • 電話応対・名刺交換などのスキル習得に向いている手法
ケーススタディ
  • 実際の現場で起こり得るトラブルへの対処法や解決策を考える手法
  • ロールプレイングと並行で実施されるケースが多い

業種や新入社員の配属先で必要なスキルに合わせて、適切な手法を選んでください。

新入社員研修を行う上でのポイント

有益な新入社員研修を実施するために、下記のポイントを押さえた構成を心がけましょう。

研修を行う目的を明確にする

研修の目的を明確にしてください。

たとえば、新入社員研修として実施される内容は、下記のようなものがあります。

  • 企業理念・経営方針に関する研修
  • 業務に必要な知識・スキルを習得する研修
  • ビジネスマナーやコンプライアンスを学ぶ研修

目的を洗い出して、必要なスキルや知識をレクチャーできる研修にしてください。

参加型にしてアウトプットさせる

参加型のカリキュラムを用意して、レクチャーしたスキルや知識をアウトプットできる機会を作りましょう。

インプットだけでは、受講者が本当に理解できているのか確認できません。

そのため、参加型のカリキュラムを加えて、受講者がスキル・知識を披露できる研修にします。

先輩と関わる場を作る

先輩とコミュニケーションが取れる場を作ってください。

現場で円滑に業務を進めるために、先輩とのコミュニケーションは重要です。

研修で交流を深め、話しかけやすい雰囲気を作ると、困ったことや不明点があった際にすぐ報告しやすくなります。

内容を詰め込みすぎないようにする

新入社員に伝えたい内容や習得してほしいスキル・知識は多くあるかもしれません。

しかし、内容を詰め込み過ぎると、一つ一つの理解が深まらない可能性があります。

一般的に、研修は60~90分程度が目安とされています。

時間内に、主な目的が達成できるカリキュラム構成を作り、他にも必要な研修がある場合には、別の機会を設けるようにしましょう。

質問をしやすい環境を作る

研修中は質問しやすい環境を作りましょう。

新入社員でまだ企業に馴染めていないなかで、積極的に質問できない人も多いです。

そのため、質問を受け付ける時間を設けて、受講者が研修内容を理解できているか確認する機会を作ってください。

面白い新入社員研修の事例

新入社員が前向きに研修を受けてくれるような、面白い内容にするのは大変重要です。

「社員同士の絆を深める」「業務内容を理解してもらう」など、重きを置いた目的に合わせて、面白い研修を実施しましょう。

具体的に、企業で実施された研修の事例を紹介します。

お寺で行う研修

計測器メーカーの日置電機では、お寺で2泊3日の研修を実施しました。

静かな空間のお寺で座禅や正座の読経を体験し、自分自身を見つめ直してもらう、忍耐力を身につけてもらうという目的があります。

また、同期と寝食を共にして、絆を深める目的として実施されました。

登山をする研修

大手総合商社の伊藤忠商事が実施したのは、登山による研修です。

1チーム7人で寝食を共にしながら標高1,900mの那須岳に登って、仲間と協力する重要性を学ぶプログラムにしました。

チームプレイを学ぶとともに、持久力や筋力・精神力も鍛えられる内容です。

即興劇を行う研修

他にも、漫才や即興劇を取り入れる企業もあります。

2~3人のチームで漫才や劇を作り披露する研修は、綿密な打ち合わせが必要な分、受講者同士の距離がグッと近くなります。

レクリエーション要素も高いため、楽しみながら参加できる研修といえるでしょう。

まとめ

新入社員研修は、社会人として必要なスキルや知識を指導し、社内でコミュニケーションを取りやすい環境を整えるために大切なプログラムです。

充実した研修を実施できると、新入社員は安心して業務をスタートできるでしょう。

企業は、人材育成の観点から「どのように育ってほしいか」を明確にして、研修内容を考えてください。

目的に合わせた効果的な研修を実施したい場合には、専門家に委託するのがおすすめです。

ディジタルグロースアカデミアでは、今後どの企業にも必要になってくるDX人材を育成するための研修やIT知識を学べる研修を提供しています。より質の高い人材を育成したいということであれば、お気軽にご相談ください。

【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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