Columnコラム

デジタル人材になるには?育成を成功に導くためのポイントも紹介

更新日:2023年6月6日

企業をより大きくしていくためにも、デジタル人材が必要です。しかし、2030年には約79万人のデジタル人材が不足すると予測されており、採用だけに頼らず育成にも動きだすことが急務となっています。

この記事では、デジタル人材とは何か、不足している背景や必要性、必要なスキルから育成方法まで詳しく解説します。新たなビジネスモデルの創出や業務プロセスの改善など、より成長できる企業になるためにもぜひ参考にしてください。

デジタル人材とは?IT人材との違い

IT人材とデジタル人材はどちらも、デジタル技術に携わる人材です。しかし、その役割やスキルは異なります。

項目 IT人材 デジタル人材
役割 デジタル技術の開発・運用 デジタル技術を活用してビジネスに新たな価値を生み出す
スキル デジタル技術の専門知識 デジタル技術の活用方法を理解する

IT人材は、デジタル技術を開発・運用する役割を、デジタル人材は、デジタル技術を活用してビジネスに新たな価値を生み出す役割を担っています。

デジタル化が進む中、デジタル人材は、企業のビジネスを変革し、新たな価値を生み出せる人材として需要が高まっています。

デジタル人材が不足しているため育成が必要

経済産業省の調査によると、2030年には約79万人のデジタル人材が不足すると予測されています。これは、デジタル技術の進歩に伴い、企業がデジタル人材を求める一方で、デジタル人材の供給が追いついていないことが原因です。

デジタル人材の不足を解消するためには、デジタル人材の育成が必要です。デジタル人材の育成には、大学や専門学校での教育の充実、企業でのOJTの強化、民間企業と教育機関の連携など、さまざまな施策が必要です。

デジタル人材の育成は、企業の競争力強化や社会のデジタル化に欠かせないと言えるでしょう。

参考:参考資料 (IT人材育成の状況等について)

デジタル人材に必要なスキル

デジタル人材に必要なスキルは、大きく分けて「ソフトスキル」と「ハードスキル」の2つに分類できます。ここからは、下記の2つにわけてそれぞれ解説します。

  • 仕事をこなす上でベースとなるソフトスキル
  • 個人の経験を通して得るハードスキル

仕事をこなす上でベースとなるソフトスキル

仕事をこなす上でベースとなるソフトスキルには、以下のようなものがあります。これらのスキルは、デジタル人材に限らず、あらゆる職種で必要とされるスキルです。

  • コミュニケーション能力
  • 課題解決能力
  • 論理的思考力
  • 問題発見力
  • リーダーシップ
  • チームワーク
  • 柔軟性
  • 向上心
  • 主体性

ソフトスキルとは、コミュニケーション能力、課題解決能力、リーダーシップなどの、仕事をこなす上でベースとなるビジネススキルです。

個人の経験を通して得るハードスキル

個人の経験を通して得るハードスキルには、以下のようなものがあります。

  • プログラミング
  • データサイエンス
  • クラウドコンピューティング
  • 人工知能
  • 機械学習
  • データ分析
  • セキュリティ
  • システム運用
  • ネットワーク
  • インフラストラクチャ

ハードスキルとは、プログラミングやデータ分析などの、デジタル技術に関するスキルです。デジタル人材は、これらのハードスキルを身に付けることで、デジタル技術を活用してビジネスに新たな価値を生み出せます。

デジタル人材に必要なスキルは、デジタル技術の進歩とともに変化しています。常に新しいスキルを学び、時代の変化に対応していくことが重要です。

デジタル人材になるには?

デジタル人材になるには、先述したソフト・ハードスキルを身につける必要があります。書籍や研修、スクールやインターンなど多くの選択肢から、自らにあった方法で学ぶと良いでしょう。

一方で、企業においてはデジタル人材の不足を解消するため、「自社で育成を行う」必要があります。多くの企業が優秀な人材の採用に動いており、採用だけでは確保が難しいためです。

自社でデジタル人材を確保するためにも、以下のステップで人材の育成を進めましょう。

  1. 育成を行う目的を明確にする
  2. 必要なスキルを洗い出す
  3. 最適なコンテンツを準備する
  4. 実務経験を積む
  5. 学習環境を整える

ここからは、それぞれどのように進めるべきか詳しく解説します。

1. 育成を行う目的を明確にする

デジタル人材を育成する目的は、企業によって異なります。

  1. 新しいビジネスモデルを創出するため
  2. 既存のビジネスを効率化するため
  3. 顧客体験を向上させるため

などが挙げられます。こうした育成の目的を明確にすることで方向性が定まり、効果的な育成計画を立てられます。

2. 必要なスキルを洗い出す

目的を明確にしたら、必要なスキルを洗い出します。

デジタル人材の種類 必要なスキル
データサイエンティスト データ分析、プログラミング、統計学
プログラマー プログラミング言語、アルゴリズム、データ構造
システムエンジニア システム設計、システム開発、システム運用
セキュリティエンジニア セキュリティ対策、リスク分析、インシデント対応
データアナリスト データ分析、統計学、ビジネス知識
マーケター データ分析、マーケティング戦略、コミュニケーション能力
営業 データ分析、営業戦略、コミュニケーション能力
カスタマーサービス コミュニケーション能力、問題解決能力、データ分析能力

例えば、企業がデジタル技術を活用して新規事業を創出することを戦略としている場合、データサイエンスやプログラミングなどのスキルが必要になります。

また、プログラミングに対応できる人材が少ない場合は、プログラミングのスキルを身につけるための研修や教育が求められるでしょう。

3. 最適なコンテンツを準備する

育成計画を立てたら、最適なコンテンツを準備します。例えば、以下のようなものが挙げられます。

コンテンツ 向いている目的
書籍 基礎的な知識を学ぶ
セミナー 最新動向を学ぶ
研修 実践的なスキルを身につける
オンライン学習サービス 時間や場所を選ばずに学ぶ
インターン 実務経験を積む
ジョブローテーション さまざまな職種を経験する
プロジェクトへの参加 チームで課題解決する
社内勉強会 最新情報を共有する

デジタル人材は、さまざまなスキルを身につける必要があります。最適なコンテンツを準備するためには、多様なコンテンツを用意しましょう。

外部のサービスを利用するのがおすすめ

自社でコンテンツを用意する場合は、時間と労力がかかります。また、コンテンツの最新化も大変です。外部のサービスを利用することで、これらの課題を解決できます。

  • 必要なコンテンツを効率的に用意できる
  • デジタル技術の最新動向を反映したコンテンツを利用できる
  • 多様なコンテンツを利用できる
  • コストを抑えられる
  • ノウハウを外部から取り入れられる
  • プロからの指導を受けられる

外部のサービスを利用することで、デジタル人材の育成に必要なコンテンツを効率的に用意できるため、検討すると良いでしょう。

4. 実務経験を積む

デジタル人材は、理論だけを学んでも、十分な能力を身につけられません。実務経験を積むことで、理論を応用し、実践的な能力を身につけられます。

  • インターン
  • ジョブローテーション
  • プロジェクトへの参加
  • 社内勉強会

そのほかにも、実務経験を積む方法はOJTやハッカソンなど、さまざまなものがあります。

5. 学習環境を整える

デジタル技術は日々進化していることを受け、常に新しい知識を学び、時代の変化に対応していく必要があります。

そのためには、以下のような学習環境を整えることが重要です。

  • 書籍や資料を用意する
  • 資格取得を推奨する
  • セミナーや研修を開催する
  • オンライン学習サービスを導入する
  • インセンティブ制度を設ける

学習環境を整えることは、デジタル人材が自発的に学習する習慣を身につけるきっかけにもなり、企業の成長促進にも繋がるでしょう。

デジタル人材育成を成功に導くためのポイント

デジタル人材育成を成功に導くためのポイントは、以下が挙げられます。

  • ロードマップを書く
  • 小規模なプロジェクトから経験させる
  • 最新情報を得られる環境を整える
  • モチベーションを維持する

ロードマップを書く

デジタル人材育成には、時間と労力がかかります。そのため、事前にロードマップを作成し、育成計画を立てることが重要です。

ロードマップには、育成目標、必要なスキル、研修の計画、評価方法などを具体的に記載します。これにより、育成の進捗状況を可視化し、効果的な育成を実現できます。

小規模なプロジェクトから経験させる

デジタル人材育成では、座学だけでなく、実践的な経験を積ませることも重要です。小規模なプロジェクトから経験を積ませることは、アジャイル開発の手法に似ています。

アジャイル開発は、ソフトウェア開発におけるプロジェクト管理手法の1つで、小さな単位でプロジェクトを進めていくのが特徴です。これにより、変更や不測の事態にも柔軟に対応できます。

小規模なプロジェクトであれば、失敗しても大きなリスクはありません。また、短い期間でプロジェクトを完了することで、達成感を得られます。

これにより、モチベーションを維持し、デジタルスキルを習得できます。

最新情報を得られる環境を整える

デジタル技術は日々進化しており、常に新しいスキルを習得することが求められます。そのため、デジタル人材育成では、最新情報を得られる環境を整えることが重要です。

具体的には、社内研修や外部研修の実施、最新の書籍や資料の提供、社内勉強会の開催などが挙げられるでしょう。

モチベーションを維持する

デジタル人材育成は、長期的な取り組みであるため、モチベーションを維持することが重要です。

モチベーションを維持する方法 効果
個人の目標やキャリアプランを明確にする モチベーションを維持し、努力を続けられる
定期的に評価を行う モチベーションを維持し、目標達成に向けて努力を続けられる
成功体験を積ませる 自信を獲得し、モチベーションを維持できる

モチベーションを維持することで、生産性の向上、キャリアアップの実現、充実した人生の実現など、さまざまなメリットを得られるでしょう。

まとめ

デジタル技術の進歩に伴い、デジタル人材に求められるスキルも変化し、企業においても育成することが求められています。そのためには、ロードマップを作成して、具体的な育成計画を立てることが重要です。

デジタル人材の育成は、DXを成功に導くために必要不可欠なものです。デジタルグロースアカデミアでは、全ての企業人・自治体職員を対象にしたデジタル人材育成サービスを提供しています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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