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Copilotエージェント活用事例5選!業務自動化の仕組みと作り方を解説

更新日:2026年2月9日

「Microsoft 365 Copilotを導入してみたものの、チャットで質問するだけでは限界がある」「もっと業務フローそのものを自動化できないか」といったお悩みをお持ちではないでしょうか。生成AIは急速に進化しており、対話型アシスタントから、人の代わりに自律的に作業を行う「エージェント」へと役割を変えつつあります。
この記事では、Copilotエージェントを活用して業務変革に成功した具体的な事例と、自社でエージェントを構築するためのステップを解説します。

目次

    Copilotエージェントとは?

    Copilotエージェントという言葉を耳にする機会が増えましたが、具体的に従来のCopilotと何が違うのか、まずはその定義と特徴を整理します。一言で言えば、人間が逐一指示を出さなくても、設定されたゴールに向かって自律的に判断し行動するのがエージェントです。これまでのAI活用が「副操縦士(Copilot)への相談」だったとすれば、エージェント活用は「特定の業務を任せられる専任スタッフの採用」に近い感覚と言えるでしょう。

    従来型AIとの決定的な違い

    従来のチャットボットやCopilot(チャット機能)は、ユーザーが質問したことに対して回答を生成するのが主な役割でした。ユーザー側で「まずこれを調べて」「次にこの文章を要約して」「最後にメールの下書きを作って」と、ステップごとに指示を出す必要があったのです。これに対しCopilotエージェントは、ユーザーがあらかじめ「この業務を完了させる」という目的を与えておけば、必要な情報の検索、状況の判断、他ツールへの入力といった一連のプロセスを自動で遂行します。待ちの姿勢ではなく、自ら動き回ってタスクをこなす点が最大の相違点です。

    自律的に実行できるタスク範囲

    Copilotエージェントが担当できる領域は、単なるテキスト生成にとどまりません。例えば、SharePointやOneDrive上の社内規定データを読み込んで適切な回答を探し出すことから、CRM(顧客管理システム)にアクセスして最新の顧客情報を取得し、それに基づいて提案書の下書きを作成し、さらにTeamsで担当者に承認依頼を送るといった、複数のアプリケーションを横断する複雑なワークフローまでカバーします。Microsoft 365環境内にあるデータやツールであれば、人間がPC画面を操作して行っていた作業の多くを代替できる可能性を秘めています。

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    Copilotエージェントが活用されるシーン

    次に、具体的にどのような業務シーンでエージェントが活躍するのかを見ていきましょう。多くの企業で共通して抱えている「手間はかかるが創造的ではない業務」こそ、エージェントの導入効果が最も発揮される領域です。ここでは代表的な3つの活用パターンを紹介します。

    業務シーン 対象部門・
    担当者
    従来の課題
    (Before)
    エージェントの
    活用内容(After)
    期待される効果
    社内問い合わせ対応の自動化 総務、人事、IT部門
    • 毎日似たような質問への対応に時間を奪われる
    • 回答待ちの時間が発生する
    • 社内規定やマニュアルを参照し、24時間365日即座に回答
    • 個人の状況(残有給日数など)に合わせた具体的な案内
    • 担当者の負担大幅減
    • 社員へのレスポンス向上
    営業資料作成とデータ分析 営業担当者
    • 分散した情報(取引履歴、メール、カタログ)の収集・整理に手間がかかる
    • 資料作成自体に時間を取られる
    • CRMデータと製品情報を統合
    • 顧客課題に合わせた提案スライドのドラフトを自動生成
    • 資料作成時間の短縮
    • 顧客との対話や関係構築への集中
    採用面接の日程調整と管理 採用担当者
    • 候補者や面接官との日程調整が煩雑
    • 会議室予約や連絡ミスが起きやすい
    • メールから希望日時を抽出
    • 社内メンバーの空き状況と照合し最適日時を提案
    • Outlook予定表登録と招待メール送信を自動化
    • 調整業務の効率化
    • 人為的ミスの防止

    社内問い合わせ対応の自動化

    総務や人事、IT部門には、毎日似たような質問が社員から寄せられます。「経費精算の締め切りはいつか」「PCのパスワードを忘れた」「有給休暇の申請方法は」といった問い合わせ対応は、回答工数が多くかかります。ここに特定の社内規定やマニュアルだけを参照する専用のCopilotエージェントを配置することで、24時間365日、即座に正確な回答を提供できるようになります。単にマニュアルのURLを案内するだけでなく、「あなたの残有給日数は〇〇日なので、この申請フォームを使ってください」といった個別具体的な案内まで自動化できる点が強みです。

    営業資料作成とデータ分析

    営業担当者が顧客訪問前に行う準備作業も、エージェントが得意とする分野です。これまでは、過去の取引履歴、直近のメールのやり取り、最新の商品カタログなどをそれぞれの場所から探し出し、頭の中で整理して提案書を作っていました。営業支援用のCopilotエージェントを作成すれば、「A社への提案資料を準備して」と指示するだけで、CRMのデータと製品情報を統合し、その顧客の課題に合わせた提案スライドのドラフトを自動生成させることができます。これにより、営業担当者は資料作りではなく、顧客との対話や関係構築に集中できるようになります。

    参考

    採用面接の日程調整と管理

    採用担当者にとって、多数の候補者との日程調整は煩雑なタスクです。候補者からのメールを確認し、面接官の空きスケジュールをOutlookで探し、会議室を予約し、確定メールを送るといった一連の作業はミスも起きやすいものです。採用調整エージェントを導入すれば、候補者とのメールのやり取りから希望日時を抽出し、社内の面接官の空き状況と照らし合わせて最適な日時を提案、合意が取れれば自動でOutlook予定表への登録と招待メールの送信まで完了させることが可能です。

    参考

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    Copiltを使った業務自動化の成功事例

    実際に企業がどのようにCopilotやエージェント機能を活用し、成果を上げているのかを確認しましょう。先行して導入を進めている企業では、具体的な業務課題に対してテクノロジーを適用し、定量的な効果を出し始めています。ここでは国内の主要な事例を紹介します。

    社内相談AIで検索時間を削減

    株式会社ベネッセホールディングスでは、社内のイントラネット上に散在する情報を効率的に検索・活用するために、「社内相談AI」を自社開発しました。これはMicrosoft Copilot Studio(旧 Power Virtual Agents等)を活用して構築されたもので、セキュリティが担保された環境で社内データに基づいた回答を生成します。社員が疑問を持った際に、担当部署へ電話やメールで問い合わせる前にこのAIに相談することで、情報に辿り着くまでの時間を大幅に短縮しました。結果として、問い合わせを受ける側のバックオフィス部門の負担軽減と、質問する側の待機時間解消の双方を実現しています。

    契約書チェック業務の効率化

    日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)では、Microsoft 365 Copilotを全社的に導入し、様々な業務での活用検証を行っています。その中でも特に効果が高かったのが、法務部門における契約書チェック業務です。取引先から送られてきた契約書ドラフトに対して、自社の法務ガイドラインや過去の類似契約と照らし合わせ、リスクのある条項や修正すべき文言をAIが指摘します。人間が全てを目視で確認する場合に比べ、一次チェックの時間を約66%削減できたという成果が報告されており、専門性が高い業務でもエージェントが強力なアシスタントになることを証明しています。

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    Copilotエージェントを作成する手順は?

    自社でも独自のCopilotエージェントを作ってみたいと考えた場合、どのような手順で進めればよいのでしょうか。現在はプログラミングの専門知識がなくても、「Copilot Studio」というツールを使うことで、直感的にエージェントを作成・公開することが可能です。ここではその基本的な流れを解説します。

    Copilot Studioの準備

    まず、Microsoft Copilot Studio(Webブラウザ版またはTeamsアプリ版)にアクセスします。ここがエージェントを作成するための作業場となります。「新しいCopilotの作成」を選択し、エージェントに名前を付け、どのような振る舞いをさせたいか(例:「あなたは人事担当のアシスタントです。就業規則に基づいて質問に答えてください」など)を自然言語で指示します。この段階で、エージェントの基本人格と目的が設定されます。

    データ連携と公開の設定

    次に、エージェントに参照させたい知識(ナレッジ)を登録します。これは特定のWebサイトのURLや、SharePoint上のドキュメントライブラリ、あるいはアップロードしたPDFファイルなどを指定するだけです。これにより、エージェントはそのデータソースの中身を読み込み、回答の根拠として利用できるようになります。最後に、作成したエージェントをテスト画面で動かして挙動を確認し、問題なければ「公開」ボタンを押すことで、自社のTeamsやWebサイト上で社員が利用できる状態になります。

    導入時に注意すべきポイントは?

    非常に便利なCopilotエージェントですが、導入にあたってはいくつか注意すべき点もあります。これらを事前に理解し対策を打っておくことで、トラブルを防ぎ、スムーズな運用定着を図ることができます。

    誤回答を防ぐデータの整備

    エージェントは与えられたデータに基づいて回答を生成しますが、そもそも参照元のマニュアルが古かったり、情報が矛盾していたりすると、誤った回答をしてしまいます。エージェントを作成する前に、社内のドキュメント類が最新化されているか、ファイル名が分かりやすいか、重複がないかといった「データ整理」を行うことが重要です。AIの精度はデータの質に依存するため、この準備作業が成功の鍵を握ります。

    セキュリティと権限の管理

    作成したエージェントが、本来閲覧してはいけない機密情報(役員報酬や未発表の人事情報など)まで参照して回答してしまわないよう、アクセス権限の設定には注意が必要です。Copilotは基本的に「そのユーザーがアクセス権を持っているファイル」を参照しますが、エージェントとして公開する場合、どの範囲のデータを参照させるかを厳密にコントロールする必要があります。Microsoft 365のセキュリティ設定と合わせて、情報漏洩リスクがない構成になっているかを確認しましょう。

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    社内での活用が定着するまでの導入計画を立てる

    Copilotエージェントの導入を成功させるためには、初期段階から社内で定着する状態を見据えて導入の検討を進めることが極めて重要です。「とりあえず全社員に使わせてみよう」という無計画な展開は、現場の混乱を招き、結果として利用率の低下を招きます。まずは、ITリテラシーの高い特定の部門でスモールスタートを切り、そこで具体的なCopilot エージェント活用事例と成功体験を作り出すことから始めます。

    しかし、社内のリソースだけで全社員への教育や意識改革を行うには限界がある場合も少なくありません。自社だけで抱え込まず、定着まで支援してくれる研修サービスと合わせての導入を検討することも有効な戦略の一つです。

    導入計画を立てる際は、ツールのライセンス購入だけでなく、こうした「人の育成」にかかるリソースや外部サービスの活用も予算やスケジュールに組み込んでおくことが、長期的な成果を生み出す近道となります。

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    まとめ

    Copilotエージェントの活用について、基本概念から事例、作成手順まで解説してきました。Copilotエージェントは、これまで人間が時間をかけて行っていた「繋ぐ作業」や「探す作業」を代替してくれます。まずは身近な業務、例えば「部署内のよくある質問対応」や「定例会議の準備」など、小さな範囲からエージェントの作成をしてみることがお勧めです。その後組織全体に展開していくことが出来れば、生産性を大きく変えるきっかけになるはずです。

    また、成果を出すには、ツール導入後の社内定着が重要です。「使いこなせるか不安」「教育リソースが足りない」といった課題がある場合ぜひディジタルグロースアカデミアにお問い合わせください。導入計画の策定から社員研修までサポートさせていただきます。

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