Case Studyお客様事例

人材育成を軸に新しいビジネスという果実を掴む

ミズノ株式会社様

(右から一番目)舞原貴之様 ミズノ株式会社 グローバル人事総務部担当次長
(右から二番目)板橋健児様 ミズノ株式会社 グローバルデジタル統括部部長
(右から三番目)増野秀平様 ミズノ株式会社 グローバルデジタル統括部課長補佐
(左から二番目)大平祐輔 株式会社ディジタルグロースアカデミア
(左から一番目)大庭奈波 株式会社ディジタルグロースアカデミア

ミズノ様では、2021年12月から2022年2月にかけてミズノ株式会社のDXを担う、DXリーダー、およびデジタルスペシャリストの育成プログラムを実施しました。1906年に創業した総合スポーツ品メーカーとして長い歴史を持つミズノ様ですが、市場や消費者ニーズの激しい変化に適応するため、グローバルデジタル統括部が中心となりDXを進められています。今回は、グローバルデジタル統括部とグローバル人事総務部が連携しデジタル人材育成に取り組まれた経緯や教育プログラムの内容について、板橋様・舞原様・増野様にお伺いしました。

ミズノ様が今回の育成プログラムを始められたきっかけについて教えてください。

増野様:

当社は、中期経営計画で全社的にDXを進めていく方針を掲げています。それに伴い、グローバルデジタル統括部が新設されています。

DX推進の方針では、ITデジタル人材育成がDX推進のための重要な土台として位置付けられています。ITデジタル人材育成が、ビジネスモデルの劇的な変化や、それに伴う会社の成長につながるため、私たちは、育成プログラムの検討に至りました。

グローバルデジタル統括部はどのような役割を担っているのでしょうか?

板橋様:

我々のミッションは、ミズノグループ全体のDX戦略を立て、実行することにあります。前身の旧情報システム部門の頃から守っているセキュリティやインフラなどの基盤をしっかりと支えながら、その上にDXを推進できる体制・環境の整備という幹が乗ることになります。今回実施したデジタル人材の育成は、まさにその幹の部分に当たります。そして十分に太い幹が伸びた先に、ECやDTCマーケティングの拡大という大きな果実を得ることができると考えています。

旧情報システム部門という根っこから、人材育成やビジネスの成功という幹・果実へとミッションの大きな変更があったようですが、その中で苦労されたことはありますか?

板橋様:

旧情報システム部門出身のメンバーは、ビジネスに関する経験や知見がどうしても不足しています。一方、新たに加わったメンバーはデジタルマーケティング等には精通しているものの、逆にデータ分析やセキュリティに対する考え方などの知見が足りていませんでした。

そのため、組織としてはデジタル・ビジネス両方の知見が集まっているものの、各個人においてはITとデジタルの融合ができていなかったので、その意識を変えていくことが課題の一つです。

グローバルデジタル統括部とグローバル人事総務部が連携して今回のITデジタル人材育成に取り組まれているのは何故でしょう?

板橋様:

以前からエクセル研修などITスキルに関する教育は実施していましたが、DXやデジタルを使ってどうビジネスを変えていくか、という内容の研修は初めての取組です。

増野様:

人材育成については、グローバル人事総務部が常日頃考えている部分ですので、全体像の把握を担っています。グローバルデジタル統括部は、IT・デジタルの活用を推進する役割があり、人材育成/IT・デジタル活用推進の整合性をとりつつ教育を進めていきたいということで、両部署が連携して取り組むことになりました。

舞原様:

特定の分野に特化した人材を育成することはこれまでもやってきたことですが、全社で「ビジネスを成長させていくにはどういう人材が必要か」ということが語られるようになったのはここ2~3年のことです。IT/デジタル人材・グローバル人材・イノベーション人材を3本柱としているのですが、そのような人材育成の取り組みに、グローバルデジタル統括部が参入したという経緯です。

今回の教育プログラムを実施するにあたり、ディジタルグロースアカデミアを選定いただいた経緯について教えてください。

増野様:

様々な教育会社にヒアリング等情報収集したなかで、ハイブリッド型の教育であることが一番ぐっと来ました。既存の業務もあり時間が限られている中で、eラーニングは隙間時間に受講できるメリットはありますが、勉強だけで終わってしまい、新しい事業には繋がりにくいという点がありました。一方、伴走型の支援だと既存の業務が停止してしまい、現状とは合わないということになりました。

そこで、eラーニングとワークショップが組み合わさった教育を提供されていたことが一番のポイントとなり、ディジタルグロースアカデミアさんを選定させていただきました。また、対面での集合研修ができる世の中ではない中、ZOOMを使ったリモート研修でしっかり誘導・サポートしていただけるということも、選定ポイントのひとつです。

eラーニングでしっかり学んだ上で、ワークショップでは重要なポイントのおさらいをした後にグループワークという流れでしたので、取りこぼされて付いていけない、という受講者が出ることもなく終えることができたと思います。

今回の育成内容はどのようなものでしょうか?

増野様:

育成内容は大きく2つに分かれています。一つはDXリーダー向けの教育。DXリーダーはデジタルを使った新しいビジネスを作れるようになってほしい人材です。彼らには、DXのマインド・考え方から入り、次にDX提案プロジェクトのワークショップに参加してもらい、DXプロジェクトの進め方やアイデアの出し方を一通り学んでいただきました。

もう一つが、デジタルスペシャリストの教育。こちらは、ITやデジタルなどの技術に長けた人材を育成しています。デジタルスペシャリストもまずは、DXのマインドから学んでもらいましたが、その後は、技術面の教育プログラムを受けていただきました。ただ、IT・デジタルといっても範囲が広いので、DXの一つの鍵となるデータ活用に焦点を当てて教育を実施しました。

育成の結果、どのような効果を得ることができたと考えていますか?

増野様:

まず、マインドの変化が大きかったと思います。「10年後の変化を考える」「非連続的なところから考える」「顧客視点で考える」などDXに必要な考え方を身に付けることができたと思います。顧客視点という考え方は今までしていなかった訳ではありませんが、「本当に顧客視点で考えられているのか」「どうあることがゴールなのか」というようにさらに深掘して突き詰めて考えるようになれたのは一つの変化です。

また、デジタルスペシャリストについては、データ活用の基本となる考え方を学ぶことができました。データから何か新しい発見をするということではなく、まずビジネスを考えたうえで仮説を立ててデータを取って検証する、という繰り返しのプロセスを学べたことが有益でした。

今回のプログラムを終えて、今後の方向性についてどのように考えていますか?

増野様:

21年度の教育を終え、次に取り組みたいのは、スモールサクセスからで良いので何かデジタルを活用してビジネスを生み出していくことです。取り組んでいく中で何かしらの課題や不足するスキルが見つかれば、その都度教育施策を打っていきたいです。また今回は少数精鋭で教育プログラムを実施したので、取組が拡大するにつれて人材の絶対数が足りないとなれば、幅を広げるような教育もしていきたいと考えています。

現在グローバルデジタル統括部や人事総務部がサポートしながら盛り上げていこうとしていますが、いずれはITデジタルを活用したビジネスが自然発生的に生まれ、デジタル活用が当たり前になっていくことが理想です。そしてそれがさらに成長していき、今あるスポーツ事業部などと並ぶような、ITデジタルに特化した事業部が出来たら面白いなと感じています。

最後に、教育プログラムのパートナーとしてディジタルグロースアカデミアを選んで良かった点を教えてください。

増野様:

ワークショップは基本的に和やかな雰囲気だったのですが、そんな中で講師から時には厳しいご指摘もいただいたことが印象深かったです。顧客視点で考えているつもりで発表したが、「本当に顧客視点になっていますか?」「今できることの範囲内で考えていませんか?」という指摘を頂き、課題をやり直しになったグループもありました。言われた側はその瞬間は「え!」となったかもしれませんが、厳しい点もあったので良かったと思います。

あとは、事例を交えた学習についてです。今までだと事例をみても「こういう面白いことをやっているんだ」だけで終わっていたのですが、ディジアカさんのワークショップでは「この事例の本質ってこうだよね」と、本質を踏まえたコミュニケーションができたことが良かった点だと思います。また、講師の方が+αの質問やブレストにも根気強く付き合っていただいたことにはとても感謝しています。

板橋様:

ディジアカさんを選んだ理由にも繋がるのですが、参加者からの質問に対する講師の方の回答が実際のビジネス経験に基づいていたことが非常にその説得力を増していたように感じました。また、eラーニング+ワークショップというやり方も最大限活用でき、学習効果も大きかったのではないかと考えています。

舞原様:

今回のプログラムは、「ビジネスのやり方を変える」というかなり重たいテーマでしたが、ビジネス目線で厳しいアドバイスを頂けたことは良かったです。また、社外からの視点で考えるということは、社内の人間だけで簡単にできることではありません。客観的な視点の考えは非常に参考になりましたし、参加者のマインドの変化には非常に役に立ったと思います。

本日はありがとうございました。

【編集後記】

今回のインタビューを通じて、DX・新規ビジネス創出のためには、人材育成なくして成功は掴めないと改めて思いました。特にDXに対するマインドの育成は人材や組織の考え方そのものを変化させるため、スキルの育成以上に重要です。また、DXは既存ビジネスと並行で進める必要があり、時間や人材リソースも限られた中での挑戦も少なくありません。そんな状況でもお客様が優秀なDX人材を育成できるよう、弊社はこれからも柔軟性をもった研修プログラムの開発・ご提供に努めて参ります。

DX人材育成・研修・
コンサルティング

デジタル人材育成にお悩みの方は、
ぜひ一度ご相談ください。

お問い合わせ・
資料請求はコチラ

Downloads資料DL申し込みはこちら

DXに関する様々な資料や動画がダウンロード可能です。

Contactお問い合わせはこちら

デジタル人材育成にお悩みの方は、ぜひ一度無料でご相談ください。
まずはお気軽にどうぞ。