Columnコラム

DX人材育成の落とし穴とは?対策方法も紹介:DXコラム

  • 公開日:2022年03月15日

今回は人材育成を担当する部門の方向けに、DX人材育成で気を付けたい落とし穴について解説します。

多くの企業でDX人材育成の必要性が認知されてきました。DX人材育成を支援する会社も多くあり、DX人材育成をインターネットで検索すると様々な研修、eラーニングのサービスがヒットします。

選択肢が増え、容易に始められるようになった一方で、DX人材育成がうまく進んでいない現場を目の当たりにする機会も増えました。

DX人材育成の落とし穴

落とし穴1:教育が目的化してしまう

ビジネスや業務を変えるためのDX人材育成のはずが、いつの間にか教育が目的化してしまう事があります。

研修やeラーニングの比較評価をしているうちに、よい教育コンテンツを選ぶ事が目的になってしまう。受講生のアンケートに過度に反応し、評判のよい研修をすることが目的になってしまう。このように、教育コンテンツに目が行き過ぎてビジネスの目的からずれてしまう事がよく見られます。

また、事業部門と人材育成部門で足並みがそろわず教育が目的化することもあります。上司が意義を理解せずに育成プログラムに社員を送り込む、学んだ事を活かす場をつくれない等、ビジネスと人材育成が切り離されてしまう状況は人材育成部門だけでは解消できません。

新しい事を学んでどう活躍してほしいのかが組織として明確になっていないと、手段であるはずの教育が目的化してしまいます。

落とし穴2:社員任せになってしまう

社員自ら学び、一人一人がリーダーとなり仕事を創り出す。DX人材育成の先に目指す姿ですが、経営層が社員の自主性に頼り過ぎてしまうことがあります。

本来のあるべき姿は、経営層がデジタルを活かし、ビジネスや働き方をこうしたいという戦略や方針、求められるスキルを示した上で、各自が主体的に学ぶ状態です。それなしに、沢山のコンテンツが学び放題の環境を整えたから必要なことを学び仕事に活かすべし、と進めても何のために学ぶのかという問いにぶつかり計画倒れになってしまいます。

落とし穴3:デジタルを使う人の育成を怠る

DXやデジタル活用を推進する人材の育成をする一方で、デジタルを使う人の育成が疎かになりがちです。

以前、とある流通業のDX推進部門の方から、データサイエンティストを育成したが、上司がデータの価値を理解しないため部門に戻りたくないと言っている、というお話を聞いたことがあります。データに基づく意思決定の重要性を管理職が理解してなければ育てた人材が活かせません。その企業は先日、コロナ禍での需要変化に気づけず主力商品が減収となったことが報道されました。

他にもテレワークの環境の整備の一環でチャットツールを導入したが、一向に会議が減らないといった話も良く聞きます。会議の時間が減らない事以上に、意思決定のスピードが上がっていない事は大きな問題です。

ツールを知っている事と、ツールを活かせる事は別です。ツールを活かして、デジタルに仕事を任せる、リアルタイムにチームメンバーと情報を共有して判断していく。デジタルで働き方が変わっている今、デジタルを使う人材の意識やスキル如何で生産性に大きな差がつきます。

落とし穴4:業務内容が学習内容と一致していない

業務内容が学習内容と一致していないことは、DX人材育成の最大の敵です。なぜなら、学習したことを実践できないと、学習効果が薄れてしまうからです。

たとえば、DXに関するオンライン講座を受講したとしても、自分の業務に関係ない内容であれば忘れてしまったり、興味を失ったりするでしょう。その結果、DX人材育成の時間や費用が無駄になってしまいます。

この落とし穴を回避するためには、学習内容を業務内容に合わせてカスタマイズすることが必要です。また、学習したことをすぐに業務で活用できるような企業文化の構築も大切です。

落とし穴5:実践ができていない

実践ができていないことも、DX人材育成の効果を半減させます。これは、実践しないと、学習したことが定着しないからです。

たとえば、DXに関する書籍や記事を読んだとしても、それだけでは理解が浅くなってしまいます。また、実際の現場で適用できるかどうかも分からないため、DX人材育成の目的や意義が見えなくなってしまいます。

この問題を解決するためには、学習したことを実際に試してみること、そして試せる環境が必要です。また、実践したことをフィードバックや共有することも学びへとつながるでしょう。

落とし穴6:チーム間の連携が不足している

チーム間の連携が不足しているというケースでは、DX人材育成のスピードや品質を低下させます。定期的なチーム間の連携が不足すると、情報や知識の共有ができなくなるからです。

たとえば、DXに関する最新のトレンドやベストプラクティスを知っているチームがあっても、それを他のチームに伝えられなければ、全体的なDXのレベルは上がりません。また、チーム間の連携が不足すると、DXに関する課題や問題を解決できなくなる可能性もあるでしょう。

そのため、チーム間のコミュニケーションやコラボレーションを強化することが必要です。また、DX人材育成の成果や課題を定期的に共有することも有効です。

落とし穴7:継続的な学習ができていない

継続的な学習ができていないという場合、DX人材育成の持続性や進化性を失わせることがあります。継続的な学習ができていないと、DXに関する知識やスキルは簡単に陳腐化するためです。

たとえば、DXに関する一度きりの研修やセミナーを受けたとしても、それだけでは急速な変化に対応できません。また、継続的な学習ができていないと、DXに関する新しいアイデアやインサイトは得られないでしょう。

その結果、DX人材育成の価値や意欲が低下してしまいます。DXに関する学習を日常的に行い、また学習したことを定期的に振り返る仕組みづくりが必要です。

DX人材育成の落とし穴を避けるための対策

DX人材育成には様々な課題や落とし穴があるため、避けるためにも下記の対策を実施しましょう。

  • DX人材を育成する目的・計画を明確にする
  • 経営層がサポートする
  • 学習内容を実践に移せる環境を整える
  • 継続した学習環境を整える
  • ビジネス理解の重要性を強調する

DX人材を育成する目的・計画を明確にする

DX人材を育成する際には、まず目的と計画を明確にします。DX人材がどのような役割やスキルを持ち、どのような業務やプロジェクトに関わるかという目的と、必要とする知識や能力をどのように習得し、どのように評価やフィードバックを行うかの計画が必要不可欠です。

DX人材がデータ分析やAI開発などの専門的なスキルを身につける必要がある場合、そのスキルをどのように活用するか、どのような成果を出すかということを明確にしないと、学習意欲やモチベーションが低下します。

また、DX人材がビジネスや組織に貢献することを認められにくくなり、人材育成の投資効果が低くなることもあるでしょう。目的や計画は、育成をスタートする上で重要な指針となります。

経営層がサポートする

DX人材を育成するためには、経営層がサポートすることも必要です。ここでいうサポートとは、DX人材育成の重要性や方針を社内外に発信し、DX人材に対して期待や信頼を示すことです。

経営層がサポートしないと、DX人材育成が組織全体の戦略やビジョンに沿っているか不明確になります。また、DX人材が自分の価値や存在意義を感じにくくなります。

たとえば、経営層がDX人材育成に関心や関与を示さない場合、支援や評価が得られないと感じたり、他部署や他社との連携や協力が困難になったりするためです。DX人材育成の効率や効果を高めるなら、経営層も積極的にコミットする必要があるでしょう。

学習内容を実践に移せる環境を整える

また、DX人材の育成には、学習内容を実践に移せる環境を整えることが必要です。DX人材が学んだ知識やスキルを実際の業務やプロジェクトに適用し、フィードバックや改善を行える仕組みや文化は、意外に見落としやすいものです。

環境が整っていないと、DX人材育成が理論的なレベルで止まってしまい、そのスキルは忘れられやすくなります。また、DX人材は自分のスキルが役に立っているかどうか判断できず、人材育成の持続性や効果が低下するでしょう。

経営層がサポートに入る際には、外部から見える環境についても配慮してください。

継続した学習環境を整える

デジタル技術は日々進化しており、常に最新の知識やスキルを身につける必要があるため、継続した学習環境もDX人材に必要です。AIやクラウドなどの分野では、新しいツールやサービスが次々と登場しています。これらの技術を使いこなすには、定期的に学習することが不可欠です。

継続した学習環境を整えるためには、eラーニングなどのオンライン学習ツールの導入が有効です。オンライン学習ツールは、自分のペースで学べるだけでなく、様々なコースやコンテンツを選択できる利点があります。また、オンライン学習ツールは、学習履歴や成果を可視化することも可能です。

eラーニングなどのオンライン学習ツールを導入することで、DX人材は常に最新の知識やスキルを身につけられます。これにより、継続した学習環境を整えて、デジタル変革に対応できる能力を高めましょう。

ビジネス理解の重要性を強調する

DX人材は技術スキルだけでなく、自分の業務やプロジェクトがどのようにビジネスに貢献しているかというビジネス理解も必要です。これにより、技術的な問題だけでなく、ビジネス的な課題や目標も把握できます。

技術的な解決策だけでなく、ビジネス理解があれば、技術を使ってビジネスにインパクトを与えることでビジネス的な価値も提供できるようになるためです。

理解を深めてもらうためには、ビジネスの基礎知識や業界の動向などを教育することが有効です。また、DX人材に対して、定期的にフィードバックする方法もよいでしょう。

成果を生むDX人材育成に向けて

このような落とし穴を避け、DX人材育成を成果につなげるにはどうすればよいでしょうか?DX人材育成の最初の一歩は、教育の課題ではなく、組織変革の課題であることを認識することだと思います。

ディジタルグロースアカデミアでは、DX人材育成を通じた組織変革を数多く支援しております。詳しいサービスはこちらを参照ください。

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