Columnコラム

企業がDXを推進する理由とは?導入事例や企業価値についても解説:DXコラム

更新日:2022年10月11日

昨今、医療・建築・農業・教育のほか、ビジネスの場でDXが進んでいます。企業がDXを推進すると、新たなビジネスモデルの再構築につながり、業務の効率化や生産性の向上が可能です。この記事では企業がDXを推進する理由、企業がDXを導入するメリット、企業価値につながるDX銘柄などについてわかりやすく紹介します。

DXとは

DXとは、IT(情報技術)活用し、様々な活動を変革することです。特に企業においては、ITをベースに事業活動全体を再構築することを指します。例えば民泊サービスやライドシェアなどは、スマートフォンやクラウドサービスを組み合わせることで従来の宿泊業界やタクシー業界を脅かす存在です。DXを実現する企業は従来の枠組みを破壊し、ITを駆使、顧客の利便性を追求する変革をします。

DXの目的

DXの目的は業務の効率化・生産性の向上、テレワークの推進、新たなビジネスモデルの創造などです。DXが実現すると従業員は単純作業ではなく生産的な仕事ができるようになります。また、テレワークの実現によって場所・時間を問わず仕事が可能です。顧客のニーズに沿った新たなビジネスモデルを生み出すことで従来のやり方ではありえないような顧客の価値提供もできるでしょう。DXによって自社が何を解決し、実現するのか明確化することが重要です。

企業がDXを推進する理由

DX企業がDXを推進する理由には、2025年の崖への対応、レガシーシステムからの脱却、変化に対応できる組織の構築、働き方改革の実現などがあります。ここから詳しく見ていきましょう。

2025年の崖への対応

経済産業省は「DXレポート」で「競争力強化のためデジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルを生み出すDXを実現できないと経済損失が2025年以降最大12兆円になるだろう」と発表しました。DXを実現できないとデジタル市場で勝ち残ることはできず、既存システムの維持管理費が高騰したり、セキュリティリスクによってトラブルが急増したりすると警鐘を鳴らしています。企業はリスク軽減のためDXを推進する必要があるのです。

レガシーシステムからの脱却

多くの企業は未だにレガシーシステムを使っています。レガシーシステムの問題は、システムがブラックボックス化しており、保守費用がかかることです。またシステムが経年劣化するとセキュリティリスクも高まります。DXの推進によりレガシーシステムをクラウドに刷新するとリスクを軽減できるでしょう。

変化に対応できる組織の構築

現在ビジネス環境は大きく変化しており、企業は変化に対応できる組織の構築をしなくてはなりません。グローバル市場で生き残るためには、新たなビジネスモデルを構築しビッグデータを活用、消費者のニーズに沿った商品を開発するなどの工夫が必要です。

働き方改革の実現

DXを実現するとテレワークが可能となり、従業員は場所・時間を問わず柔軟に働けます。労働環境の改善によって生産性の向上や業務の効率化にもつながります。また、人間が従来行っていた定型的な業務をソフトウェアで自動化・効率化する「RPA」で長時間労働も削減可能です。

企業がDXを導入するメリット

企業がDXを導入すると、生産性の向上、業務の効率化、BCP対策など様々なメリットがあります。ここから具体的に見ていきましょう。

生産性の向上

DXを導入すると、生産性の向上につながります。従来は手作業が多かったためにヒューマンエラーが多くありました。業務のデジタル化により正確性が上がりミスがなくなるため、品質が向上し、残業時間も減らせます。その結果人件費の削減にもつながるでしょう。

業務の効率化

DXの導入で業務の処理スピードが上がったり、スピーディな情報収集が可能になったり、組織の在り方も変わります。また、自社のデータも一元管理できるため、データ連携も可能です。その結果、業務の効率化や省人化もできるでしょう。

BCP対策

BCPとは事業継続計画のことです。これまでDXはビジネス視点だけで語られてきましたが、新型コロナウイルスにより多くの企業は既存のビジネスモデルからの脱却を迫られました。企業は自然災害・サイバー攻撃・アクセス障害などのリスクを抱えていますが、DXの導入により問題なく継続できる環境を構築できます。

新しい価値の創出

DXを導入すると、最先端のテクノロジーの活用によって新しい価値の創出ができます。AIの進化により日々新たなビジネスが登場していますが、ビッグデータをベースとした企業戦略により市場の変化にもフレキシブルに対抗できるでしょう。

市場変化への対応が可能

前述のようにビッグデータをベースに市場変化への対応が可能です。顧客情報を活用すると顧客の好みに沿った商品を提供できます。例えばNetflixのレコメンド機能は顧客の好みに合わせた番組を提示できる仕組みです。営業戦略としても顧客の好みに合った商品を提案でき、成約率も上がるでしょう。

企業価値につながるDX銘柄

DX銘柄に選定されるとDXを推進している企業として政府からお墨付きをもらうことになるため、信頼度が上がるでしょう。認定企業の特徴は、ビジネスモデル設計やエコシステムの構築、既存ビジネスの変革と新規ビジネスの創出です。また、DXを推進するための予算をかけ、挑戦を促す仕組みを作っています。その他の特徴は、ガバナンスにおいても経営者とDX責任者のコミュニケーションが密であることです。

DX銘柄認定企業とは

DX銘柄制度とは、デジタル化を前提にビジネスモデルの変革を行い、競争力強化に取り組んでいる企業を選定する仕組みです。東京証券取引所の上場企業からDX推進で優れた企業を決めます。また、2021年には選定企業の中から財務指標によるスコアリングを実施し「DXグランプリ」を選出しました。データから新たな価値を創出する「Lumada」を作った日立製作所と「リアル×テクノロジー」で自社不動産事業のスマート化を促進したSREホールディングズがDXグランプリに選ばれています。DX銘柄に選定されると認定企業のロゴが使用可能です。

企業としての信頼度が増す

DX銘柄に選定されるとDXを推進している企業として政府からお墨付きをもらうことになるため、信頼度が上がるでしょう。認定企業の特徴は、ビジネスモデル設計やエコシステムの構築、既存ビジネスの変革と新規ビジネスの創出です。また、DXを推進するための予算をかけ、挑戦を促す仕組みを作っています。その他の特徴は、ガバナンスにおいても経営者とDX責任者のコミュニケーションが密であることです。

株式市場で注目される

DX銘柄に選定されるメリットは、株式市場でも注目されることです。実際に株式市場ではDX関連銘柄として注目されており、急上昇ランキングに入っています。DX銘柄は企業価値の向上に貢献している企業として見られ、投資家や株主から期待されるでしょう。

DXを推進・導入している企業の事例

DXの推進について理解するには、実際にDXを推進・導入している企業の事例を見るのが最適です。ここから業種別の事例を紹介しましょう。

医療

医療業界では電子カルテやオンライン診断としてDXを推進しています。電子カルテを導入すると予約や受付業務を削減可能です。診療情報提供書もオンラインで作成できるため、人手不足も解消できます。また、病院のマットレスの下にセンサーを設置、入院患者の睡眠状態と覚醒状態を判定可能、医師や看護師が管理室で一元管理できます。

農業

農業の現場は深刻な人手不足ですが、AIの活用で問題を解決できます。例えば牛の首にウェアラブル端末を付け牛の活動状況の取得によりクラウド上で分析可能です。日射センサーと土壌センサーのデータを分析、水と肥料の最適な量も決定できます。さらにAIを利用し収穫予測も可能です。

建築

建設業界も同様に少子高齢化のため人手不足となっており、DXで建設業界の課題を解決可能です。

建築現場ではドローンを使い、空中から作業場の面積や土木の積載量を測量することができます。また、従来は図面を利用していましたが、ICTを利用し、計画・施工・管理などでコンピュータ上の3次元モデルを使用可能です。

教育

教育の現場では2019年度より政府の「GIGAスクール構想」によりパソコン・タブレットが導入されました。従来、教師が配っていたプリントをタブレットで配信したり、保護者に渡す書類をデジタル化したりしています。しかし、教育の現場のICT活用は小規模にとどまっているのが現状です。

まとめ

DXとは、様々な活動においてIT(情報技術)をベースに変革すること、医療・農業・建築・教育など様々な分野でDXが進んでいます。企業がDXを導入すると、生産性の向上や業務の効率化につながります。経済産業省はDX推進を促進させる支援策として「DX銘柄制度」を展開、DX銘柄に選定されると企業の信用度が高まり、株主の評価も高くなるでしょう。

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【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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