Columnコラム

DX推進にデータの活用が必要な理由は?起こりやすい課題や事例も紹介

更新日:2023年4月4日

DX推進には、データの活用が欠かせません。DXはデジタル技術を使いビジネスモデルを変革させることで、データを活用により市場競争力の強化や中長期的な成長戦略を定められるメリットがあります。

本記事では、データをDX推進においてどのように活用するか、データの種類やデータを活用する際の留意点について解説します。DX推進にデータを使いたい、データを使ったDX推進でつまずいているという人はぜひ参考にしてください。

DX推進にデータの活用が必要な理由

DX推進にデータが活用される理由には大きく以下の6つがあります。

  1. 消費者のニーズに合わせたサービスを提供するため
  2. 新しいビジネスモデルを生み出すため
  3. 変化する市場に対応するため
  4. 客観的な判断をするため
  5. 課題を可視化するため
  6. 意思決定の参考にできるため

消費者のニーズに合わせたサービスを提供するため

DX推進では、たびたびデータが活用されています。DX人材は社内のシステムをデジタル化させるだけではなく、ビジネスモデルを必要な形に変えていかなければなりません。

トレンドや消費者ニーズを意識したDXが求められるため、データを活用して消費者のニーズを探る必要があります。

新しいビジネスモデルを生み出すため

データ活用はDXにおける新しいビジネスモデルを生み出すことにも一役買っています。

DX推進では、自社が持つ製品やサービスをデジタル化させることで今までになかった新規ビジネスを立ち上げられることがしばしばあります。

データを活用すれば、自由な発想を大事にしながら、今までにないビジネスモデルを築けるでしょう。

変化する市場に対応するため

DXは、変化する市場に対応するためにもデータを読み取って推進する必要があります。DX推進には、自社の製品やサービスを変革させ、変革する市場にその都度合わせるといった目的もあります。

市場ニーズを外さないためにも、データ活用にて消費者動向を読み取りながら進めなければなりません。

客観的な判断をするため

データを活用すれば、DX推進におけるより客観的な判断も可能です。DXによるビジネスモデルの変革は、あくまでも消費者ニーズや市場の動向に則したものである必要があります。

主観的な判断よりも客観的な判断をくだすことで、ビジネスは中長期的な広がりを見せるでしょう。

課題を可視化するため

データはDX推進における課題の抽出にも活用されています。

企業が抱えるDX課題はどれも目に見える形で存在しているとは限りません。特にコストや労力を抑えるためのDXは、今までのビジネスモデルをまったく新しい視点から見つめ直す必要があります。

データを活用して課題を可視化し、優先順位立ててDXを進めた方が効率は上がるでしょう。

意思決定の参考にできるため

DX推進では意思決定の場面でもデータが活用されています。

DXは市場ニーズや消費者動向に合わせたビジネスモデルの変革が必要なため、意思決定も客観的な事実に基づく必要があります。

判断基準にデータを用いるため、DX推進後のトラブル対策もより論理的にすすめられるでしょう。

DX推進に活用されやすいデータとは

DX推進に活用されやすいデータは以下の5種類です。

  1. 顧客に関するデータ
  2. 経理に関するデータ
  3. 画像・文字に関するデータ
  4. 業務日誌・日報に関するデータ
  5. Webサイトに関するデータ

顧客に関するデータ

DX推進に最も活用されやすく、重要となるのは顧客に関するデータです。

顧客データとは、購買データ・営業情報・位置情報といったデータを指します。顧客の行動パターンから潜在的に抱える課題が読み取れれば、市場でも常に優位な立場を築けます。

需要と供給に則した製品やサービスが展開できるため、ビジネスはより成功へと導かれやすいでしょう。

経理に関するデータ

経理に関するデータもDX推進には欠かせません。経理データから読み取れるのは、企業の業績や財務状況です。

企業にとっても需要のあるDX推進をするには、こうした経理データが根拠になるでしょう。

画像・文字に関するデータ

画像や文字に関するデータも、DX推進では大いに活用されています。例えば、ECサイトに掲載した画像や文字は、ツールを使うことで熟読率やクリック数などを読み取れる重要な指標です。

より効果的な画像や文字を選ぶためにもDX推進にはこれらのデータが欠かせません。

業務日誌・日報に関するデータ

業務日誌や日報に関するデータも、DX推進には大いに活用されています。業務日誌や日報は、社内の出来事や社員が得たナレッジを共有できる最上のツールです。

デジタル技術を駆使すれば一つひとつの内容を読まずとも必要なデータが抽出できるため、前営業日のナレッジも翌営業日に即座に活かせます。

Webサイトに関するデータ

DX推進にはWebサイトから抽出されたデータも活用されています。アナリティクスを利用し、サイトの解析に必要なデータを読み解くなどが挙げられます。

こうしたデータを活用すれば、DX推進はより世の中のニーズに合った市場競争力の高い方向性へと進められるでしょう。

データを活用した事例

DX推進においてデータが活用された事例を2つ紹介します。

  1. 在庫の確認業務の自動化
  2. 顧客行動に合わせた画面表示

在庫の確認業務の自動化

DX推進で大幅な業務効率改善した事例の一つに在庫の確認業務があります。

従来の在庫管理は、複数の店舗における在庫を一つひとつ調べて管理する必要がありました。

さらに、ECサイトで販売を手がける場合はその手間がかかり、自社サイトと合わせて他社サイトも使うとなると正確な在庫管理は難しくなります。

そこで活用されたのがDXです。

デジタル技術を駆使して、複数の店舗・ECサイトの在庫確認を自動にて一括管理できるようになりました。

社員の業務負担を軽減し、カスタマーサービスの拡充にも繋がる事例です。

顧客行動に合わせた画面表示

DXでは、データを用いて顧客行動に則した画面表示にも活用されています。

例えばECサイトで買い物をしていると、「あなたにおすすめの商品」という形で別の商品がレコメンドされます。

この表示する商品を選定するのに使われているのが、DXによって読み取ったデータです。

サイトの閲覧・検索・購入履歴といった消費者の行動がわかるデータを参考に、顧客の嗜好に合う画面を表示させることで大幅な売り上げアップに貢献しています。

データを活用する上で起こりやすい課題

データはDXに活用することで、より大きな成果を生み出します。しかし、同時に考えなければならない課題もあります。

データを活用したDX推進を成功に導くためにも、起こりやすい課題について整理しましょう。

  • 目的が明確になっていない
  • 課題にきづけていない
  • データの質が悪い
  • セキュリティ対策ができていない
  • データを活用できる人材が不足している

目的が明確になっていない

DXに活用できるデータは膨大な種類があるため、やみくもにデータを使ったところで望むような成果は上がりません。

DXに的確なデータを活用するには、目的を明確にしておく必要があります。

目的の設定によってDXの方向性を固めれば、効果的なデータ活用が可能となるでしょう。

課題にきづけていない

DXでデータを利用する場合は、現状の課題についてもきちんと把握しましょう。さまざまな指標が読み取れるデータですが、課題に則したものを使えなければ意味がありません。

とくに課題解決にデータを活用する場合、必要なPDCAサイクルを回すためにも正確な現状把握は必須です。データ活用の前に、まずはなぜDX推進が必要になるのか・現状把握と課題の抽出に努めましょう。

データの質が悪い

DXにデータを活用する場合はデータの質についても確認しておきましょう。出典のわからない信憑性に欠くデータ、形式や入力方法が統一されていないデータは、正確なデータの読み取りに使いづらいでしょう。

データを事業計画やプレゼンテーションに使った場合、軌道修正やDXの修正に余計な時間とコストがかかってしまいます。DXの根拠にデータを用いる際はデータの質も必ず見極めましょう。

セキュリティ対策ができていない

データをDX推進に活用する場合、セキュリティ対策についても留意しておきましょう。例えばデータのなかに顧客の個人情報が含まれていた場合、何らかの理由によって情報が外部に漏れ出てしまうことは大きなリスクです。

データ流出による損害はビジネス上のものだけでなく、セキュリティ対策を怠った企業として社会的信用が失墜してしまうことにまでおよびます。高度なセキュリティ対策を事前に講じるなどして、万全の状態でデータを使うようにしましょう。

データを活用できる人材が不足している

DX推進におけるデータ活用において根本的な問題となっているのが、データを扱えるDX人材の不足です。

DXにおけるデータ利用には、デジタル技術に則したスキルが必要不可欠ですから、教育や研修などの取り組みを実施したり、外部から人材を採用したりする必要があります。

今後、データの活用がますます重要になると予想されるため、人材育成に注力し、DX推進の加速が求められるでしょう。

まとめ

DX推進はやみくもに進めるよりもデータを活用して論理的に着手することをおすすめします。

なぜなら、消費者ニーズや市場動向など、企業が経済活動をするうえで加味しなければならない情報が多岐に渡るからです。データ利用も好きなものを選べば良いという訳ではなく、ビジネスモデルを変革させる目的を明確にして課題を認識した上で選定しましょう。

DXにおけるデータ活用には、データを的確に扱えるDX人材の存在が必要不可欠です。

ディジタルグロースアカデミアには、データ活用のエキスパートを育てるノウハウがあります。DX推進にデータを活用したい、社内でデータが扱えるような人材を育てたいならぜひご活用ください。

【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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