Columnコラム

DXリテラシーを高めるためには?おすすめの検定なども紹介

更新日:2023年4月4日

DX推進が推奨されている現代では、DXリテラシーの向上も欠かせません。社員のDXリテラシーが高まれば、会社が直面する課題について能動的に動ける人材が育ち、さまざまな経営課題に社員一丸となって立ち向かえる環境が整うでしょう。

本記事では、DX推進に欠かせないDXリテラシーの向上について解説します。

DXリテラシーとは何か、求められる理由やDXリテラシーを高めるのに取得しておくと良い資格まで触れるため、DXリテラシー向上に取り組みたい、DX推進を考えているという人はぜひご一読ください。

DXリテラシーとは

DXリテラシーとは、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する理解・知識・推進能力を有することを意味します。そもそも、DXとはデジタル技術を駆使し、既存のビジネスモデルに大きな変革をもたらすことです。

DXでは、単に既存の業務フローのデジタル化を意味するのではなく、ビジネスの在り方そのものを変え、会社や事業が持つ強みを伸ばして結果的に市場競争力を高めることを目指します。

一連のデジタル化を推進するという“行動”までが言葉の意味に含まれているのがポイントです。これに対し、リテラシーとは特定の分野における深い知識を活用する能力を意味します。

DXという言葉の意味をきちんと説明できるだけではなく、実際に変革を主導できるだけの処理能力があるという点にも言及された言葉です。

なお、DXリテラシーと混同されやすい言葉にITリテラシーやデータリテラシーがあります。ITリテラシーとはデジタル技術に関する深い知識と活用能力のことを指し、データリテラシーとはデータの内容理解や取捨選択における判断基準があるかどうかを意味します。

意味合いや響きが近いように感じますが、用語としてまったく違う意味を持つという点に注意しましょう。

なぜDXリテラシーが求められるのか

DXリテラシーが求められる最大の理由は、現在のビジネスにとってDX推進が急務の課題だからに他なりません。

DX推進が叫ばれる背景には、「2025年の崖」という問題があります。古くから使い続けてきたいわゆるレガシーシステムが原因で、データの破損や損失を招き、最悪の場合、大きなシステムトラブルに発展してしまうという問題です。

このまま既存のビジネスモデルにデジタル化が浸透しなければ、2025年以降に最大で年間12兆円もの大きな経済的損失が生じてしまうといわれています。この「2025年の崖」の有効な解決手段として考えられているのがDXリテラシーの浸透です。

レガシーシステムからの脱却は、社員全員が自社にどのようなDX推進が必要となるかの意義を理解したうえで能動的に動く必要があります。

つまり、1人でも多くの社員にDXとは何かを正しく理解させ、業務改善のアプローチやDX推進に必要な能力を身に付けさせる必要があり、社内全体のDXリテラシー向上が必要となるでしょう。

DXリテラシーを高めるためには?

それでは、具体的に社内のDXリテラシーを高めるために必要なアクションについて見ていきましょう。

  • DXの必要性を理解する
  • 日常の業務などから課題点を見つける
  • データ・デジタル技術に関する最新情報を把握する
  • ツールの活用方法について理解する
  • ナレッジシェアリングを利用する
  • 外部の講習や研修に参加する
  • DX関連の資格を取得する

知識を吸収するための具体的な行動もあれば、意識改善で簡単に取り組めるものまで、DXリテラシーを高めるための行動は多岐に渡ります。

DXの必要性を理解する

DXリテラシーの向上にはDXの必要性を正しく理解する必要があります。DXは、単なるデジタル化ではなく、デジタル技術を使い既存のビジネスモデルを変革させることです。

サービスの在り方を変え、時代やニーズに合ったものをいち早く提供できるようになる必要があるため、柔軟な発想や対応能力も求められます。

こうしたビジネスにおける新しい視点を身に付けるため、まずはDXの必要性を理解しなければなりません。

日常の業務などから課題点を見つける

DXリテラシーを高めるためには、普段から当たり前に取り組んでいる業務に対して疑問を持つことも必要です。

例えば、業務の手順として必ずやらなければならないタスクも、DX推進によって業務を見直せば10あった工程が8にも5にも減らせる可能性があります。

慣れた仕事であってもアンテナを張り常日ごろから課題を見つけるクセを身に付けましょう。

データ・デジタル技術に関する最新情報を把握する

DXリテラシー向上には、データやデジタル技術に関する最新情報も欠かせません。「2025年の崖」問題に代表されるようにデータ・デジタル関連の技術は日々進歩を遂げています。

DX推進にはこうした最新のテクノロジーに関する知識が欠かせないため、データ・デジタル技術に関する最新情報は必ず学び続ける習慣を身に付けましょう。

ツールの活用方法について理解する

DXは既存のビジネスモデルを抜本的に改革していくことで推進されます。DXリテラシー向上には、既存のやり方に捕らわれない自由な発想も欠かせません。

業務遂行に必要となるツールの活用方法についても理解しておくことで、DXリテラシーはさらに高まっていくでしょう。

ナレッジシェアリングを利用する

DXリテラシー向上には、他者の成功体験や失敗を共有して得た学びを共有するナレッジシェアリングも有効です。特に、社内で得た知識や学びを共有すれば、企業内のビジョン統一もできます。

また、他者の視点や意見を取り込むことで、思わぬ方向にDX推進が進んでいくこともあるでしょう。そのためにも、ナレッジシェアリングを積極的に活用し、自分の体験を他者に伝えていく風土や環境づくりを整えておくと良いでしょう。

外部の講習や研修に参加する

DXリテラシーのように、今までにはない全く新しい考え方を吸収する際は外部の講習や研修を利用するのも一つの手です。DXは理念が既存のビジネスモデルとは違い、事業全体や業界を踏まえながら俯瞰的に見つめていく必要があります。

考え方に慣れないうちは、DX推進事例を学んでいくことも効果的です。外部の講習や研修は、こうしたDXにおける基礎知識や成功事例を学ぶのに適しています。

適宜利用して、いち早くDXリテラシーを高めるために活用しましょう。

DX関連の資格を取得する

DXリテラシーの向上には、DX関連の資格を取っていくことも有効です。資格取得は何よりも知識の体系的な理解に効果を発揮します。

DX検定やデジタルトランスフォーメーション検定といった資格があるため、DXリテラシーを高めるためにも積極的に受けていきましょう。

DXリテラシーを高めるために挑戦すべき検定

DXリテラシーを高めるのに最適な検定を2つご紹介します。

  1. DX検定
  2. デジタルトランスフォーメーション検定

DX検定

DX検定は2018年に創設された一般社団法人日本イノベーション融合学会が行う検定試験です。

試験時間は60分で、多肢選択式の問題が120問出題。受験資格はなく、結果は受験したのち、後日公式サイトからスコアという形で発表されます。

成績優秀者については、以下にある3つのレベル認定証を発行します。

スコア600点以上 DXスタンダード レベル
スコア700点以上 DXエキスパート レベル
スコア800点以上 DXプロフェッショナル レベル

このレベル認定証は取得から2年間有効です。試験は法人向けに年1回、個人向けに1月と7月の年2回開催されます。

出題内容やシラバスも公式サイトに掲載されており、レベル認定される600点以上を取った受験者は半数以下です。スコア800点以上の高得点は全体の5%以下であり、取得は難しい検定とされています。

デジタルトランスフォーメーション検定

デジタルトランスフォーメーション検定は設立23年、一般財団法人「全日本情報学習振興協会」が主催している検定試験です。受験者数は150万人にものぼり、試験時間は90分で多肢選択式の問題が100問出題されます。

DX推進アドバイザー認定資格とDXオフィサー認定資格の2種類があり、受験資格もないので一度に2つの試験を受けることも可能です。

合格率は発表されていませんが正答率は70%とされているため、知識をきちんと理解して受験しなければなりません。

まとめ

DXリテラシーの向上は、2025年の崖問題などどの業界に属する企業にとっても喫緊で取り組まなければならない課題の一つです。

特に、社内のDXが進んでいない企業にとっては、社員がDXについての知識を学ぶ・社内のDX推進を図る・DX人材を育成するという多岐に渡るタスクがあります。社内に主導者がいないという場合は、外部にこうした業務を委託することも考えていきましょう。

ディジタルグロースアカデミアは、デジタル人材の育成や研修、コンサルティングを行っている会社です。自社のDXリテラシ―向上のために何から取り組めば良いかわからない、DX推進を考えているのに担い手となる人材がいないという場合はぜひ一度気軽にご相談ください。

【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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