DX人材を育成するには?必要なスキルや育成する上でのポイントを紹介
更新日:2023年4月4日

DX推進が推奨されている現代では、DX人材の育成にも力を入れるべきという声があります。
しかし、DX人材が担う役割の理解と必要なスキルマップの整理が重要です。
また、育成プログラムを策定する際には、DX人材がどのような活躍を求められているかの理解も必要となるでしょう。
本記事では、DX人材の育成方法について解説します。加えて、育成におすすめのプログラムやポイントにも触れるため、ぜひ最後までご一読ください。
目次
DX人材の3つの役割

企業内でDX人材が担う役割は、以下の3つが挙げられます。
- デジタルプランニング
- アナリティクス
- エンジニア
DX人材が果たす役割の明確な定義こそありませんが、以下に示す役割が担えるDX人材ほど、企業の中長期的な成長戦略に欠かせない存在となります。
社内のDX推進を加速させるには、3つの役割を担うDX人材をそれぞれ探すも良し、分野横断的な能力を有するDX人材を確保するのも一つの手です。
デジタルプランニング
DX人材は企業のデジタルプランニングの担い手です。デジタルプランニングとは、商品の企画・立案から販売戦略にかかわるマーケティング戦略を練ることを意味します。
DX人材はデジタル技術を駆使してこれらのプランニングを行います。プランナーのセンスに依拠した戦略ではなく、DXによってデジタル化されたデータを根拠としているため、軌道修正もしやすいことが特徴です。
アナリティクス
DX人材は、データを読み解くアナリティクスの役割も果たします。データのスペシャリストでもあり、派生するデータの蓄積・管理といった業務も基本的にはアナリティクスが担います。
データはさまざまなビジネスシーンで大きな役割を担っています。過去のビジネスや取引がデータという形で残るだけではなく、業務にデータが活かされるため、ビジネスモデルの高度化に寄与する存在です。
エンジニア
DX人材は、企業内でエンジニアの役割も果たします。すべてのDXは、構想だけではなくプランナーが分析した施策をプログラミングで実行に移し、成果を分析するというところまでが一つのパッケージとなっています。
DX推進のためにより高速でPDCAサイクルを回すためにも、施策の背景を理解した上で手が動かせるエンジニアは重宝されるでしょう。
DX人材に必要なスキルマップ

「DX人材の3つの役割」にて記載した役割に基づき、DX人材のスキルマップは以下の3つで構成されるといえるでしょう。
- デジタルプランニング人材に必要なスキル
- アナリティクス人材に必要なスキル
- エンジニア人材に必要なスキル
デジタルプランニング人材に必要なスキル
デジタルプランニング人材に必要なスキルには、以下のようなものがあります。
- 戦略立案が必要な事象を見極める洞察力
- 過去のビジネスに捕らわれない柔軟な発想力
- 新しく立案したアイデアを魅力的に伝えるプレゼンテーション能力
- 戦略立案や効果検証に欠かせないヒアリング力
- ビジネス戦略の改善に必要な効果検証能力
いずれのスキルも、一つの施策を考えて取り組みっぱなしにするのではなく、きちんと効果検証まで行って実績を守っていくことが狙いです。
アナリティクス人材に必要なスキル
アナリティクス人材には、以下のようなスキルや知識が求められます。
- データ解析ツールを取り扱える分析力
- 統計学に通ずる数学力
- 必要となる指標やデータを吟味するIT関連の知識
- 机上の空論を防ぐためのビジネスに関連する知識
データの正確な読み取りには、アナリティクス人材の高い情報分析能力が欠かせません。
しかし、数字と向き合いすぎて重要な機会を損失してしまうようではもったいないでしょう。
自社のDX推進をより時代に合うものにすべく、ビジネスに関する知識も常にアップデートさせる必要があります。
エンジニア人材に必要なスキル
エンジニア人材にはプログラミングをはじめとしたITスキルが欠かせません。
- 考えた施策を形にするプログラミングスキル
- 製品やサービスの設計・構築スキル
- 必要な作業を管理できるマネジメントスキル
DX推進は既存のビジネスにデジタル化を促すだけではなく、ビジネスモデルをデジタル技術によって変革させることで新しいビジネスを生み出すことです。
エンジニア人材一つをとってみても、与えられた作業をただこなすのではなく、能動的にDX推進に向けた行動をとる必要があります。
それには、エンジニアとして確立されたITスキルを有しておく必要があるでしょう。
DX人材の育成方法

DX人材を育む方法は以下の3ステップです。
- 座学で知識を身に付ける
- OJTで実務経験を積む
- 学び続けていける環境を作る
DX人材を育成するには理念や概要を理解し、実務で技術を磨き、変化する市場へ対応できるよう常に最新のDX推進を考えられる環境構築が必要です。
1. 座学で知識を身に付ける
DX人材育成のファーストステップは座学です。まずは、DXとは何か、DXで何ができるかを通り一遍の知識をさらえることで確認します。
特にデジタル技術とは無縁の業界にこそ、こうした座学研修は欠かせないものとなるでしょう。また、この座学研修では、DX人材にリーダーシップを身に付けさせることも目的とすべきです。
全社員にDX教育を施すことが難しいため、DX人材候補は陣頭指揮を取りながらDXを推進できる人材である必要があります。DXの基礎とリーダーシップを学ぶためにまずは座学に励みましょう。
2. OJTで実務経験を積む
DX人材育成に取り組む場合、座学で学んだ知識を活かすOJT環境をセットで用意するようにしてください。業務フローの改善や新しいビジネスモデルを作るためには、OJTで実務のなかにDX推進の余地を見出さなければなりません。
何よりもDXについて学びっぱなしの状態を作らないためにも、DX人材育成ではOJTを必ず用意するようにしましょう。
3. 学び続けていける環境を作る
DX人材を育てる際には、DXについて学び続けられるような環境も用意しましょう。DXとは、変化する市場に対応できるようビジネスに柔軟性を持たせることでもあります。
一つのDX推進事例を得て終わるわけではありません。常にビジネスモデルをアップデートする余地を探る必要があると認識しておきましょう。
社内でも、一度育てたDX人材が学びを深められるような研修を定期的に実施する必要があります。知識の復習やケーススタディによって学びを深めることで、DXスキルはさらに磨き上げられます。
DX人材を育成する際におすすめのプログラム

ここではDX人材を育成するのにおすすめのプログラムを2つ紹介します。
- ビジネスにおけるデータ活用・分析研修
- ビジネストレンド・DX事例研修
ビジネスにおけるデータ活用・分析研修
DX推進にはビッグデータの活用が必要不可欠であるため、DX人材はデータ活用について精通しておく必要があります。
そのため、DX人材にはデータ活用について学べる研修や、データサイエンティスト向けの研修がおすすめです。特に、データ分析については研修を通じてさまざまなケーススタディが学べます。
データ活用の引き出しを増やしておくことで、DX人材が現場でデータと向き合う時の切り口というものが学べます。ビジネスモデルもさまざまな形に変化させられるでしょう。
ビジネストレンド・DX事例研修
DXを教える場面でだけ知識をインプットするようでは意味がありません。DX人材はDX推進によって社内の体制を見直すだけではなく、社外を鑑みて企業が時代に則したビジネスを展開できているかどうかを見極める必要もあります。
他社のDX事例であっても、ケーススタディとして知見を広げておけばビジネスチャンスを次から次へと具現化できるでしょう。DX人材の育成では、こうしたビジネストレンドやDX事例に常に触れておく重要性にも言及する必要があります。
DX人材を育成するためのポイント

DX人材を育成する際のポイントは以下の通りです。
- 育成する人材の選定をする
- マインドセットをする
- 社外のサービスを利用する
育成する人材の選定をする
DX人材の育成は、やみくもに全社員を対象に行うべきではありません。DXの概念や知識としての理解は全社員にあった方が良いですが、現実問題、平常業務をこなしながら全社員にDX人材の教育を施すことは不可能です。
DX人材として育成するメンバーをあらかじめ絞り、DX推進はDX人材を基点に進めていきましょう。そのためには、DXに親和性が高く、DX人材としての適性を持った人物を育成対象者として絞る必要があります。
マインドセットをする
育成していく人材には、DX推進のモチベーションを保ち続けられるようマインドセットをすることが大切です。DXによってもたらされる成果は、大きく変化が感じられるまで時間を要することもあります。
DX人材として根気強くDXと向き合えるよう、心構えを持つよう指導しましょう。
社外のサービスを利用する
DX人材の育成をしたいが、指導できる人がいないという場合、社外のDX人材育成サービスを利用するという企業が多くあります。その分コストはかかりますが、DX人材の育成に関するノウハウを学ぶこともでき、社内のみで行うより質の高い学習が見込めるでしょう。DX推進を急ぎたいのであれば、社外のサービスを利用するのがおすすめです。
まとめ

DX推進に欠かせないDX人材の育成は、スキルマップを意識しながら知識のインプット、実務経験、マインドのセットまで網羅することで効率よく進められます。
しかし、実際は平常業務を進めながら+αでDX人材の育成にあたることとなるため、想定よりも多くの時間とコストを要することとなるでしょう。DX人材育成は必要に応じて社外のエキスパートの力を借りて進めることをおすすめします。
ディジタルグロースアカデミアには、DX人材育成のノウハウがあります。DXを推進しながらDX人材を育成できるような社内体制を整えていくことも可能です。
DXを推進したい、社内でDX人材を育成したいということであれば、ぜひ一度ご相談ください。
【監修】
日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ
2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。
デジタル人材育成にお悩みの方は、
ぜひ一度ご相談ください。