データサイエンティストになるには?未経験から目指す場合の手順も紹介
更新日:2023年7月3日
データサイエンスの技術は、ビジネスや社会における意思決定を支援し、企業の競争力を高めるために欠かせないものとなっています。そのためデータサイエンティストの需要は年々高まっており、未経験からでもデータサイエンティストを目指す方も多いでしょう。
しかし、データサイエンティストには高いスキルや知識が求められます。そこで本記事ではデータサイエンティストの主な業務内容や、学習方法について紹介します。また、データサイエンティストになるために大切なことについても触れるため、ぜひ最後までご一読ください。
データサイエンティストの主な業務内容
データサイエンティストの主な業務内容は、以下の6つに分けられます。
- データ収集とクリーニング
- データ分析と解析
- 機械学習モデルの構築
- 構築したモデルの評価と改善
- データの可視化と報告
- データを活用したビジネス戦略の立案
データ収集とクリーニング
データサイエンティストは、分析や解析に必要なデータを収集し、品質を向上させる作業を行います。データはビジネスや社会の現状を反映する重要な情報源であり、その質が分析や解析の精度や信頼性に影響するためです。
たとえば、インターネット上のさまざまなソースからデータをスクレイピングしたり、センサーやカメラなどの機器からデータを取得したりします。しかし、誰もが同じ形式を保っていないことから、収集したデータには欠損値や外れ値、重複値などの不適切な値が含まれる場合があります。
データサイエンティストはこれらの値を削除したり、補完したり、変換したりして、データの品質を向上させるクリーニング作業が主な業務のひとつです。
データ分析と解析
データサイエンティストは、クリーニングされたデータを分析し、ビジネスや社会に有益な知見を抽出する作業も担当します。データは単に数字や文字の集合ではなく、その背景にある現象や傾向や関係性を理解することで価値が生まれるものです。
具体的には、統計的な手法や可視化ツールを用いて、データの分布や相関や因果関係を調査したり、仮説を検証したりします。また、ビジネスや社会に関する問題や課題を明確に定義し、それに対する解決策や提案をデータに基づいて導き出すこともあるでしょう。
機械学習モデルの構築
データサイエンティストは、分析や解析で得られた知見をもとに、機械学習モデルを構築し、予測や推薦などのタスクを自動化することもあります。機械学習モデルは人間の判断や経験に依存しない客観的かつ高速な判断力を持ち、ビジネスや社会に新たな価値を学習した内容にだけ依存して創造できるためです。
たとえば、教師あり学習や教師なし学習などの機械学習の手法を適用して、データからパターンやルールを学習させます。また、構築したモデルの性能や効果を評価し、改善や最適化を行うといったことも業務のひとつです。
構築したモデルの評価と改善
モデルの性能や精度を評価し、必要に応じて改善する工程もデータサイエンティストが担います。データや環境が変化すると、モデルの予測力が低下する可能性があるため、継続的な調整を求められるためです。
消費者の嗜好や行動が変わったとしたら、以前に作ったモデルは効果的ではなくなるかもしれません。その際、データサイエンティストは、モデルを評価指標でチェックし、新しいデータや手法を使って更新する必要があります。構築したモデルの評価と改善は、モデルの信頼性や有用性を高める重要な業務といえます。
データの可視化と報告
データの可視化と報告も、重要な業務のひとつです。分析結果や構築したモデルを他の人に伝え、ビジネス上の意思決定や行動につなげます。
売上予測モデルを作ったとしても、その数字だけでは意味が伝わりません。売上に影響する要因や傾向・変化、課題や改善点などをグラフや表で示すことで、より具体的で分かりやすいメッセージにできるといったイメージです。
また、報告する際には、相手の知識や関心に合わせて、適切なレベルや視点で情報を提供することも大切です。
データを活用したビジネス戦略の立案
データサイエンティストは、単に分析やモデルを作るだけではなく、データを活用したビジネス戦略の立案にも貢献します。分析やモデルは目的ではなく手段であり、ビジネスに価値を生み出すことが最終的なゴールだからです。
顧客満足度向上のためには、下記の項目を十分に検討する必要があります。
- どのようなデータを収集し分析すべきか
- どのようなモデルを作り適用すべきか
- どのようなアクションを取り評価すべきか
また、他の部門やステークホルダーと連携し、最適な解決策を提案することも求められるでしょう。
データサイエンティストになるには?学習方法について
データサイエンティストになるにはさまざまな学習方法がありますが、どの方法を選ぶかによって、学習効果やコスト、時間などが大きく変わります。そこで、下記の3つにわけて代表的な学習方法を解説します。
- 学校やスクールに通う方法
- オンラインの教育プラットフォームを利用する
- 書籍、学習サイトなどで独学をする
学校やスクールに通う方法
学校やスクールに通う方法は、専門的な知識や技術を体系的に学べるというメリットがあります。教員や講師がカリキュラムを作成し、指導してくれるからです。
また、同じ目標を持った仲間と一緒に学ぶことで、モチベーションを高めたり、相談したりできるというメリットもあります。たとえば、実践的なプロジェクトを通してスキルを身につけるなどです。
しかし、この方法は、費用が高くかかるというデメリットがあります。また、自分のペースで学べないというデメリットもあります。学校やスクールは非常に良い学びが得られる一方で、一定の費用や時間がかかる方法です。
オンラインの教育プラットフォームを利用する
オンラインの教育プラットフォームを利用する方法は、費用が安く済むというメリットがあります。
インターネット上でコンテンツを提供するため、物理的な施設や人件費などがかからないからです。また、自分のペースで学べるというメリットもあります。
しかし、質問やフィードバックが得られない、自分で計画や管理をしなければならないというデメリットもあります。手軽に利用できる一方で、自分で目標やスケジュールを設定し、モチベーションを保つ必要がある方法となります。
書籍、学習サイトなどで独学をする
書籍、学習サイトなどで独学をする方法は、学習資料を選べて自分の興味やニーズに合わせて学べるというメリットがあります。
たとえば、「Pythonによるデータ分析入門」や「Kaggleで勝つデータ分析の技術」などの書籍や、「Qiita」や「Zenn」などの学習サイトでは、データサイエンスに関するさまざまなトピックを学べます。
ただし、知識や技術の整理や評価が難しいことがあり、また情報が正しいとは言い切れません。自分で学んだことが正しいかどうか確認する方法がなかったり、誰にも相談できなかったりすることがあるものの、費用がかからない学習方法です。
データサイエンティストになるために大切なこと
データサイエンティストになるためには、実践的な経験を積むことが大切です。データサイエンスは、理論だけではなく、実際の問題解決に応用できるスキルが求められるからです。
たとえば、機械学習のアルゴリズムやモデルを作るだけではなく、データの収集や前処理、評価や可視化などの工程も必要です。また、ビジネスや社会のニーズに合わせて、適切なデータや手法を選択し、分析結果をわかりやすく伝える能力も求められるでしょう。
そのため、データサイエンスの知識や技術を深めるとともに、実際の現場で役立つ問題解決能力、コミュニケーション能力を身につけられる実践は必要不可欠です。
未経験からデータサイエンティストを目指すには?
データサイエンティストになるためには、以下の5つのステップを踏む必要があります。
- データサイエンスに必要な基礎知識を学習する
- プログラミングスキルを習得する(PythonやR)
- データ解析の手法とツールについて学習する
- 実践的なプロジェクトに参加する
- 常に学習を続ける
1. データサイエンスに必要な基礎知識を学習する
データサイエンスに必要な基礎知識とは、統計学と線形代数です。これらの分野は、データの性質や関係性を理解し、数学的なモデルやアルゴリズムを構築するために必要です。
たとえば、統計学では、平均や分散などの基本的な指標や、相関や回帰などの関係性を表す手法を学びます。線形代数では、ベクトルや行列などの数学的な表現や、行列の演算や固有値分解などの計算方法を知る必要があるでしょう。
これらの知識は、データの前処理や可視化、機械学習や深層学習などの応用分野にも活かされます。
2. プログラミングスキルを習得する(PythonやR)
データサイエンティストは、データを収集・整理・分析・可視化・予測・最適化するため、コードを書いてデータを操作する能力も求められます。
たとえば、PythonやRというプログラミング言語は、データサイエンスに特化したライブラリやパッケージが豊富にあります。また、機械学習や深層学習のフレームワークも多く存在しているため便利です。
3. データ解析の手法とツールについて学習する
データから有益な情報や知識を引き出すデータ解析の手法とツールについても学習しておきます。
たとえば、機械学習や深層学習という手法は、データからパターンやルールを自動的に学習し、未知のデータに対して予測や分類などのタスクを行えます。
TensorFlowやPyTorchというツールは、機械学習や深層学習のモデルを構築・訓練・評価できる代表例です。これらの手法とツールは、画像認識や自然言語処理などの多様な分野にも応用できるでしょう。
4. 実践的なプロジェクトに参加する
データサイエンティストになるためには、実践的なプロジェクトに参加することが重要です。実際のビジネスや社会の課題に対応できる能力やコミュニケーション力を身につけられます。
また、自分の興味や関心のあるテーマで、オリジナルのプロジェクトを作成することもおすすめです。自分でデータを収集し、分析し、結果を発表することで自信や達成感を得られます。
5. 常に学習を続ける
日々進化しており、新しい技術や手法が次々と登場しているからこそ、常に学習を続けることが必要です。データサイエンティストは、最新の知識やトレンドに敏感であることが求められます。
たとえば、機械学習や深層学習などの分野では、新しいアルゴリズムやフレームワークが開発されています。これらの技術を理解し、適切に活用することで、より高度なデータ分析や予測が可能になります。
また、オンラインコースや学位プログラムの受講も有効です。データサイエンスの基礎から応用まで、体系的に学べます。フィードバックやアドバイスを受けたり、意見やアイデアを共有したりすることで、データサイエンティストとしての成長も期待できるでしょう。
まとめ
データサイエンスは、ビジネスや社会の課題を解決するために重要なスキルです。そして、データサイエンティストになるためには、統計学や線形代数などの基礎知識、PythonやRなどのプログラミングスキル、データ解析の手法とツールなどが必要です。
学習方法としては、専門学校やオンラインコース、書籍や学習サイトなどがあります。データサイエンティストになるためには、常に学習を続け、最新の知識やトレンドに敏感であることが求められるでしょう。
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