Columnコラム

DX人材のスキルマップ!取得すべき資格を紹介

  • 公開日:2022年12月2日

DX推進のために必要なDX人材は、デジタルプラニング人材、アナリティクス人材、エンジニア人材に分けられ、さらにディレクター、プランナーといったように細分化できます。

人材類型ごとに求められる役割やスキルはそれぞれ異なるため、スキルマップに沿って対象者を慎重に選定し、専門性の高いスキルをつけてもらう必要があります。

本記事では、それぞれの人材の役割やスキルを細かく確認しましょう。

DX人材の役割とは

DX人材の役割は、大きく以下の3つに分けられます。

  • デジタルプランニング人材:企業の問題解決
  • アナリティクス人材:データを扱う
  • エンジニア人材:システムを構築する

企業の問題解決を行う「デジタルプランニング人材」

デジタルプランニング人材は、企業の問題解決を行う人材を指します。

プロトタイプを実装して仮説検証を回していく人材で、主に以下の役職が割り当てられます。

改題抽出・選定~企画 運用・保守
ディレクター
  • 解決すべき課題の優先順位付け
  • DX活動全体の計画立案や体制構築
  • 経営陣/他部門調整、承認
  • 今後の安定稼働に向けたリスク要因の洗い出し
  • 他部門連係
プランナー
  • 解決すべき課題を網羅的に選定
  • ビジネスインパクトの試算方針を検討
  • 実行計画の立案・推進
  • 実業務での利用
  • モニタリング実施
UXデザイナー
  • 課題を抽出
  • UX設計
  • UX改善
  • UI改善
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データを扱う「アナリティクス人材」

アナリティクス人材は、主にデータを扱う人材のことで、データ分析や設計書の作成などが主な役割です。

複雑なデータからインサイトを発見することで、施策を高度化するスキルを持ちます。

改題抽出・選定~企画 運用・保守
データアナリスト
  • データ定義確認
  • 基礎分析、可視化
  • 分析手法、難易度把握
  • 分析設計書作成
モニタリング結果の分析
データサイエンティスト
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システムを構築する「エンジニア人材」

エンジニア人材は、おもにシステムを構築する役割を担う人材のことです。

デジタルプランニング人材やアナリティクス人材が仮説検証した施策を、システムとして実装する技術を持ちます。

改題抽出・選定~企画 保守・運用
AIエンジニア
  • データ定義確認
  • 分析環境確認
  • システム課題確認
  • 開発観点から実現可能性を判断
  • 計画策定や設計
モデルの運用、保守
データエンジニア
  • データの運用、保守
  • UI改善
分析基盤エンジニア 分析基盤の運用、保守
アーキテクト システムアーキテクチャの改善
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DX人材のスキルマップ

本章では、それぞれのDX人材に求められるスキルをチェックしましょう。

必要なスキル
デジタルプランニング人材
  • 発想力
  • 企画構築力
  • 提案力
  • ヒアリング力
  • 効果検証・結果分析力
アナリティクス人材
  • 統計解析スキル
  • データ分析ツールを扱うスキル
  • 数学に関する知識
  • ITに関する幅広い知識
  • ビジネスに関する知識
エンジニア人材
  • プログラミングスキル
  • プロダクトの設計・構築スキル
  • マネジメントスキル
  • システムの実装スキル
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デジタルプランニング人材に必要なスキル

企業の問題解決を行うデジタルプランニング人材に求められるスキルは、以下の通りです。

  • 発想力
  • 企画構築力
  • 提案力
  • ヒアリング力
  • 効果検証・結果分析力
発想力

デジタルプランニング人材には、新しいビジネスモデルを生み出すための発想力が求められます。

アイデアを継続的に出し続け、事業として成立しそうなものを優先的にピックアップすることで、新たなビジネスの創出が可能となる見込みです。

企画構築力

企画構築力もデジタルプランニング人材には欠かせません。

発想力を生かして生み出したアイデアが事業として成り立つように、企画を構築する必要があります。

考え選定したアイデアに、事業としてのコンセプトを与えたり、どのように成長させていくか考案し計画を立てたりするスキルが必要となるでしょう。

提案力

企画構築をしたあと、今度は社内外の関係者に良い企画と思ってもらえなければ実行に移せません。

なぜこの企画が成功すると考えられるのか、市場や顧客のどのニーズにはまるのか、提案するスキルが求められます。

ヒアリング力

提案して意見が通れば終わりではなく、提案した企画をもとに、さらに様々な意見を取り入れながら取り組みを実行していかなくてはなりません。

そのためには、意見を聞き入れ反映させる柔軟さや、複数の意見を取り入れる根拠を考えられる能力も必要となるでしょう。

効果検証・結果分析力

立てた企画を実行に移したら、効果検証や結果の分析を行う必要があります。

実行した企画には本当に効果があるのか、数値化し結果を追っていくこととなるため、検証結果をまとめたり、数字を読み解いたりする力も求められます。

アナリティクス人材に必要なスキル

データを扱うアナリティクス人材は、事業に必要なデータの分析や解析を行う人材で、必要なスキルは以下の通りです。

  • 統計解析スキル
  • データ分析ツールを扱うスキル
  • 数学に関する知識
  • ITに関する幅広い知識
  • ビジネスに関する知識
統計解析スキル

アナリティクス人材は、統計学的知識を備えているのは前提条件とされています。

DXにおいては、ビッグデータの分析や解析によって、事業に必要な情報を引き出していくためです。

データ分析ツールを扱うスキル

データ分析ツールを扱うスキルも前提条件といって良いでしょう。最新のデータ分析ツールを使いこなせなければ、DX推進に必要な分析データを拾いきれなかったり、適切な分析が行えなかったりする可能性があるためです。

数学に関する知識

データの分析・統計の解析では、数値を用いて経過や結果を追っていく必要があります。

そのため、データを扱うアナリティクス人材は、数学に関する知識も必須といえるでしょう。

ITに関する幅広い知識

アナリティクス人材は、ITに関してデータベースやプログラミングに関する知識も有しておくことで、エンジニア人材の開発状況を理解して支援したり、データ分析に役立てたりすることができます。

ビジネスに関する知識

DX推進は、企業のビジネス変革を目的としています。

ビジネスに関する知識を持っていることで、顧客や市場のニーズの把握ができ、自社においてなぜこのような取り組みがおこなわれているのかがわかるため、より企業が求めるデータ分析ができるといえます。

エンジニア人材に必要なスキル

新規のシステム構築や既存のシステムの運用・保守を行うエンジニア人材に必要なスキルは、以下の通りです。

  • プログラミングスキル
  • プロダクトの設計・構築スキル
  • マネジメントスキル
  • システムの実装スキル
プログラミングスキル

エンジニア人材はシステムの構築、運用・保守を行う役割を持つため、プログラミングスキルは前提条件といえます。

DX人材として求められるプログラミング言語としては、機械学習や人工知能(AI)に役立つPython、統計解析に役立つR言語の他、PHP、JavaScriptなどが挙げられ、様々な言語を扱えると即戦力となるでしょう。

プロダクトの設計・構築スキル

エンジニア人材は、システムを実際に使う従業員のニーズを汲み取ったプロダクトの設計や構築を行う必要があります。

チームの意思統一やクオリティ担保のためにも、計画的に設計していくことになります。

マネジメントスキル

エンジニア人材は、経営層や他のDX人材にいわれた通りに設計するのではなく、構築するシステムがどのように役立つのか、ビジネスで提供するものとして成立するのか、といった考えをもちながら、開発チームをマネジメントする力が必要です。

システムの実装スキル

プログラミング言語のスキルやプロダクトの設計スキルのみではシステム開発は完了しません。

システムの実装を完了させることで、DXを進めるのに必要なシステム開発が完成となる形です。

なお、新規のシステム構築をして終わりではなく、システムの実装スキルは運用・保守の際にも求められます。

経済産業省の提示するITスキル標準とは?

経済産業省が提示するITスキル標準とは、ITサービスの提供に必要な実務能力を体系的に定義したものです。この定義では、スキルは単なる知識や技術ではなく、課題解決のために最適な選択、統合、適用ができる総合的な能力として捉えられます。

また、ITスキル標準では、ITサービスの種別に応じて、スキルを職種や専門分野で区分しています。例えば、システム開発やシステム運用などです。

そして、各区分において必要なスキルは、独立して参照できるようにも規定されており、エントリレベルからハイレベルまで7段階のレベルで分けられていることも特徴です。

経産省のITスキル標準の策定により、個人や組織は現在のスキルや目指すべきスキルを明確に把握できます。そのため、経済産業省のITスキル標準は、IT人材の育成やキャリアパスの形成に役立つ指標となることが期待されます。

DX人材が取得しておくべき資格

DX人材が取得しておくべき資格は、以下が挙げられます。

  • DX検定
  • デジタルトランスフォーメーション検定
  • +DX認定試験
  • AWS認定資格
  • Python3エンジニア認定試験
  • AI実装検定
  • データスペシャリスト試験

DX検定

DX検定は、DXの基礎知識や実践力を測る国内初の検定試験です。DXの概念や背景、戦略やプロセス、ツールやメソッドなどを網羅的に学ぶことができるこの検定は、2018年7月に創設されました。

DX検定は、スコアに応じてDXプロフェッショナルレベル、DXエキスパートレベル、DXスタンダードレベルの3段階に分かれており、それぞれに合わせたカリキュラムや問題が用意されています。

デジタルトランスフォーメーション検定

デジタルトランスフォーメーション検定は、デジタル技術を使ってビジネスモデルや組織文化を変革する能力を認定する試験です。一般財団法人全日本情報学習振興協会が認定し、下記のいずれかを取得できます。

  • DXパスポート
  • DX推進アドバイザー
  • DXオフィサー

デジタルトランスフォーメーション検定は、それぞれに合わせたテーマやケーススタディが出題されます。

+DX認定試験

+DX認定資格とは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するために必要な知識やスキルを証明する試験です。IoT検定制度委員会が主催し、オンラインで受験できます。

+DX認定試験に合格すると、ビジネスパーソンがDXに関する基礎的な知識および体系を理解し、自分の持つ能力や技術力から価値を提供できることを証明できます。

また、IoT検定制度委員会に連名可能となり、DXの実践者としての信頼性や競争力を高めることにもつながるでしょう。

AWS認定資格

AWS認定資格は、Amazon Web Services(AWS)のクラウドサービスを利用する際に必要な知識やスキルを証明する資格です。

資格には、クラウドプラクティショナー、アーキテクト、デベロッパー、運用担当者の役割におけるロールベースの認定と、データエンジニア、セキュリティ、マシンラーニングなどの特定の技術分野の専門知識認定があります。

AWS 認定は、個人やチームがクラウドのスキルを示し、信頼性を構築するのに役立ちます。オンラインで受験が可能で、トレーニングや資料も提供されるのが特徴です。

DX人材がAWS認定資格を取得することで、AWSのクラウドサービスを効果的に利用できます。

Python3エンジニア認定試験

DX人材として活躍するためには、Pythonの知識やスキルを証明できる資格が必要です。その一つがPython3エンジニア認定試験です。

試験は、オデッセイコミュニケーションズが提供するテスティングサービス「Odyssey CBT」で受けることができます。オンラインで受験できるので、場所や時間を選ばずにチャレンジでき、教科書やセミナーなどの学習サポートも充実しているのが特徴です。

Python3エンジニア認定試験は、DX人材として必要なPythonの知識やスキルを証明するだけでなく、自信や信頼性を高めることにもつながります。

AI実装検定

AI実装検定は、AIに関する知識や実装力を認定する検定です。AIの初学者からビジネスレベルまで幅広く対応しており、AIの活用に必要なスキルを身につけることができます。

AI実装検定には、「B級」「A級」「S級」の3つの認定レベルがあり、ディープラーニングの実装知識・スキルを3段階のレベルで検定します。学習方法として公式教材やYouTube講座、一般書籍などがあるため、学びやすいでしょう。

AI実装検定は、DX人材として必要なAIの知識とスキルを証明する検定として役立ちます。

データスペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、データベースに関する高度な知識や実践能力を認定するもので、情報処理推進機構(IPA)が主催しています。取得によって、データベースの企画・要件定義・開発・運用・保守などの業務において、中心的な役割を果たすことができます。

また、オデッセイコミュニケーションズが提供するテスティングサービス「Odyssey CBT」で受験できるため、Python3エンジニア認定試験と同様の方法で受験できて便利です。

データベーススペシャリスト試験には、基礎レベル、応用レベル、上級レベルの3つのレベルがあります。上級レベルでは、データベースの運用や保守などの高度な知識や技能が問われるため、取得できれば実力を証明できる資格として役立つでしょう。

DX人材を育成していくためには?

DX人材を育成していくためには、デジタル変革に対応できるスキルやマインドセットを身につけることが必要です。しかし、自社でDX人材を育成するのは、時間やコスト、教育内容の設計などの課題があります。

そこで、人材育成サービスに依頼するのもおすすめです。人材育成サービスでは、DXに関する最新の知識や実践的なノウハウを提供する研修があります。また、研修だけでなく、メンタリングやコーチングなどのフォローアップも行われます。

このように、人材育成サービスや研修によって、DX人材は自ら学び続ける姿勢や問題解決能力を高めることができます。加えて、自社のニーズや目標に合わせてカスタマイズすることも可能です。

DX人材を育成していくためには、人材育成サービスに依頼するのも一つの有効な手段となります。

まとめ

DX人材は、人材類型ごとに求められる役割やスキルは様々です。

DX推進に必要な人材を育成するためには、それぞれに専門性を持たせる必要があります。

DX人材育成会社のデジタルグロースアカデミアでは、DXに関する研修や、いつ・どこにいても受講できるe-ラーニングの整備から企業別コンサルティングまで、幅広いサポートを提供しています。

デジタル化やDXによって事業を成功させるための人材育成をご希望であれば、ぜひデジタルグロースアカデミアにご相談ください。

【監修】

日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ

2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。

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