DX研修とは?人材育成におすすめのセミナーや活用できる助成金
- 公開日:2022年10月13日
DXを活用して新しい価値を創造したり、既存業務の効率化によってさらなる事業成長に役立てたりするための人材育成、教育が「DX研修」です。
しかしその種類は多く、自社が実現したい目的に対して中身が不足している研修もあります。
そこで本記事では、DX研修の概要から選び方まで、これからDXを推進していく企業が考えるべき内容をわかりやすく紹介します。また、さらに学習効率を高められるeラーニングにも触れますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
そもそもDXとは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して企業や組織のビジネスモデルを変革し、新たな価値を創出することです。
具体的には、過去の成功体験にとらわれず、情報技術を駆使して業務プロセスを改善したり、顧客体験を高めたりする活動などが挙げられます。
また、それぞれの変革を進める際にはAIやビッグデータといった最新技術を駆使することもDXの特徴の1つです。
DX推進には、技術導入はもちろんのこと、組織や人材の育成、文化的な基盤の整備が求められます。
DX推進の重要性
DXの推進は、市場における競争優位性を確立するために極めて重要です。
DXを進めることで、以下の重要なビジネス目標を達成できます。
- 業務の効率化とスピード感の向上
- 新しいビジネスモデルの創出
- 顧客体験(CX)の向上
- レガシーシステムからの脱却と最新技術の導入
- 企業文化の変革とデジタルマインドセットの浸透
その結果、企業が持続可能な成長を遂げ、市場における競争優位性を確立できるものです。
そのため、デジタル化の波に乗り遅れることなく、積極的にDXを推進することが、現代のビジネス環境において重要視されています。
DX研修とは
DX研修とは、DXを活用した新しい価値を創造するための考え方を学ぶ研修のことです。
企業がデジタル技術(IT技術)を活用し、変革を実現するうえで必要となる考え方や思考を学ぶことで、イノベーションを生み出す基礎づくりを実現できます。
DXを推進する際には、全社員のITリテラシーやデジタルリテラシーの向上が求められますから、研修の実施はDXに向けた大きな一歩となるわけです。
DX研修の目的
DX研修を導入する目的は、企業がDXに何を求めるかによって大きく変わるため様々です。
例えば、基礎・応用の知識を学べる研修があったり、すでに身につけているデジタル技術を経営戦略としてどのように取り入れていくかという考え方だったりなどの違いが挙げられます。
経営層に限らず、現場で活躍する全社員に浸透させる必要がありますから、どの程度のITリテラシーがあるか、どの領域の研修が必要となるかを見極めて研修を選ぶ必要があります。
DX研修を行うべき理由
上述の通り、DX研修には様々な目的がありますが、共通して言える目的としては、DXを推進するにあたって障壁となるITリテラシーの向上にあります。
新しいシステムの導入は未知のものですから、どうしても抵抗感があるはずです。社員研修としてDX研修を取り入れると、システムに対しての理解度を高められます。
そうすると、実際に使ってみようという意識ができますし、新しい技術がどのような利点のあるものなのかを把握して業務に活用できるといった浸透率を高められるわけです。
つまり、DX研修はDX推進をうまく進めるための潤滑剤としての役割を果たしますので、非常に重要かつ有用なものといえます。
DX研修会社を選ぶ際の確認すべきポイント
DX研修を取り入れるにあたって、全社員に最適なものを選ぶ際に確認すべきは以下のポイントです。
- 過去実績
- 研修の種類
- 講師
- 費用
- 内容の難易度
- DX人材を育成が可能か
- 社内ニーズとの合致
過去実績
DX研修を提供している会社に、これまでどのような実績があるのかを確認します。
過去の実績に自社が望んでいる内容で実施された研修があれば、すでに組み上げられている内容をさらにブラッシュアップして受けられる可能性があるからです。
また、知見やノウハウがあることで、過不足なく高い学習効果を狙えるのもポイントです。
研修の種類
DX研修は、オンラインや講師派遣型などの種類から選ぶのも一つの方法です。
例えば、オンラインであれば場所に関係なく、一定の時間を使って集まれば受講できます。
また、講師派遣型はオンラインと異なり内容をリテラシーにあわせてカスタマイズできますし、公開型は内容が固定されていますが費用を抑えられるなどの利点があります。
社内にどのようなDX研修が向いているのかをしっかりと考慮し、その種類を選ぶとある程度までは絞り込めるでしょう。
講師
DX研修を実施する講師のプロフィールや経歴まで確認できると、どのような人柄で教え方はどういった形なのかをある程度まで判断できます。
また、専門性を求められる分野の際には、その領域で実績があるかも確認しておきましょう。
いかに研修の内容が素晴らしくても、講師によっては聞き取れなかったり、わかりにくかったりすることもあるため、重要な判断基準です。
費用
DX研修の実施に必要となる費用から、受けられるものを絞り込むというのも一つの方法です。
例えば、多くの研修を何度も受ける必要があれば、そうした際に依頼しやすくお得な場所が良いですし、1回で多くのことを学びたいときは高くても資料や情報をあとでも閲覧できるものを探すといった形です。
ただ、費用を抑えることだけが目的になってしまうと、本来受けるべき内容が不十分となり、何度も繰り返し受けることで結果として高額となることがある点には十分に留意してください。
内容の難易度
DX研修の難易度は、現在の全社員のITリテラシーの度合いによって選びます。
例えば、まったくITツールを取り入れていないのであれば初心者向けを、一定のリテラシーが確認できれば中級から上級者向けを選ぶといった形です。
また、ITリテラシーがまばらである場合は、難易度別に研修を選べるようにして、習熟度に合わせた研修を実施するという方法も検討しましょう。
DX人材を育成が可能か
DX研修は、ただ社員のITリテラシーを向上するだけではなく、人材が育成できるかも焦点を当てて選ぶことが良いでしょう。
DX推進の際には、DXを推し進める部署、チーム、人材の選定が必要です。知識だけを周知しても、全社員が受け身のままでは、DXが進むにつれてシステムへの抵抗感や懸念が高まってくる場合があります。
そこで、そうした抵抗感や、都度生じるトラブルを主体的に解決、改善していくようなDX人材を育成できるプランまで備えられたものが、より将来性のあるものとしておすすめです。
社内ニーズとの合致
意外に見落としやすいのが、DX研修の内容と社内ニーズが合致しているかというポイントです。
一言にDXの推進といっても、企業が抱えている課題は異なりますし、提供サービスの内容もそれぞれです。
対象となる社員のITリテラシーはどうなのか、研修を経て育てたい人材像はシステムの構築から運営まで一貫できる人材なのか、AIやIoTといった特定の領域で活躍できる専門的な人材なのかなどの違いは、DX研修の内容にも大きく影響します。
DX人材に求められる知識・スキル
では、DX人材に求められる知識・スキルは何があるのでしょうか。
今後のDX研修を選ぶにあたって、育てるべきスキルの代表例を以下にわけて紹介します。
- ITに関する知識
- デジタルリテラシー
- プロジェクトマネジメントスキル
ITに関する知識
DX人材へ基本的に求められるのが、ITに関する知識です。
ITに関する知識は、プログラミングに限る話ではなく、現状分析の能力やそれによって活用する発想力・設計力などのことです。
IT技術全般を使いこなすための基礎知識は、DX人材がこれから活躍していくうえで重要な基盤となります。
デジタルリテラシー
DX人材に求められるスキルとして、ITに関する知識に加えてAI・IoTなどの最新技術に関する知見である「デジタルリテラシー」も含まれます。
DXの概念自体が普及してきたのはここ10年程度の話ですが、その間でも様々な技術革新、ツールが開発されてきました。
こうしたトレンドをキャッチアップし、適切に自社のDXに適応するといったスキルが求められているわけです。
データサイエンスの知識
データサイエンスの知識も、DX人材にとって必須スキルの範疇の1つです。
データサイエンスは、ビッグデータを扱い、有効に分析・解釈するための学問領域です。
特に、DXを成功に導く上で、事業戦略をデータ駆動で行うことが求められます。
AIやIoTといった技術を活用したビッグデータ分析に精通することで、DX研修においても高度な知識を身につけ、組織全体のデジタル変革推進に大きく貢献できます。
UI/UXの知識
DXでは、UI/UXの知識もデジタル変革を推進する上で中核的な役割を果たします。
UIは、ユーザーが直接利用する画面やデバイスの直感的な操作性やアクセス性を向上する設計に役立ちます。
一方でUXは、ユーザーがサービスを使用する全過程にわたって満足度の最大化を目指すものです。
それぞれのスキルは、DXを通じてユーザーに提供されるデジタルサービスの品質向上に直結します。
プロジェクトマネジメントスキル
DX人材は社内でDXを「主導」する役割を求められます。その内容には、既存のシステムの刷新や、様々な構造の変化が求められます。
そこで、適切なプロジェクトの進め方を行わない場合には、DXといったプロジェクトが難航します。
DXをうまく活用して推進し、成功させるためにもプロジェクトマネジメントに関するスキルの習得を目指しましょう。
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DX人材が取得すると良い資格
DX人材が取得すると良い資格には、以下が挙げられます。
- DX検定
- デジタルトランスフォーメーション検定
- +DX認定資格
DX検定
DX人材が取得すると良い資格の1つに、「DX検定™」があります。
日本イノベーション融合学会が実施する検定であり、経済産業省発表のDX推進ガイドラインに準拠した知識検定です。
DX検定の目的はDXに関わる用語を正確に理解することと、ビジネスと技術の両方についての知識を問うことにあります。
項目 | 内容 |
---|---|
内容 | IT先端技術トレンドとビジネストレンドの理解を目指した検定 |
難易度 | 3.1%がDXプロフェッショナルレベル、9.0%がDXエキスパートレベル、18.3%がDXスタンダードレベルと高い |
問題形式 | 120問(多肢選択式) |
試験時間 | 60分 |
デジタルトランスフォーメーション検定
次に、デジタルトランスフォーメーション検定もDX人材に向いている資格です。
デジタルトランスフォーメーション検定は、全日本情報学習振興協会が主催する、DXに必要な知識とスキルを検証する資格試験です。
この検定は、DXを推進する役割を担う実務者や責任者、アドバイザー向けに設計されており、DX推進に関する知識や技術的理解を評価します。
項目 | 内容 |
---|---|
内容 | 企業や団体において重要なDXに関する広範な知識が問われる |
難易度 | どちらも70%以上の正答率を求められ高い |
問題形式 | アドバイザー:100問(2または4択)、オフィサー:105問(4択または記述) |
試験時間 | アドバイザー:90分、オフィサー:120分 |
+DX認定資格
最後に、+DX認定資格もDX人材が取得したい資格の1つです。
+DX認定資格は、DXの推進に必要な基礎知識とスキルを有しているかを測定・証明します。
この認定資格は、IoT検定制度委員会によって創設されたもので、DXに関連する内容を広範にカバーする出題が行われます。
項目 | 内容 |
---|---|
内容 | 推進に必要な基礎知識とスキルを有しているかが問われる |
難易度 | 80%以上の正答率を求められ高い |
問題形式 | 30問(CBT方式) |
試験時間 | 30分 |
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DX研修におすすめのプログラム内容例
DX研修におすすめのプログラム内容例を、以下に分けて紹介します。
- DXの基礎研修
- IT理解研修
- AIの理解と活用研修
- Iot企画・活用研修
- 機械学習ツール実践研修
- データ活用のいろは研修
- Python研修
- 経営者の意思決定研修
- 業務変革アプリ開発実践研修
- DXの企画/提案の進め方研修
- アジャイル開発研修
- デジタルリテラシー研修
- データサイエンティスト研修
DXの基礎研修
ディジタルグロースアカデミアのDX基礎研修は、DXの概念、その歴史的背景、及び現代のITを活用した新しいビジネスモデルの創出に焦点を当てています。
研修は3時間で、デジタル変革を理解し、組織内での成功への心得や注意点を学びます。
対象は一般社員からDX推進担当、管理職まで幅広いのが特徴です。
IT理解研修
IT理解研修では、主にMicrosoft Officeの基本操作からプログラミング言語の学習、ITリテラシーやセキュリティに関する知識まで、多岐にわたる内容を扱います。
このような研修を通じて、IT人材を育成することで、業務効率化や生産性向上につながる経営メリットが期待できます。
AIの理解と活用研修
AIの理解と活用研修は、ビジネスにおけるAIの効果的な活用方法を学ぶための研修です。
参加者はAIの基本から学び、ディープラーニングを含む実践的な演習を通じて、AIがもたらす価値と活用時のポイントを理解します。
特にDX推進担当者や一般社員、マネジメント層を対象としており、AIを使ったビジネス企画のアイデア検討が可能になることを目指しています。
Iot企画・活用研修
IoT企画・活用研修は、IoTの概念、機能、導入時に考慮すべき点を学ぶことで、生産性向上や売り上げ増加など、IoTがもたらす可能性を最大限に活用する方法を習得を目指します。
参加者は、IoTの基本から応用までを学び、実際にビジネスに活用するための設計スキルを獲得することができます。
講義とグループワークを通じて、具体的な活用事例と技術的な知識を深めることができるでしょう。
機械学習ツール実践研修
機械学習ツール実践研修では、Microsoft Azure MLを使用して、機械学習の基本から実践的なスキルまでを学ぶことができます。
この1日コースは、機械学習の理論の理解と実際のモデリングプロセスの習得に焦点を当てており、受講者は機械学習アルゴリズムの活用方法や精度向上のためのプロセスを学びます。
データ活用のいろは研修
ディジタルグロースアカデミアのデータ活用のいろは研修は、業務でのデータ活用の重要性と正しい活用方法を学ぶことを目的としています。
データの流れ、整備の重要性、KPIの設定方法などを解説し、事例を通じて適切な活用方法を理解します。
研修は2時間で、一般社員やDX推進担当者が対象です。
この研修を通じて、データを活用する視点を養い、正しい意思決定を行える能力を身につけることができます。
Python研修
Pythonによるデータ分析基礎研修では、統計解析や機械学習に必要なPythonの基本操作を1日で学びます。
プログラムはPythonの基本文法の説明から始まり、統計解析、機械学習の基礎、さらにはDeep Learningの実践までをカバーしています。
受講者はPythonを用いたデータ分析や機械学習の基本的な技術を習得し、Deep Learningをどのように実装するかも理解できるでしょう。
経営者の意思決定研修
経営の意思決定研修は、技術理解とコミュニケーションの重要性を把握し、DX時代のリーダーに必要な意思決定やコミュニケーションのスキルを身につけることを目的としています。
この研修では、DXにおける技術の見極め方や、適切な意思決定を行うためのポイントに焦点を当てます。
また、講義とワークを通じて、参加者はDX推進のための具体的なスキルを習得できるのも特徴です。
業務変革アプリ開発実践研修
業務変革アプリ開発実践研修は、全社員及びDX推進担当者を対象とした3日間のプログラムです。
参加者はグループで協力し、ビジネス企画や課題に応じたデモアプリケーションのモックアップ開発を行います。
最終日には、開発したアプリケーションの成果を発表するため、新ビジネス創出や業務課題解決のためのプロトタイプを設計・構築するスキルが身につきます。
DXの企画/提案の進め方研修
DXの企画/提案の進め方研修は、eラーニングで学んだDXに関する知識を実践するためのオンラインワークショップです。
参加者はDX企画や提案の進め方を体験し、DX企画営業のポイントを学びます。
また、3時間の研修で、DXの方向性を検討し、具体的な企画を立案するプロセスを経験します。
この研修は、DX推進担当者や一般社員、マネジメント層に適しており、特別な前提知識は必要ありません。
アジャイル開発研修
アジャイル開発研修は、eラーニング「アジャイルワーク」の振り返りと実践を通じて、アジャイル開発の流れやその勘所を理解することを目的とした研修です。
AIアプリ開発プロジェクトを例に、アジャイルワークの考え方や試行錯誤の方法を学び、DXプロジェクトにおけるアジャイルワークの不明点を解消し、成功のための「感覚」を養うことを目指します。
研修は7時間で、一般社員やDX推進担当者、マネジメント層が対象です。
デジタルリテラシー研修
デジタルリテラシー研修は、eラーニングで学んだ内容を振り返り、技術のビジネス活用についての理解を深めることを目的とした研修です。
この講座では、デジタルリテラシーの重要性とそのビジネスへの応用方法についてグループワークを通じて学びます。
受講者は、事前にeラーニング「デジタルリテラシー講座」を受講した人としており、最大20名までとなっています。
データサイエンティスト研修
ディジタルグロースアカデミアのデータサイエンティスト研修では、ビッグデータ分析の導入手順に沿った実践的な学習となっています。
主に、様々なツールやデータを用いた分析を比較し、実在するデータを用いることで現場で直接活用可能な分析手法を学びます。
また、ビッグデータを自社や顧客のビジネスに適用する方法も習得可能です。
なお、入門のほかにベーシックとアドバンスの段階でさらに深く学ぶこともできます。
DX研修の成功事例
DX研修の成功事例は、以下の2つが挙げられます。
- 三井住友フィナンシャルグループ
- ミズノ株式会社
三井住友フィナンシャルグループ
三井住友フィナンシャルグループは、全従業員5万人を対象にデジタル教育プログラムを実施しました。
このプログラムは、デジタル技術の基礎知識から、実際にビジネスでの応用方法までをカバーしています。
プログラムの目的は、従業員がデジタル技術を活用して、顧客の課題解決や新しい価値を提供できることです。
また、デジタル人材育成組織「デジタルユニバーシティ」の設立や、マインドセット、リテラシー、スキルのステップに沿った学習方法が特徴です。
この取り組みにより、三井住友フィナンシャルグループはデジタル変革を推進し、社会課題の解決に貢献しています。
ミズノ株式会社
ミズノ株式会社は、DXリーダーおよびデジタルスペシャリストの育成プログラムを実施し、デジタル変革を推進しています。
グローバルデジタル統括部とグローバル人事総務部が連携し、DX推進のためのITデジタル人材育成に重点を置いています。
また、教育プログラムは、ディジタルグロースアカデミアとの協力のもと、eラーニングとワークショップを組み合わせたハイブリッド型で提供され、参加者はDXのマインドセットやデータ活用などの技術を学びました。
この取り組みにより、DXに関する考え方やビジネスへの応用能力が向上しています。
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DX研修に活用できる助成金はある?
DX研修に活用できる助成金は、以下の2つが挙げられます。
- 人材開発支援助成金
- DXリスキリング助成金
なお、都道府県によっても違いがあるため、お住まいの地域の補助金も確認しましょう。
人材開発支援助成金
「人材開発支援助成金」とは、従業員へのスキルアップのための訓練を行った際に、その費用や訓練中の給与の一部を補助するための制度です。
特に、「事業展開等リスキリング支援コース」では、新しいビジネスの開始などのために必要な知識や技術の習得をする訓練が支援の対象となっています。
この制度を利用できるのは、雇用保険に加入している事業所の経営者とその従業員で、訓練時間が合計10時間以上のもの、職場外で行う訓練(OFF-JT)、そしてその訓練が職務に直結している場合です。
また、助成される割合や金額は企業の大きさによって変わり、人DX研修にも活用可能です。
DXリスキリング助成金
「DXリスキリング助成金」とは、DXに必要な知識や技術を従業員に身につけさせるための教育や職業訓練を支援するための制度です。
この制度を利用すると、中小企業等は訓練にかかる費用の最大75%、大企業であれば最大60%を助成してもらえます。
さらに、訓練期間中の従業員の給料に対しても一部補助が受けられます。
DXに関する研修や人材開発プログラムの実施に関する財政的な負担を軽減し、企業の競争力を高めるために活用できるでしょう。
DX研修は自社で行うことも可能
DX研修は、必ずしも提供されているサービスだけが選択肢ではありません。
社内で研修の内容を企画し、資料や内容をしっかりと作り込むことで、自社での実施も可能です。
自社でDX研修を実現できた場合は、以下のメリットがあります。
- 社内でDX人材の育成が完結できる
- 費用がかからない
それぞれなぜそのメリットを享受できるのかを解説します。
社内でDX人材の育成が完結できる
自社でDX研修を実施する大きなメリットが、社内だけでDX人材の育成を完結できるようになる、といった点です。
毎回のようにリテラシーの程度に応じて研修を選ぶのではなく、実際に各部署のレベルに合わせて必要な内容の研修を実施できます。
また、自社で実施するものですから、スケジュールを合わせやすくナレッジも蓄積できるため、新入社員といったこれからの人材を育成するのにも役立つでしょう。
企画や内容を用意する一定のリソースは必要ですが、一度型を作ってしまえば、ある程度社内で使いまわしていくことが可能です。
また社内だけでDX人材育成を完結できれば、外部人材の活用などのコストも削減できますし、何よりも自社の課題や、仕組みを理解している人材がDXを推進するということが大きな強みになるはずです。
費用がかからない
自社でDX研修を実施すると、社内のリソースだけを用いて企画から育成まで行えるため、外部サービスを利用する費用がかからないのもメリットです。
本来であれば、研修の内容やレベルに応じて用意されたサービスを利用しますから、相応の費用がかかるはずです。
社員のITリテラシーの程度にあわせると、複数のサービスを利用しますから費用はそれだけ増大します。
自社によるDX研修はピンポイントに人材を育成でき、さらに費用を抑えられる一つの選択肢として選べるでしょう。
自社でDX研修を行う時の注意点
- 現状のレベルを把握する
- ゴールを明確にする
- DXのスキルを分担する
- 自社でまかなえる部分を確認する
- 研修後もフォローを行う
現状のレベルを把握する
まず、自社のDX推進レベルを正確に把握する必要があります。
自社のDX人材が保有するスキルを知り、どんな研修を受けるべきかを選ぶためです。
- 組織内のDXに関連するスキルセットをリストアップする
- 理想のスキルセットと現状のスキルレベルとの間にあるギャップを特定する
この分析をもとに、どのスキルが不足しているかを判断します。
必要に応じてアセスメントサービス等も活用しましょう。
ゴールを明確にする
DX研修を実施する場合は、その目的を明確にして設定しましょう。
DXを通じてプロダクトやサービスを生み出す、既存の業務を効率化してリソースを向上させる、業務自動化によって利益率を高めるなどです。ゴールを明確に設定しておかない場合、DX研修を受けたあとのアクションへつながりにくく、人材は知識を得ただけで止まってしまいます。
さまざまなスキルが求められる領域だからこそ、社内で認識を統一して推進できるようゴールを定めておきましょう。
DXのスキルを分担する
DX研修は様々な種類がありますし、それだけ覚えることが膨大ですから、スキルをそれぞれグルーピングして分担するのも一つの選択肢です。
一人で補える量には限りがありますし、一定の知識やスキルをもった人だけがDXを推進するのでは属人化の問題が残るでしょう。求める人材像に合わせて研修を選んだり、特定の部署ごとで求められる知識・スキルにマッチさせるなどの分担は非常に効率の良い方法となります。
自社でまかなえる部分を確認する
研修を行い人材を育成していく前提で、どの程度まで自社でDXを推進できるかを見極めることも重要です。
ITリテラシーやデジタルリテラシーが向上したからといっても、すぐにDXを実現できるものではありませんし、実際にはさらに知識・技術を求められる領域も生じます。
そのため、既存の社員で補えない部分に関しては外部調達が必要とされ、それに応じてコストも用意しなければなりません。
ですので、どの部分は自社でDXを推進できるのか、または推進できるようになりたいのか、どの部分は外部人材にお願いする前提なのか、といった展望を設計したうえで、研修内容を固めていくことが重要です。
研修後もフォローを行う
DX研修は受けるだけで終わりというものではありませんから、どの程度まで定着しているのかを確認する意味も込めてフォローを行いましょう。
ゴールを明確に設定している場合、求める理想の人材として満足できるレベルとなっているかが判断基準となるはずです。まだ知識が定着していなかったり、補わなければならないスキルがあったりした場合は、フォローによってさらに高めていくことも大切です。
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eラーニングの活用もおすすめ
DX研修は、必ずしも定期的に開催する方法だけがベストではなく、気軽に利用できるeラーニングを活用するのも一つの手段としておすすめです。
その理由とおすすめのeラーニングについて、以下に分けて紹介します。
- 時間と場所に縛られずに学習が可能
- ディジタルグロースアカデミアのeラーニング
時間と場所に縛られずに学習が可能
eラーニングとは、パソコンやタブレット・スマホを使ってインターネットを利用した学習ですから、時間と場所に縛られずに全社員へ研修を実施できます。
また、一定のコースが設けられており、どのスキルを学べるのかが明確ですから人材の育成度を客観的に判断できるのも強みです。こうした手軽に取り組める学習環境を整えておくと、DX人材の育成にかかるコスト削減まで期待できるでしょう。
ディジタルグロースアカデミアのeラーニング
ディジタルグロースアカデミアでは、リアルな研修だけでは補えきれないDX関連講座を提供しています。
基礎コースから企画・提案の進め方に関するもの、さらにデジタルリテラシー講座シリーズと幅広く取り扱うことで、学習効率をより高められるのがポイントです。
また、DX研修でよく取り上げられる題材のデータ活用や、新たなプロジェクトを生み出すために求められるデータサイエンティスト検定対策講座まで揃っていますから、学びをより広く継続的に浸透される環境づくりにお役立ていただけます。
まとめ
DX研修は、人材を育成するうえで便利な方法の一つであり、様々なメリットを享受できますので、DX推進に欠かせないものとなりつつあります。
DX人材育成会社ディジタルグロースアカデミアでは社員の研修からeラーニング、研修後のDX推進の導入支援(伴走)まで実施可能です。
DX人材の育成、推進にお悩みの場合はぜひご相談ください。
【監修】
日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ
2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。
資料・研修動画ダウンロード申し込みページ
DXに関する様々な資料や動画がダウンロード可能です。