リーダー研修は意味ない?目的や成果ある研修にするためのポイント
更新日:2022年11月21日
リーダー研修とは、企業の管理職・プロジェクトリーダーなどの業務を遂行する立場になる候補社員を対象として開催される研修のことを指します。
自分の所属するチームはもちろんのこと、自社全体の動きも考えられるような人材となるには、いままでの経験だけでなくリーダーに求められるスキルを知ることも必要です。
リーダー研修を受講するのは、実績が多かったり入社後の年数が長かったりする人材が選抜されるケースが多く見受けられますが、経験があるからといってリーダーとしてすぐに活躍できるとは限りません。
リーダー研修によってどのようなスキルがつくかチェックし、自社のリーダー候補に適切な研修を受けてもらうための段取りを踏んでいきましょう。
目次
リーダー研修を行う目的とは
リーダー育成は会社を成長させるためにも必要な過程です。
主に以下のような目的で研修を受けてもらいます。
- リーダーとしての役割を認識してもらうため
- チームを引っ張っていくリーダーシップ力を身に付けるため
- コミュニケーションスキルを向上させるため
- 部下を育成していくスキルを身に付けるため
- 課題認識力・計画立案力・目標管理力を身に付けるため
- 判断力を身に付けるため
リーダーとしての役割を認識してもらうため
リーダー研修を行う目的の1つは、リーダーとしての役割を認識してもらうことが挙げられます。
今後リーダーとしての仕事を任される社員が、「リーダーとは何か」を理解する必要があるのです。
自分が率いるチームや企業全体をどう動かしていくのかといった視点をもつこと、また、経営者目線から自社を見る力も求められます。
リーダーとはたんに部下よりも良い業績を収めれば良い、というものではなく、より広い視野や責任をもって業務にあたれるよう、リーダーとしての役割を果たす自覚をもつために行われます。
チームを引っ張っていくリーダーシップ力を身に付けるため
リーダー研修によって、チームを引っ張るリーダーシップ力もつけます。
リーダーは、月間の売上目標や新規顧客の獲得などの様々な数値をチームで上げることを目的に、チームを引っ張る存在である必要があります。
そのためには部下の信頼を得ることが大切であり、一貫した考えや目的を持った行動が求められるのです。
リーダー研修では、チーム・企業全体を見渡したうえでメンバーを動かし引っ張る力をつけることも大きな目標としています。
コミュニケーションスキルを向上させるため
リーダーはコミュニケーションスキルが高いことが望ましいともいえます。
メンバーからの信頼を得るためには、一貫した考えをもつだけでなく、メンバーとのコミュニケーションによって良好な人間関係を構築する必要があります。
メンバーへただ指示を出すだけでなく、メンバーからの意見も積極的に取り入れ、話し合いによって行動や目標を決めていくことが理想です。
リーダーは部下よりも優れたアイデアを持つことが求められるわけではなく、メンバーからアイデアや提案を引き出す力をより求められています。
部下を育成していくスキルを身に付けるため
部下を育てるスキルを身につけることも、リーダー研修の目的です。
自分がリーダーになったからといって「ポジションを獲得した」という認識ではなく、リーダーとしての役割を担うためにも、部下の育成を行う必要があります。
新人や若手社員に対する声がけや成長のチャンスを与えることで、部下のより良い成長に繋がり、ひいてはチーム全体の様々な数値を向上させることもできるでしょう。
課題認識力・計画立案力・目標管理力を身に付けるため
リーダー研修では、現状の課題を認識したり、その課題を解決するための目標や計画を立てる力が必要です。
チームは同じ方向を見て業務を進めていきますが、目標を達成するためには適切な計画を立案しなければなりません。
目標を設定したり計画を立案する際には、チームが達成できるものである必要もあります。
リーダー研修で、たとえば個人の行動目標や計画を立てる方法とは考え方が異なることを念頭に置かなければいけないことも学びます。
判断力を身に付けるため
リーダー研修では、判断力もつけていきます。
平社員には決定権がないものも、リーダーになると一定の決定権が与えられるためです。
チームの数値変化の責任はリーダーにあります。
数値変化に向けて、たとえば計画や目標を途中で変更しなくては適切にプロジェクトが進められない、といったような場面があった場合に、リーダーの判断力が重要です。
研修では、迷ったときは目標を達成するために何を選択しどのように動けば良いのか、判断力を鍛えます。
リーダー研修で学ぶ内容
リーダー研修では、先ほど紹介したスキルをつけるために以下のようなものを学んでいきます。
- 業務指導のティーチングスキル
- 面談時に役立てられるコーチングスキル
- 課題を探し解決するアクションプランの策定
- 部下の褒め方、叱り方、対話の仕方
- 部下の話を聞く方法
- チームの目標設定方法
- コスト管理・情報管理について
- 細かなタスク管理やチーム全体の進捗管理の方法
なお近年では日本全体でDX推進が行われており、DXに関する知識もリーダー研修で学ぶことがあるでしょう。
DXの推進に成功すれば、業務効率化や現代のユーザーニーズに応えることに繋がり企業の評価も上がります。
そのため、どのような課題を解決するためにDX推進が必要かを考えることも、リーダー業務の1つに加わる可能性があります。
リーダー研修を行うためには
リーダー研修を行う方法としては、社内研修・社外研修・オンライン学習の3パターンがあります。
外部委託の講師を招き、社内の会議室や講堂に集合して受ける形態を社内研修といいます。
社外研修とは、研修を開催している企業や外部機関に出向いて受講することです。
社外の人脈ができたり、もとから研修としての環境が整った場所で受けられる魅力があります。
現代において急増しているオンライン学習という方法もあります。
社内からでも自宅からでも、どこにいても参加できるため、研修のために出向いたり準備したりする時間をカットできるのがメリットといえるでしょう。
オンライン学習のデメリットとしては、講師に直接質問ができないことや、受講者同士の交流が難しいことが挙げられますが、チャットによる質問やオンライングループワークによってこうした課題も解決しつつあります。
リーダー研修を行う上で必要になる費用
リーダー研修を行う上で必要になる費用は、参加人数や受講場所などの規模によって大きく異なります。
たとえば研修形態として一般的な集合研修では、数十人規模の半日〜1日程度のものであれば10〜20万円程度のケースがほとんどです。
対して大企業ではリーダー候補だけでも大人数になるため、外部開催の公開講義に参加するほうが費用を抑えられることもあるでしょう。
公開講座は無料で開催されたり、受講者1人あたり数千円〜数万円程度の場合もあります。
また、e-ラーニングが活用されているケースもあり、その場合の費用は更に抑えられることもあります。
たとえば50人程度のユーザーに対し月額数万〜10万円程度で受講できるため、コストを抑えつつ時間効率もアップするのが魅力です。
規模・内容・時期によって費用相場は変わるため、リーダー候補の人数や部署の規模に応じて検討しましょう。
成果あるリーダー研修にするためには?
リーダー研修を成果あるものとし自社に持ち帰ってもらうためには、以下の企業努力が必要です。
- 参加者のモチベーションを上げる
- 研修の内容を組織・参加者の問題点に合わせる
- 研修に参加させる適切な人材を選抜する
- 研修後学んだ内容を活かせる環境を作る
参加者のモチベーションを上げる(動機付け)
リーダー研修を成果あるものにするためには、まず参加するリーダー候補のモチベーションを上げることが大切です。
研修の受講が決定しているリーダー候補は、優秀でまじめに業務をこなす人材が多いことが予想されますが、「自分にリーダーがつとまるのか」と不安に感じてしまう人もいるでしょう。
また、なぜリーダー研修が必要なのか、研修によって何を学ばなくてはならないのか、明確にわかっていないと、ただ研修を受けに行くだけになりかねません。
リーダー候補は研修参加が義務だから、という参加理由ではモチベーションを上げられないものです。
リーダー研修によって何を得て、どのように業務に活かし、チームの何の改善につなげると良いのか、上司から具体的にアドバイスができると、研修参加のモチベーションが上がる可能性があります。
研修の内容を組織・参加者の問題点に合わせる
リーダー研修の内容が、参加企業やリーダー候補の属するチームの問題点に合っているかどうかも重要な要素です。
リーダー研修の多くは長くても2日間程度の短期間で開催されるため、リーダー総論を学ぶにとどまる可能性があります。
研修で学んだ内容と現実の業務でのギャップがあると、研修で学んできた内容が浸透せず現場で活かせないこともあるでしょう。
そのため研修で学んだ内容を、自社またはチームでどのように活用・発揮できるか、研修後に話し合うことも大切です。
研修に参加させる適切な人材を選抜する
リーダー研修の成果を上げるためには、研修に参加する人材・人数を厳選することも大切です。
たとえばリーダー候補の人数が多い大企業の場合、全員を研修に出向かせても、大半のメンバーが内容を吸収しきれない可能性もあります。
そこで、はじめからリーダー研修参加へのモチベーションが高い人材に絞ることも検討してみましょう。
外部研修に参加し研修で学んだ内容を自社に持ち帰ってもらい、自社の業務に合わせた内容に練り直して他のリーダー候補を集めて社内研修を実施する、というのもリーダー研修の1つの手段です。
研修後学んだ内容を活かせる環境を作る
研修でインプットしても、アウトプットの場がすぐに訪れなければ、内容は抜けてしまう可能性があります。
そこで、上司が部下の研修報告を聞く機会を設ければ、実際の業務に入る前に学んだ内容を頭のなかで整理することも可能です。
研修に興味を持てず、自社に戻って早々に業務を任されてもとまどうリーダー候補もいるため、まずは研修直後のアウトプットや、上司と一緒に今後の業務について考える時間を作ることを検討してみてください。
まとめ
企業を成長させるための人材育成の一環として、リーダー研修は欠かせません。
また今後さらに企業や社会を成長させていくためには、リーダーとしてDXの知識が必要となる場面もあるでしょう。
DX人材育成会社のデジタルグロースアカデミアでは、デジタル化・DXに関する研修が充実しています。
いつ・どこにいても受講できるe-ラーニングの整備から企業に合わせたコンサルティングまで、幅広いサポートを提供しています。
企業リーダー研修においてDX研修も取り入れる場合は、ぜひデジタルグロースアカデミアに相談してみましょう。
【監修】
日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ
2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。
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