デジタル化とは?メリット・デメリットやDXとの違いなどを紹介
- 公開日:2022年10月25日

デジタル化とは、アナログ業務の電子化により効率化や合理化を目指すことを指します。デジタル化により、人員や手間などのコストが削減され、より重要な業務に集中できるようになるでしょう。この記事では、デジタル化の意味と具体例、メリットなどを解説しますので参考にしてください。
目次
デジタル化とはどういう意味?

デジタル化は、企業が時代に適応するために欠かせない取り組みの1つとなっています。デジタル化には、主に以下の2つの意味があります。
- アナログのデジタル化(デジタイゼーション)
- ビジネスプロセスのデジタル化(デジタライゼーション)
アナログのデジタル化は、業務の効率化や合理化のために行われます。ペーパーレス化やオンライン会議などはその一例です。一方、ビジネスプロセスのデジタル化は、商品やサービスに及ぶ事柄を改革します。初めにデジタイゼーションを進め、その次にデジタライゼーションを行うのが企業内のデジタル化の有効な順序です。
デジタル化の具体例

デジタル化は具体的に何を行うのか、ここでは以下の3つを例に挙げて解説します。
- 書類のペーパーレス化(電子化)
- クラウドサービスの利用
- AIによる業務の自動化
書類のペーパーレス化(電子化)
紙ベースで印刷・保管していた書類を電子化する取り組みです。ペーパーレス化により、紙やインク、保管スペースなどのコストが削減できます。また、蓄積されたデータの抽出が容易になり、分析や活用に役立てやすくなります。電子化できる書類の例は以下の通りです。
- マニュアル
- 請求書
- 顧客情報
- 顧客対応履歴
- 契約書
クラウドサービスの利用
電子化に加えクラウドサービスを利用すれば、社内の情報共有が効率化できます。クラウドスペースはネット環境さえあればどこでも接続できるため、外出時やテレワーク時の対応もスムーズになります。クラウドサービスの利用を検討できる分野は以下の通りです。
- 勤怠管理
- 契約申請業務
- スケジュール・進捗管理
AIによる業務の自動化
人手で行っていた業務をAIにより自動化するなら人手不足が解消され、より重要な業務に人員コストを割けるようになります。単純作業を自動化するほか、顧客サービスにAIを取り入れ企業競争力を向上させることもできます。たとえば、AIの自動応答による問い合わせサービスやモニタリングなどはその一例です。
デジタル化とDXの違いとは?

デジタル化と似た言葉でよく知られているのがDXです。この2つは共通点もありますが、目的が異なります。DXは、デジタル化のさらに一歩進んだ段階であるともいえます。DXを成功させるためには、まず順序立ててデジタル化を実現させる必要があるでしょう。
DXとは
DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略で、テクノロジーにより産業構造を変化させるという意味です。頭文字のDTは他のプログラミング用語とかぶるため、Transを略してXとし、DXと呼ばれています。デジタル化との違いは、単に業務をデジタル化するだけではなくビジネスモデルを大きく変化させる点にあります。
DXの具体例
DXの具体例としては、以下が挙げられます。
- タクシー配車サービス
- 保険料キャッシュバック
- オンラインスクール
- スマート家電
- テレワーク
- 無人店舗
- フードデリバリーサービス
- モバイルオーダー
- サブスクリプションサービス
- カスタマーサポート
主に、デジタル技術を活用して新しい顧客体験を提供したり、業務効率を改善したりすることで、ビジネスモデルの変革や業務プロセスの最適化を実現します。
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IT化とシステム化の違いとは?

IT化とシステム化の違いを、以下に分けて紹介します。
- IT化とは
- IT化の具体例
IT化とは
「IT化」とは、情報技術を活用して業務効率化を図ることを指します。
主に、システムやソフトウェアを使ってデータを手早く集めたり、分析したり、共有したり、安全に保管するなどです。
デジタル化は情報の形を変えて、より良い管理と活用を可能にします。
一方で、IT化はそのデジタル情報を最大限に活かすための技術やシステムを導入することを言います。
IT化の具体例
例えば、紙の文書をPDFやデジタル画像に変えることで、情報を簡単に管理したり活用したりできます。
IT化により、昔ながらの手書きや紙の文書を使った方法よりも、時間も労力もずっと少なくて済むでしょう。
また、デジタルデータから情報を自動で読み取り、業務を自動化することもIT化の一環です。
デジタル化とIT化は、お互いに補い合いながら、業務をスムーズに進めたり、より良い意思決定をしたりするのに役立ちます。
企業が成長し続け、持続可能な未来を築くためには、DXの取り組みが欠かせないものとなっています。
デジタル化のメリット

企業がデジタル化を進めるのには多くのメリットがあります。ここでは以下の4つにまとめてそのメリットを解説します。
- 業務の効率化
- コストの削減
- リモートワークの促進
- 社内情報の一元管理
業務の効率化
人が行っていた業務を自動化することで業務の効率化が図れます。また、ペーパーワークを電子化し、提出や保管の手間を省けます。単純作業やマニュアル化されている業務を自動化するなら、重要な業務や独創性の必要な新規開発などにより多くの人員コストを割けるようになるでしょう。
コストの削減
デジタル化により、削減可能なコストの例は以下の通りです。
- 人員コスト
- ペーパーレス化によるスペースコスト
- 人員不足・人為的ミスが原因でかかるコスト
- 紙やインクなどの資源コスト
リモートワークの促進
デジタル化により、直接会わなくても会議や資料の作成・受け渡しができるようになり、リモートワークの促進につながります。リモートワークにより不必要な通勤や資料を探す手間などが省かれる点はメリットといえるでしょう。また大規模企業の場合、複数の支社や部署から集まって行っていた研修や会議をオンラインにすれば、移動時間の短縮や担当者の負担軽減を図れます。
社内情報の一元管理
デジタル化により社内情報の一元管理が進むと、臨機応変なマニュアル更新がしやすくなり、伝達ミスによる混乱のリスクを避けられます。具体的には、情報の一元管理により以下のメリットが得られます。
- 勤怠ツールにより勤怠管理負担が減る
- グループウェアによりスケジュールや資料を共有化できる
- プロジェクト推進ツールによりタスクを一元化し効率が上がる
- 顧客管理ツールにより情報を一元化し、担当者以外でも即時対応が可能になる
デジタル化のデメリット

デジタル化のデメリットには、以下の2つが挙げられます。
- セキュリティリスク
- 導入コスト
セキュリティリスク
セキュリティリスクとは、情報がオンライン上でやり取りされるようになることです。
いずれも、外部からのサイバー攻撃やデータ漏えいの可能性が高まることを指します。
例えば、総務省の情報通信白書では、オンライン教育の分野では、ランサムウェア攻撃が原因で10万人以上の学生が遠隔授業を受けられなくなる事態が発生したことに触れられています。
そのため、リスクを防ぐためには、しっかりとしたセキュリティ対策が不可欠です。
導入コスト
もう一つのデメリットは、導入コストです。
新しいデジタルシステムを導入する際には、そのシステム自体の購入費用だけでなく、設定やスタッフ研修にかかる費用も考慮する必要があります。
さらに、システムの定期的な更新や保守も継続的な費用もかかるでしょう。
それぞれのコストは、デジタル化が企業にとって利益をもたらす前に、一定の負担となることがあります。
デジタル化の進め方

デジタル化を成功させるためには、計画的に順を追って進める必要があります。ここではデジタル化の進め方として、以下の4つのステップを解説します。
- 現状を把握する
- デジタル化の目的を明確にする
- 導入するシステム・ツールの検討をする
- セキュリティ対策をする
①現状を把握する
デジタル化には異なるさまざまな手法があり、自社に最適なものを選択するためには、導入前の現状把握が欠かせません。現状の課題把握は、できれば社内全員で行うのが理想的です。実際に現場で働く社員も含めてヒアリングを行い、デジタル化できる部分を見つけます。例として、以下の点をヒントにできるかもしれません。
- 人員が足りていない業務
- 無駄な手間や時間がかかっている業務
- 災害時の影響を大きく受けそうな業務
②デジタル化の目的を明確にする
課題を把握したなら、目的を明確に定めることも重要です。注意したい点として、デジタル化そのものを目的にしてはいけません。デジタル化はあくまでも手段であり、導入によりかえって業務が煩雑になったり、難易度が上がったりすることを避けるべきです。デジタル化の目的の例として以下が挙げられます。
- 業務効率化
- 働き方改革の実現
- 企業利益の向上
③導入するシステム・ツールの検討をする
デジタル化導入の目的が明確に定まったなら、次に具体的なシステム・ツールを検討します。ツールを選ぶ時は現場の社員目線に立ち、操作が簡単でわかりやすいものを選ぶのがベストです。新システム・ツールの導入により、かえって業務効率が下がることがないように操作性を確認して選びましょう。また、セキュリティ対策がしっかり行われているものを選ぶことも大切です。
④セキュリティ対策をする
セキュリティ対策として、ツールの選定やウイルス対策ソフトの導入は欠かせません。また、クラウド上のシステムを利用する場合は、パスワードやユーザー権限の設定にも最新の注意を払う必要があります。さらに、人員的リスクを避けるために社内でセキュリティ研修を行い、社員全員の意識を高めると良いでしょう。
デジタル化のために活用すべきデジタル技術(ツール)

デジタル化のために活用すべきデジタル技術(ツール)には、以下の4つが挙げられます。
- クラウドストレージサービス
- 経費精算システム
- 勤怠管理システム
- プロジェクト管理ツール
クラウドストレージサービス
まず、クラウドストレージサービスは、大量のデータを簡単に保存し、アクセスや共有、ダウンロードができるサービスのことです。
主に、データのバックアップ、共有、ダウンロードが容易になるため、情報の共有や協業がスムーズに行えるようになります。
具体的には、Google DriveやMicrosoft OneDriveがこの種のサービスとしてよく知られています。
経費精算システム
次に、経費の申請や休日の申請、出張の報告などが簡単になる経費精算システムも挙げられます。
申請から承認までのプロセスがオンラインで完結し、紙の書類を使う手間が省けます。
そのため、従業員は煩雑な手続きにかかる時間を削減し、より生産的な業務に集中できるでしょう。
また、管理者は申請の承認プロセスを迅速に進めることができ、組織全体の運営効率も向上します。
勤怠管理システム
ほかにも、従業員の出勤・退勤の時間、休憩時間、残業時間などを自動で記録し、管理する勤怠管理システムがあります。
従業員の出勤・退勤時間、休憩時間、残業時間などを自動的に記録し、管理することにより、勤怠データの正確性が保証され、人事部門の負担が大幅に軽減されます。
加えて、労働法規の遵守を支援し、従業員の働き方の透明性を高めることにも寄与するものです。
プロジェクト管理ツール
最後に、プロジェクト管理ツールです。
プロジェクトの進行状況を一目で確認でき、タスクの進捗状況を管理できます。
未完了のタスクにはアラートが出るなど、仕事の遅れを防ぐ機能も備わっています。
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【監修】
日下 規男
ディジタルグロースアカデミア マーケティング担当 マネージャ
2011年よりKDDIにてIoTサービスを担当。2018年IoTごみ箱の実証実験でMCPCアワードを受賞。
2019年MCPC IoT委員会にて副委員長を拝命したのち、2021年4月ディジタルグロースアカデミア設立とともに出向。
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